食中毒予防
家庭でできる食中毒予防
食中毒は、以前は夏に集中して起きていましたが、最近では1年を通してみられるようになっており、しかもここ3、4年発生件数が急増しています。原因になる食品も、生ものだけでなく、さまざまな保存方法をとる加工品にも食中毒を起こす可能性があります。
O157などの腸管出血性大腸菌による食中毒は、患者数、件数は減っているものの、集団でかかるよりも散発的に起こる傾向になっています。
見た目の「きれいさ」よりも「衛生的」であることが大切です。そして、家族一人ひとりが、毎日の生活の中で、食中毒などの感染症から身を守る具体的な方法を知り、実践しましょう。
食中毒予防の6つのポイント
1 買い物するときは・・・・
- 肉、魚、野菜などの生鮮食品は新鮮なものを選びましょう。消費期限のあるものは必ず確認を。
- 購入したら、肉汁や魚などの水分がもれないように、それぞれ別のビニール袋などに分けましょう。
2 食べ物を保存するときは・・・・
- 冷凍や冷蔵などが必要なものは、持ち帰ったらすぐ保存しましょう。
- 冷蔵庫・冷凍庫の詰めすぎは冷却効率を悪くするので注意。7割程度に。
- 冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫はマイナス15℃以下が目安。細菌が死ぬわけではないので、早めに使い切るように。
- 肉や魚はビニール袋や容器に入れて、ほかの食品に肉汁などがかからないように。
- 流し台の下に食品を保存するときは水もれなどに注意。床には直接置かないようにしましょう。
3 料理を始める前に・・・・
- 井戸水を使用している家庭では、水質に十分に注意下さい。
- 手を洗いましょう。
- キッチンにゴミがあったらまず捨てること。タオルやふきんは清潔なものを用意し、調理台を片付けて広く使えるようにしておきましょう。せっけんの準備も忘れずに。
- 肉、魚、卵などを扱った後や、動物に触ったり、トイレにいったり、おむつを交換したり、鼻をかんだりしたあとは必ず手洗いを。
- 肉や魚の汁が、果物や野菜など生で食べるものや、調理がすんだものにかからないようにしましょう。
- 包丁やまな板は、肉や魚を切ったあとに一度熱湯で洗うこと。できれば、肉用、魚用、野菜用とそれぞれ別々にそろえましょう。
- ラップしてある野菜も良く洗いましょう。
- 凍結している食品を室温で解凍するのは危険。冷蔵庫か電子レンジを使うこと。水で解凍するときは気密容器に入れて流水で。使う分だけ解凍し、すぐ使うこと。冷凍・解凍を繰り返すのは避けましょう。
- 包丁、まな板、ふきん、たわし、スポンジなどは、使ったあとはすぐに洗剤と流水で洗うこと。漂白剤に一晩つけ込むのも効果的。洗ったあと熱湯をかけたり煮沸し消毒すれば確実です。
4 料理をするときは・・・・
- 調理の前に、キッチンを点検。タオルやふきんは乾いた清潔なものに交換し、手を洗いましょう。
- 加熱するときは食品の「中心部を75℃で1分間」を守りましょう。
- 調理を途中でやめるとき、食品を室温で放置するのは危険。必ず冷蔵庫に。再び調理するときは十分に過熱しましょう。
- 電子レンジはレンジ用の容器を使うこと。熱の伝わりにくいものは、ときどきかき混ぜましょう。
- 調理前、調理後の食品は室温に長く放置しないこと(O157は室温だと15分から20分で2倍に増えます)。
5 食事をするときは・・・・
- 食卓に着く前に、まず手を洗いましょう。
- 盛りつけは、清潔な手で、清潔な器具を使って、清潔な食器に。
- 温かい料理はいつも65℃以上に、冷やして食べる料理はいつも10℃以下が目安。
6 食べ物が余ったときは・・・・
- 残った食品を扱う前にも手を洗い、清潔な器具と皿を使って保存。
- 残った食品は、早く冷えるように浅い容器に小分けしましょう。
- 時間がたちすぎたら、思い切って捨てること。
- 暖め直すときは、75℃以上を目安に十分に加熱すること。みそ汁やスープは沸騰させましょう。
- ちょっとでもあやしいと思ったら、口に入れずに捨てましょう。
食中毒の予防のポイントは、食中毒菌を「つけない、増やさない、殺す」です。
「6つのポイント」はこの三原則からなっています。
これらのポイントをきちんと行い、家庭から食中毒をなくしましょう。
食中毒は簡単な予防方法をきちんと守れば予防できます。
それでも、おなかが痛くなったり、下痢したり、気持ちが悪くなったりしたら、かかりつけのお医者さんに相談しましょう。