《意見書・決議》
日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターにおける被ばく事故に係る被害への対応及び原子力安全対策の充実・強化を求める意見書
去る6月6日,日本原子力研究開発機構大洗研究開発センター「燃料研究棟」において,核燃料物質の点検をしていた作業員が放射性物質で汚染されるという,被ばく事故が発生した。
今回の事故は,原子力に対する県民の信頼を著しく損なうとともに,放射性物質の飛散に対する住民の健康不安や,農畜水産業,商工業,観光など各方面にわたる風評被害を引き起こすなど,広範囲にわたって甚大な被害を及ぼしかねないものである。
本県では2013年にも,日本原子力研究開発機構が運営する大強度陽子加速器施設「J-PARC」で放射性物質が漏えいし,研究員ら34名が被ばくするという重大な事故が発生したばかりであり,極めて遺憾である。
ついては,国の責任において,県民が安心して安全な生活を送ることができるよう,事業者に対し強力に指導・監督を実施するとともに,下記事項について迅速かつ具体的な措置を講じることを強く要望する。
記
- 放射性物質の飛散に対する住民の健康不安を解消するため,最善の策を講じるとともに,正確かつ迅速な情報公開を徹底すること。
- 農畜水産業,商工業,観光,企業誘致など様々な分野での影響を払拭するため,積極的な風評被害対策を講じるとともに,これらの分野の実情に応じた具体的支援策を講じること。
- 事故原因を徹底的に究明するとともに,再発を防止するため万全の対策を講じること。
- 日本原子力研究開発機構の徹底した安全管理体制の充実・強化を図ること。