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更新日:2022年8月5日
この資料は、県政記者クラブとの定例記者会見での発言内容を要約したものです。
知事定例記者会見の動画は、こちらから視聴いただくことができます。
「鉄道事業者と地域の協働による地域モビリティの刷新に関する検討会」の提言について
ALPS処理水の海洋放出関連設備の設置に関する工事着工について(1)
ALPS処理水の海洋放出関連設備の設置に関する工事着工について(2)
(作成:報道・広聴課)
令和4年8月5日(金曜日)
10時45分~ 11時32分 会見室
知事:よろしくお願いします。
茨城放送:よろしくお願いいたします。
進行幹事社、茨城放送と申します。
まず、発表事項がおありということで、まず、そのお話からお願いします。
知事:それでは、私の方から、コロナ関連で県民の皆様に呼びかけたい事項がございますので、こちらのスライドを使いながら発表をさせていただきます。
今、感染者が非常に急激に増えているという状況でございます。
ただ、一方で、その内情を見てみると、重症化の比率は第6波、第5波に比べても非常に低い。前回の入院患者数、あとは感染者の推定もしていますが、その時点よりもさらに実態は低くなっているという状況がありますので、本当に医療が必要な人にきちんと医療を届けるということの方が今は問題になってきているということなのかなと思っています。
したがって、発熱外来であるとかに発熱をされた方たちが押し寄せてしまって、救急医療の方が逼迫しているという特徴になっておりますので、それに対する対応が必要であるということでございます。
真に必要な方、65歳以上の方とか、基礎疾患がある方とか、あるいは妊娠している方、あるいは症状が例えば4日以上続いている方、こういう方は重症化のおそれがございますので、その状況に応じて、すぐ入院なり医療機関に診てもらう必要がございますが、ほとんどなのですが、そうではない方が一斉に発熱外来に押し寄せてしまっているが故に、大事な重症者の医療が滞るおそれが出てきてしまっておりますので、まず、茨城県としてお願いしたいのは、こういう重症化のおそれのある方を除いた方は、仮に症状があったとしても、まずは自宅での療養、静養で様子を見ていただきたいということでございます。
時々、テレビで、発熱外来の前に大行列ができている報道なんかも見かけますが、茨城県の場合は、基本的に事前予約制でございますので、そういうパニックに似たような状況は茨城県では発生していないと認識していますが、事前の予約の上、無症状者の人は、薬局でも検査もできますので、そういう対応をして、該当しない方は自宅で療養してもらうということをお願いしたいと思います。
また、企業に対しても、従業員に対して、陰性・陽性の証明を求めてしまうが故に、また余計な負担を医療機関にかけてしまうということになりますので、これも是非やめていただきたいと思います。
新規陽性者のうち、入院を要する患者の比率は低下しているのです。予想よりも実態がどんどん低下しています。全年齢で2%、65歳未満では1%未満ということで、非常に重症化する比率が少なくなっておりますので、そういう状況を踏まえて、冷静な対応をお願いしたいと思います。
また、救急搬送、一部報道で、救急車が全部出払ってしまった状況が発生しているという報道なんかもございますが、不要不急な救急要請を厳に控えていただきたいと思います。
特に、救急困難事例が増加していることはそれほど多くはないのですが、まだ十分対応しているのですが、増えてきていることは事実でございますので、不要不急の救急要請をしてしまうと、本当に救急搬送が必要な方に救急車が回せないという事態が発生しかねませんので、こちらについても厳に慎んでいきたいと。
救急要請をする前に、発熱とか、そういう程度のものであったら、まずこちらのコールセンターなどに相談してみていただいて、救急要請をすぐにしてしまうことは思いとどまっていただきたいなと思います。
次に、新型コロナ陽性になったという時にどうしたらいいのでしょうかというお問い合わせをよくいただきます。もう一度、陽性と判明した後のプロセスを確認したいと思います。
陽性と判明した場合は、医療機関などで配布される案内を確認した上で、体調悪化時の連絡先とか宿泊療養の申込方法などを連絡しますので、それに基づいて、希望する場合は連絡先などを登録してもらうということになります。
その後、療養先の決定などの連絡が来ますので、入院または宿泊療養、やむを得ない場合は自宅療養ということになります。
毎日、健康状態をシステムに登録していただくということになりますので、慌てず、そのシステムの流れに沿っていただきたいと思います。
この流れの中で大事なことは、食べ物をどうするのだという話をよくいただきます。ですので、自宅療養に備えて、日頃から、食料品であるとか、生理用品、日用品など、あるいはお薬、そういうものをある程度備えておいていただくことが非常に重要なのかなと思います。
大体1週間程度で療養期間が終わりますので、それを食料・日用品として備えておくことが必要になりますので、それをご理解いただければと思っております。
7月22日に、私、臨時会見をさせていただきまして、過去最多の感染者数を見てから、今後どういう推移になり得るかという想定を示させていただきました。1か月ほどでピークアウトするケースが推計①、1か月半ほどまでピークアウトにかかるのが推計②でございます。
病床使用率がどうなるかということで、推計①の場合は、大体600以下で収まる。推計②の場合だと900床を超える病床が必要になるかもしれないという推計をしましたが、足下の実績値は、実際には推計①を下回っております。今後、さらにどのくらいまでピークアウトに時間がかかるのかということが若干不透明ではありますが、しっかりと状況を見ながら備えていきたいと思います。
ちなみに、現在、800床を確保しておりますが、900床までその枠を広げる準備はできております。ただ、900床に広げるためには、ほかの一般医療の制限をかなりした上で900床という形になりますので、この800床から900床に実際に稼働数を増やすことについては、今後の状況を見ながらにしていきたいと思いますが、最悪の事態、900床まで確保できる体制までは、医師会のご協力をいただきまして、今、出来上がったところでございます。それだけご報告いたします。
私の方からは、以上です。
茨城放送:まず、こちらに関する質問からになりますが、各社、ありましたら、お願いします。
読売:新型コロナの関連で、政府の方でBA.5の対策強化宣言という新しい取組も導入されているところだと思うのですが、茨城県としての検討状況を教えていただけますでしょうか。
知事:現在、茨城県の状況を言いますと、病床使用率が800床に対して大体58%という状況でございますし、65歳以上の感染者の割合も15%ぐらいだったか、低い状況でございます。
したがって、感染者が増え続けてはいるのですが、本当に重症化して、医療的ケアがしっかりと必要な方というのは、感染者の数ほどは増えていないというふうに認識しておりますし、したがいまして、BA.5対策強化宣言をこのタイミングで茨城県として出す予定はございません。
今後、感染状況の推移が悪い方向に向かって、医療体制に対してかなりの負荷がかかってきたという状況になった場合には、その宣言も含めて、どういう対策ができるかということを改めてしっかりと打ち出していくということになるのかなと思っています。
読売:ありがとうございます。
重ねてもう1点、伺うのですが、今回、発熱外来や救急医療に殺到しているということで、利用を控えるというのは重要なことだと思うのですが、一方で、自分がコロナで発熱しているのか、それとも他の病気なのか、そこは心配な方も多いと思うのですが、そこで検査の重要性といいますか、知事として、そこら辺、どう考えられていて、例えば、今後、検査体制を拡充するとか、そういったお考えはあるのか、お願いします。
知事:検査については、県内も薬局等で無料検査の施設もございますし、また、手に入りにくくなっていると一部報道がございますが、市販の検査キットも手に入る状況になっておりますので、皆さん、そういうものを使って検査を受けていただくということは重要なのかなと思います。
ただ、例えば、自分が65歳未満で、基礎疾患がなくて、あるいは妊婦でもないという時に、発熱してすぐ慌てる必要はあまりないのかなと。それが4日以上続くとか、咳が出るとか、息が苦しいとかとなったら、それはすぐ対応した方がいいと思いますが、そうでない時に、仮に他の病気があったとしても、そんなに慌てる必要はないと考えておりますので、慌てて発熱外来に行くとか、あるいは、救急要請をするとかというのは控えていただくことは問題ないのではないのかなと思います。
読売:ありがとうございます。
もう1点、お聞きします。
これは中長期的な検討になるかもしれないのですが、そういった殺到の背景には、コロナが普通の病気ではなくて、医療機関でも厳格な隔離をしたりとか、そういう対応をしているような背景もあると思うのですが、今後、5類扱いの見直しも検討される中で、知事としては、その緩和といいますか、対応をどういうふうに変えるべきだと考えていらっしゃいますか。
知事:知事会などでも要請をさせていただいているところですが、直ちに5類に該当するかどうかというといろいろ問題があるとは思うのですが、少なくとも全数調査をして、厳格な隔離とかということになっている2類相当を見直す必要はあるのかなと思っています。
ましてや、今の状況が、重症化する方たちを病院に収容する対応で非常に大変だった第6波と様変わりしておりまして、要するに、コロナにかかったということで診察してもらう発熱外来に殺到してきてしまった人をさばききれないということの方が大きな問題になっているという状況を見ても、もう2類相当ということを見直して、5類でなくても、いろいろなものを組み合わせて、より新しい適切な対応を打ち出す柔軟性と迅速な対応が国には求められているのかなと思っていますので、こちらについては、全国知事会を通して、引き続き要請を続けていきたいと思います。
NHK:先ほどの質問と重複するのですが、軽症の場合で、先ほどの妊婦でない方などは、一旦は受診をしないでくださいということなのですが、先ほどの話で、何日か症状が出ていた場合に限って行くというようなことですか。
知事:そうですね。大体4日程度、症状が続いた場合は、発熱外来に診ていただいた方がよろしいかと思います。
NHK:ありがとうございます。
あと、東京都などでは、無料で検査キットを配って、それで陽性だった場合はオンラインに登録と。こういった仕組みについては検討されたりしましたでしょうか。
知事:診療せずに、みなし陽性という形で対応するというやり方は、我々も、以前、第6波の時に使ったことがございますが、それについても、今後速やかに検討して、必要であれば導入する方向で、今、検討しています。
NHK:ありがとうございます。
確認ですが、その場合ですと、例えば、キットが無料で自宅とかに送られてきて、それで登録をしてという形ですか。今後検討している案としては、今、どういったやり方を検討しているかを教えてもらえますか。
事務局:まず、みなし陽性なのですが、みなし陽性というのは、例えば、同居の家族の方が陽性になって、そのご家族の方も症状があるという場合に、わざわざ検査とかをせずに、その症状を診た上で、その人は陽性ですと判断するのがみなし陽性になります。
それと、先ほど、キットを配って、それでオンラインとかという話が出ましたが、それは、厳密には、いわゆるちゃんとした定義されたみなし陽性とは別で、例えば、私が自分でキットを持っているのをやって、お医者さんにオンラインなりで診断するのは、厳密には、国が定義しているみなし陽性とは別に、検査せずに確定診断をするというようなパターンになります。
いずれにしても、みなし陽性とキットを配ってオンラインでできるような手法ができないかというのは、今、検討中ということでございます。
NHK:ありがとうございます。
私からもう1点、お伺いします。
事業者に対して、陰性とか陽性の証明を求めないようにするということですが、一方で、休んでいる方にとっては、療養証明というのが一つ、証明するものとして必要になってくるとは思うのですが、そこについて、知事として、どう証明をしていくかというお考えはありますでしょうか。
知事:療養証明というものがどういうふうに使われているか、私は把握していないので申し訳ないのですが、コロナで休まれているのは職場としては把握されていると思いますので、どこに証明を取りにいくのか。要するに、第三者の証明が本当にそこに必要なのかと。普通、病休を取るときに、医師の診断書を提出しないと病休にしないという職場はあまりないと思うのですが、熱が出たから、すみません、休みますで休めると思うのですが、そういうのと同じ対応をしていただきたいなということなのですが。
NHK:分かりました。ありがとうございます。
茨城:先ほどの症状が続く場合の受診の必要性についてなのですが、例えば、65歳未満の方でも、症状がどの程度だった場合に受診が必要なのかとか、受診を控えるとか、そういった目安については。
知事:発熱だけだったら控えていただきたいということです。でも、発熱が4日以上続くのであれば、それは受診していただいた方がいいと思いますが、発熱という症状が出たというだけで、すぐ受診ということはやめていただきたい。ただ、咳が続くとか、あるいは息が苦しいとか、今まで食べていたものが食べられなくなっているとか、そういう症状が出た場合には注意をする必要があるというふうに専門家の方もおっしゃっているようなので、そういう時にはご相談いただいた方がいいのかなと思います。
茨城:そういった咳がひどいとか、息苦しいとか、食欲不振の場合は、4日を待たずに受診というケースもあると。
知事:いずれにしても、発熱外来の事前の予約の相談もいたしておりますので、そういう時に相談いただくのが一番いいのかなと思います。
ちなみに、一番発熱するパターンが多いと思うのですが、発熱して、びっくりして、すぐ発熱外来に駆け込むということは自粛していただきたいということです。
NHK:先ほどの療養証明のところなのですが、コロナだと、それ専用の保険とかもあったりして、そういった証明も今後必要になるかと思うのですが、そこら辺のフォローとかはどういうふうに考えていらっしゃるでしょうか。
知事:先ほど申し上げたみなし陽性もそうなのですが、保険適用にならないという問題もあるので、そこの問題は県レベルで対応できるものなのかどうか分かりませんが、国も含めて、あるいは保険業界も含めて、検討いただくことが必要なのかなと思います。
ただ、我々としては、保険が下りるかどうかというよりも、目の前の医療体制をしっかりと維持して、命を守る方が優先なので、是非ご理解をいただければなと思います。
NHK:ありがとうございます。
日経:先ほども出ていたのですが、BA.5対策強化宣言についてお伺いしたいと思います。
茨城県で、今、宣言を出さない理由としては、医療体制に負荷がかかっていないからという理解でよろしいですか。
知事:病床使用率は5割をちょっと超える程度で、そこまで行動制限を含む対策を今すぐ打ち出す必要性は認められないと考えております。
日経:一方で、これまでの緊急事態宣言とかまん延防止等重点措置とは違って、財政的な裏付けがない宣言になると思うのですが、こちらの効果について、知事はどのように認識されているかお伺いしたいです。
知事:非常に限定的なのではないかなと思います。恐らく、アナウンス効果が全てなのかなというふうにも思いますので、対策強化宣言というのは、仮に出したとしても、非常に効果は限定的だと思います。
日経:分かりました。ありがとうございます。
共同:先ほどもちらっとお話に出ました医療検査キットなのですが、茨城県においては、今でも余裕のある状況だというふうにお考えでしょうか。
それと関連して、無症状者への無料検査、2月、感染が拡大している状況で、無料検査を一時停止するということもありましたが、こういった状況にはないということでよろしいですか。
知事:ないですね。今、検査キットは国からも追加配分されて、発熱外来、クリニックなどには配分していますが、あと、薬局などの無料検査でのキットの不足で検査できないということも発生しているということは聞いておりません。
一時期、有料で自ら買い求める検査キットが薬局でちょっと品不足になってきていたという話を聞きましたが、今現在、それが深刻だという話も聞いておりませんので、今のところ、検査キットの入手が難しいという状況にはまだ至っていないのではないかなと思っています。
共同:ありがとうございます。
茨城:今、茨城県は基本的に行動制限はないということかと思うのですが、これからもうすぐお盆シーズンを迎えるということで、先ほどの推計の方でもピークはこれから感染拡大を迎えるということでお話がありましたが、何か規制ですとか、そういったことに対する県内外の行き来とか、昨年までやられていたようなことがあるかと思うのですが、そのあたりについて、今年、どう考えているかということをお聞かせください。
知事:何度も同じお答えをしておりますが、特に、今回の第7波におけるオミクロン株は第6波以上に重症化率が低い状況でございます。
感染者の数が非常に多くなっておりますが、これによって直ちに様々な行動制限を求める必要性はないと考えております。
したがいまして、お盆の季節においても制限を設けるつもりはございませんし、各自、無料検査を活用するとか、あるいは様々な感染対策を自ら取り行うことによって、お盆などを中心とした夏休みの活動を続けていただきたいと思っております。
茨城:ありがとうございます。
茨城:県は、1日から、感染者の調査で、感染経路を追わないということで、もう5日ほど経つと思うのですが、その効果について、今、現状で分かることがあれば教えてください。
知事:感染経路を追跡する必要性がほぼなくなってきているのかなというふうに感じます。高齢者施設とか、一部の重症化しやすいところについては、それは別にしっかりと対応しますが、ほとんどの例で、要するに、先ほども重症化の比率をご説明いたしましたが、非常に軽症で終わっているという状況を考えると、感染者数も膨大でございますし、感染経路を追っている意味はないのかなと。
そもそも全数把握をし続ける意味もあまりなくなってきているのではないかなというふうに我々は考えていますので、感染経路を追うことは、基本的には行わないというふうに決定いたしました。
茨城放送:この件に関して、では、私の方から。
行動制限は今のところ行う考えはないということですが、これは、いば旅あんしん割を含めてという意味合いでよろしいですか。
知事:はい、そのとおりです。いば旅あんしん割も引き続き継続します。
茨城放送:こちらの件に関しては、ひとまずよろしいですか。大丈夫ですか。
では、それ以外の項目から質問させていただきます。
JRの不採算区間の問題について質問させていただきます。
国の検討会の提言ですと、JRの路線で、1日の平均乗客数1,000人未満を目安とした区間などで、事業者と自治体の間で協議が進まない場合、国が主導して新たな協議会立ち上げ、廃線を前提とせず、利用促進ですとか、あるいは上下分離方式、あるいはバスへの転換などができるかどうか検討し、3年以内までに対策を決めるべきというふうにしているかと思うのですが、県内の路線でも、一部、その対象があるかと思いますが、この点について、知事の受止めをお願いいたします。
知事:そちらの提言において、茨城県内でありますと、JR東日本の水郡線の一部と鹿島線が採算が取れていない路線として公表されたわけですが、JR東日本さんからは、これによって直ちに協議を要請するというつもりはないということもお話しいただいておりますので、この提言を受けて、直ちに県として対策を検討する必要があるとは考えておりません。
ただ、一方で、採算が取れていないということ、それから、コロナ禍も含めて、JR東日本を含めて、運輸関係の企業が大分痛手を負っているということもこれは事実なので、しっかりと地元自治体と一緒になりながら、鹿島線及び水郡線の利用促進については、県としても努力していきたいと思っています。
茨城放送:地元の自治体からは、それに関して、知事の方に何か要望・要請なり、何かそういう。
知事:今のところ、来ていませんね。
共同:先月に引き続いて、常総水害の訴訟の判決についてお伺いします。
先月22日の判決で、水戸地裁の判決は、自然堤防、自然砂丘の存在が堤防と事実上一体化しているとして、これを河川区域に指定していなかったことが民間業者の掘削を招いて、それが決壊の一因になったということで、国の責任を認めました。
これは、多分、茨城県の河川管理区間においても起き得る問題かなとは思うのですが、判決を受けて、点検を進めるとか、そういった考えは今のところございますでしょうか。
知事:改めて全て点検するつもりはありませんが、今回の判決の中で示された河川管理の在り方及び河川整備についての優先順位のつけ方、そういう点が問題になったというふうに指摘があったと認識しておりますし、その指摘自体は、我々としても、河川行政を行う上で大変参考になるものだと思いますので、これを他山の石として、我々としても県の河川管理をより向上させるための一つのきっかけにしていきたいと思っています。
共同:それともう一つ、別件なのですが、昨日、東京電力福島第一原発の処理水を排水するトンネルの着工がありました。
今まで、茨城県は、関係者の納得が前提として風評被害対策を求めてきているわけですが、今の時点で納得が得られていると考えているか、あるいは漁業者の理解促進が進んでいるというふうに考えておられるかということと、あとは、補償について、県によって差をつけないでほしいという要望、お考えに変わりはないか、この2点をお伺いできますか。
知事:今回の着工、直ちに放出決定ということではございませんので、引き続き、政府に対しては、漁業者を中心とした地元の理解を得られる努力を続けていただきたいという姿勢は変わりございません。
また、福島県と隣接している宮城県、茨城県と、放出する福島県の状況にマッチした合理的な対策というのが、当然、納得のためには必要だと思いますので、しっかりと実情を踏まえた適正な対策を政府の方としても提示することが、まさに地元の納得につながるのではないかなというふうに考えていることも、これは変わりございません。
共同:状況にマッチした合理的な対策というのは、それは、場合によっては、福島と少し差がつくということもあり得るということですか。
知事:福島と全然状況が違うことについて、福島と同じにしろと言ったら、ただの地域エゴになってしまうと思うので、それはなかなか受け入れがたい話だと思うのですが、例えば、同じ状況であるにもかかわらず、福島だけ特別扱いとかということについては、多分、こちらの地元の人も納得できないと思うので、そういうことについては、きちんと適切に、同じ状況だったら同じ対応ということは求められていると思いますし、国の方としても、納得してもらうためにも、そういう対応をしていくことが必要なのではないかなと思っています。政府においても、そういうふうに認識していただいていると理解しています。
東京:旧統一教会との関係についてなのですが、全国で関わりがあったという事例が相次いでいますが、弊社がアンケートしたところ、県の国会議員も、これまで関連する団体に祝電を送ったり集会に出席したりという事例が3人ほどいまして、知事ご自身は、前回の定例会見でも、一切関わりがないというふうにおっしゃっていましたが、こういう過去に問題があった宗教団体と政治家との付き合い方について、知事のご見解をお伺いしたいです。どうあるべきかということ。
知事:それは個々のそれぞれの政治家の判断でお答えをすべき話で、私がまとめてコメントする立場にはないのかなと思っています。
いずれにしても、今回の安倍総理の死という結果をもたらした背景ということについては、マスコミの皆さんも含めて、随分深掘りをされていると思いますので、そういうことを踏まえて、政府として、今後、どういう形で旧統一教会と向き合うのかということを検討していくのではないかなと理解しています。
日経:日野自動車の検査不正についてお伺いします。
先日、日野自動車が、従来公表していたよりもかなり長い期間にわたって検査の不正をしていて、国内向けの生産停止に追い込まれている状況になったと思います。
茨城県にも2012年から古河工場が移ってきている状況で、県内経済というか、地域経済への影響についての知事の見解と、今後、影響が拡大した場合の対応の方針についてお伺いできればと思います。
知事:つい先日、日野自動車の方もおいでいただいて、今回の発表内容についてのご説明もいただきました。
我々としての最大の関心は、一刻も早く、日野自動車が、全社的に、今回の不正の原因、それから、再発防止という対策を速やかに行っていただいて、現在、非常に生産が抑えられている状況でございますので、フル生産に戻していただくことが大事であるということなのかなということで、日野自動車にもお伝えを申し上げました。
我々からすると、操業を全部停止しているわけではないのですが、縮小している状況が一体どのぐらい続くのか、国内向けの生産の再開も含めて、事業の本格的な再開がいつ頃になるのかということをお尋ねしましたが、そこについては、まだ国交省の指導次第ということもあって、彼らにとってもまだ答えられる状況にはないということでございますので、今後、政府と一体となって、関連の下請けの中小企業などを含めて、地域経済を守るための対策を県としてもしっかりとできるように、今後の状況の推移を見極めていきたいと思っています。
日経:もし対応するとしたら、県のほうで、金銭的な支援とかも視野に入ってくるのでしょうか。
知事:今後の状況次第で検討したいと思います。
日経:分かりました。ありがとうございます。
読売:話題が変わりまして、洞峰公園の関係で伺わせていただきます。
先月、地元での説明会、一連のものが終わったと思うのですが、改めて、それを踏まえた受止めと今後の対応について確認させてください。
知事:洞峰公園については、我々として、今後、維持費用、それから、大規模な改修費用を捻出する、県民の税金から費用を出すわけですので、より合理的な県民に対する負担の少ない形での対応ということで提案をさせていただきました。
皆さんもご存じのように、地元の一部から強い反対の声があって、我々としてもしっかりそれに対応するために実証調査を何度もさせていただきましたが、当初おっしゃっていた騒音、臭い、煙、これについては一切問題ない、そういう問題が発生しないということも我々もしっかりと実証実験をして確認させていただいて、それについても説明をさせていただきました。
その説明会を4回開催したわけですが、それが、説明会で、反対の方がたくさん集まるということもあるのですが、反対の理由がまた変わってきていまして、一つは、木を伐採するから環境破壊になるとか、あるいは、飲酒を認めると治安が悪くなる、飲酒を認めると、裸でお酒を飲む人が出てくるのではないかと、そういうような反対意見が多数並べられて、もう絶対反対という意見が説明会では多かったと認識しております。
我々はそれを一体どういうふうに捉えたらいいのかということについて、県としても苦慮しているところでございます。
反対のための反対を、民意としてどこまで我々として酌まなければならないのか。それを全て酌まなければならないとすると、真面目に県民のために洞峰公園を良くしようということも一切手を引かなければならなくなるということにもなりかねませんので、反対の理由なども含めて、よく分析をして、つくば市側ともしっかり協議をして、今後の対応を検討していきたいなと思っています。
読売:この件で重ねて伺います。
冒頭おっしゃっていたように、もともと今回の議論の出発点は、維持費用の捻出、公園を維持していくためにどうあるかということだと思うのですが。
知事:そうです。
読売:今回の計画を仮にやらないとしたら、そういった利用者に対する負担ということも出てくるのかなと思うのですが、そこら辺について、知事はどう考えていらっしゃいますか。
知事:特に、今後、大きな費用が必要になってくる体育館、あるいはプールの改修、あるいは駐車場の拡張、そういうものに対する費用を捻出するために、利用料の大幅な引上げということも必要になってくる。このあたりも説明会でもご説明させていただきました。
そういうことをしなくても済むような形で、みんなが、より洞峰公園を楽しんでいただけるような提案をしてきたつもりでございますし、それに対する反対の意見についても真摯に受け止めて、一体何が問題なのかということも含めて、しっかりと対応をするというふうに申し上げてきたつもりでございます。飲酒についても、しっかりと常駐の監視員を置いて、時間も制限するといったような対応もご提案させていただいているのですが、それにもかかわらず反対が強いということについて、私どもとしては当惑せざるを得ないというのが今の現状でございます。
読売:もう1点、違う話題なのですが、最低賃金の引上げの関係で伺います。
先日、中央審議会の方では、茨城について31円引上げという目安が出されまして、今後、茨城地方においても議論がなされて、決定されると思うのですが、まず、31円引上げという数字についての受止めをお願いします。
知事:この物価上昇局面は県民の皆さんの生活を直撃しているわけでございます。全賃金ではなくて最低賃金ですので、しっかりと最低賃金でも生活が成り立つようなレベル、水準にしていく。あるいは、最低賃金を引き上げることによって、事業自体もしっかりと付加価値の高い形に変わっていく努力を後押しするという意味も含めてこの最低賃金の議論というのはされてきていると認識しております。
今回も、国としては、全国平均1,000円を目指して、31円という過去最大の引上げ幅を出してきましたが、私の立場としては、是非しっかりと最低賃金を引き上げていきたい。
かつ、経済指標的には、隣の栃木県に比べて、全ての指標で(※)良い状況にあるこの茨城県が、いまだに栃木県に対して3円低い最低賃金を設けているということは、例えば、栃木県と比べれば、経営者側が超過利得を得ているということになりますし、労働者側に対して、それだけ分配が低いということにも統計的には言えるのかなと思いますので、そこの解消というのは是非お願いして、特に、有効求人倍率は茨城県は関東圏内で一番高いのです。要するに、これから本当に我々を苦しめるのは、人手不足、人が来ない、人が採用できないという、そっちの方だと思いますので、しっかりと経営者団体の方もご理解いただいて、最低賃金をしっかりとあるべき水準にするべく、ご理解いただきたいなと思っています。
※記者会見終了後、「全ての指標で」を削除する訂正をいたしました。
読売:ありがとうございます。
知事自身もおっしゃっていたように、最低賃金の引上げは、事業を付加価値の高いものに変えるきっかけにもなるという側面はあると思うのですが、一方で、中小企業など、経営体力のないところにとっては、物価高や燃料高騰への影響が直撃していると思うのですが、そこに対して、今後、県としての支援といいますか、何か検討されているものはあるのでしょうか。
知事:既に、様々、設備投資であるとか、そういうものに対する支援策というのはたくさん用意できていますので、それを引き続きご利用いただくような普及啓蒙には努めていきたいと思います。
あともう一つ、最終的には、価格転嫁をちゃんとできる社会をつくり出すことなのかなと思います。かつて、下請け叩きとかというような話もございましたが、そういう価格転嫁ができないが故に価格を抑えなければならない。そうすると、そのしわ寄せを賃金を抑えることで何とか賄う。そこの悪循環をどこかで断ち切って、しっかりと価格に転嫁する。それで賃金も上がるという正の循環に日本が戻せるかどうかという、ここの瀬戸際なのではないかなというふうに理解していますので、価格転嫁対策も、しっかり国とよく連携しながら、茨城県としても進められたらなというふうに思っています。
茨城放送:他、どうでしょうか。
それでは、私、茨城放送から、追加で一つ質問をさせていただきたいのですが、東電の福島第一の件で、今のところ、風評被害対策として、例えば、漁業者だけではなく、風評被害対策というのは、県全体にも、ある種、どういった策を国の方で出すかによって、今後、影響を及ぼしてくるのかなというところもあるのかなというふうに感じているのですが、特に、今のところ、こういった策ではどうか、ああいった策ではどうかという、そういう話というのは県の方には何か来ていますでしょうか。
知事:それぞれ、直接、東京電力であるとか、あるいは経済産業省など政府の方で、順次、何度となく県内のいろいろな団体にご説明もいただいているところなので、その中で、まだ具体的にはそういう議論になっていませんが、おのずと必要な対策というのが意見交換の中で見えてくるのかなというふうに理解しています。
茨城放送:逆に、県の方から、こういった対策をすべきではないかということで、アクションを始めたりとか、あるいは今後するご予定というのはございましょうか。
知事:我々としては、しっかり両当事者の間に入って、県内の漁業者などの方々が納得できるような形でこの問題が解決できるように、しっかりと努力をしていきたいと思っています。
茨城放送:ありがとうございます。他、いかがでしょうか。
では、今日の定例会見は以上です。ありがとうございました。
知事:ありがとうございました。
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