わたしたちの県議会 茨城県議会
平成9年第4回定例会


決算特別委員会

審査の結果、原案を認定
平成8年度県公営企業会計決算

 平成9年の第3回定例会において、決算特別委員会に付託された「平成8年度茨城県公営企業会計決算の認定」についての審査経過および結果は次のとおりです。
 委員会は、11月19日、26日開催され、決算審査の主眼である企業管理および財政運営の適正な執行、経済性、公共性の確保、行政効果などについて、決算書、関係書類をもとに綿密な審査が行われました。また、書類審査と併せて、関係事業所などの現地調査も実施されました。
 審査の過程において、論議された主な事項は、企業局関係では、工業用水道事業の今後の展望、水道事業における減価償却の方法と料金算定、水源確保の必要性と負担金、市町村の基本水量の変更、長期水需給の見通しなど。衛生部関係では、県立中央病院における未収金の回収、外国人医療への対応、看護婦などの人員配置のあり方、政策医療の内容、人工透析の時間外実施、救急医療体制の充実、繰入金の考え方、職員の意識改革、さらに県立友部病院における入院患者の社会復帰対策、改築の検討状況など。土木部関係では、鹿島臨海都市計画下水道処理施設の処理能力の変更、施設増設の必要性などです。
 これらの問題について、執行部との間に活発な質疑応答がなされました。審査の結果、賛成多数でその内容を適切なものと認め、原案を認定すべきものと決定しました。


行財政改革調査特別委員会

中間報告 財政健全化へ集中改革
組織機構は審議を継続

 行財政改革調査特別委員会は、平成9年第2回定例会において、「簡素で効率的な行財政運営のあり方に関する諸問題」を調査するために設置されました。  以来、10回にわたり委員会を開催し、全部局から行財政改革の課題などについて聴取を行うとともに、学識経験者からの意見聴取、他府県の調査を行うなど、精力的に調査審議を重ねてきました。
 平成10年度の予算編成を前に、財政関係についての提言を中心に、中間報告書として取りまとめ、12月15日の本会議に報告しました。
 中間報告書の概要は次のとおりです。

 本格的な少子・高齢社会を目前にし、引き続き県勢発展の活力を維持していくためには、早急に財政の健全化を図り、21世紀に向けて確固たる財政基盤を確立する必要がある。
 財政健全化の目標として、一般財源基金からの繰り入れに依存せず、単年度収支が概ね均衡する財政構造の実現を目指すこと。
 財政再建期間は、平成15年度(2003年度)までの、できるだけ早い時期に単年度の収支が、おおむね均衡することを目指し、特に、平成10年度から12年度までの3年間を重点的に取り組む集中改革期間とする。
 次に、財政健全化のための手段方法として、徹底した事務事業の見直しと補助金の整理合理化を行い、平成10年度の一般経費は、対9年度比、15%を上回る削減を図るとともに、平成11年度以降も引き続き抑制すべきである。
 義務的経費、特に人件費抑制のため、一般行政職員数の削減を図るとともに、教職員配置の適正な定数管理を行う必要がある。
 公共事業は、国が前年度比93%以内としており、これを踏まえて、国補公共事業について、事業の重点化を図り、県単公共事業は、バブル崩壊後における景気対策実施前の水準までに引き下げることを前提に、平成10年度は、9年度比で15%を上回る削減を行い、11年度以降も計画的に削減すべきである。
 事業費がおおむね10億円以上の大規模建設事業は、個別に事業の緊急性、効果、内容・規模などについて再点検を実施し、事業期間の延長や着工の先送りなどの措置を講ずべきである。
 歳入面からは、県税滞納額の縮減を図り、県有財産の有効活用や受益者負担の適正化の観点から使用料、手数料などについて不断の見直しに努める。
 以上のような財政健全化を進めるにあたっては、県民の理解と協力を得ることが不可欠であり、財政収支見通しの作成、公表を計画的に行うべきである。
 また、事業の効果・効率性を客観的に評価するシステムや、予算を横断的に編成する「マトリックス方式」などの導入についても、検討する必要がある。
 次に組織機構などについては、今回はその考え方を示し審議を継続する。
 政策形成・総合調整機能の一層の充実強化が必要であると考えられる。
 福祉部、衛生部は、将来の介護保険の導入などに向け、できるだけ早い時期に統合する必要があると考えられる。
 農林水産部、農地局は、農政部門の充実・強化を図るため、できるだけ早い時期に統合する必要があると考えられる。
 公の施設は、民間施設の整備充実に伴い、官民の役割分担の視点からの見直しや、民間委託を含めた再編整備を進める必要があると考えられる。
 行財政改革を進めるにあたっては、県民生活及び地域経済への影響に十分配慮するとともに、県民の立場に立った改革としていくことが重要である。


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