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更新日:2020年6月10日
網いけす養殖の特徴
1.生産コストが安い。
魚を養殖するためには酸素を多く含んだ水が大量に必要です。そのため、陸上池養殖では広大な面積の池や水、酸素を供給するための施設が必要となってさますが、網いけす養殖ではこれらの施設が不要なため、生産コストか下げられ、安いコイを供給できます。
2.飼育管理がしやすい。
霞ヶ浦・北浦の網いけすの1面の大きさは面積が25平方メートル、容積が50立方メートルで、この中で年間約1.5トンのコイが生産されています。これと同じ量のコイを陸上池で作るためにはおよそ1,140平方メートル(縄いけすの約46倍)の池が必要です。このように、小さないけすで収容密度を高めて養殖できるため飼育管理が容易になります。
3.自然災害に影響を受けやすい。
夏の高水温期に湖水中の溶存酸素が少なくなり、網いけす養殖魚が酸欠死することがあります。こうした低酸素状態のときには給餌を止め、魚の酸素消費量を下げて酸欠死を防ぐ必要かあります。また、台風や大水により施設が破損することがあります。
網いけす養殖でのコイの成長と作業スケジュール
コイの全メス生産
全メス生産は、商品価値の高いメスを計画的に生産するための、オスの混じらないメスだけの種苗を作る技術です。全メス生産では、まず遺伝的にはメスの稚魚に雄性ホルモンを投与し性転換させた性転換オス(にせオスともいいます。)を作出します(性転換オスはもともとXXの遺伝子型ですので、X精子しか作りません。)。この性転換オスと通常のメスをかけ合わせると、子供はすべてXX、すなわち全メスとなるわけです。性転換に用いるホルモンは医薬品としても用いられるメチルテストステロンで、性転換オス親魚を作るときにだけに用い、その子供の全メスコイにはいっさいホルモン処理は行いません。したがって全メスコイへのホルモンの残留は全くありません。
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