ここから本文です。
更新日:2023年9月28日
本県は、人口10万人当たりの医師数が全国ワースト2位、国が算定した医師偏在指標(※)では全国第42位の「医師少数県」となっています。
※地域ごとの医療ニーズや人口構成、医師の性・年齢構成などの要素を考慮し、全国ベースで医師の多寡を比較するための指標
さらに、県内9つの区域のうち、つくばと水戸は全国上位の「医師多数区域」である一方、6区域は全国下位の「医師少数区域」となっており(上図)、県内の医師不足と地域間の偏りは深刻な課題です。
県総合計画の基本理念である「活力があり、県民が日本一幸せな県」の実現には、県民の皆さんが県内どこでも安心して質の高い医療が受けられる体制づくりが必要不可欠です。そのため県では、救急・小児・周産期などの医療体制の整備やICTを活用した遠隔医療を推進するとともに、「医師不足緊急対策行動宣言」を公表し、医師の確保に力を入れています。
今回は、医師を確保するために、本県が行っている主な取り組みをご紹介します。
県内の医師不足地域などの医療機関において勤務することを条件とする、県の地域医療医師修学資金貸与制度(★)と連動した医科大学の選抜枠を設置しています。
2025年には、この制度により県内で勤務する修学生医師が400人を超える見込みです。
地域枠1期生に 聞きました |
||
川嶋久恵先生 | ||
総合病院水戸協同病院、筑波大学附属病院を経て、現在は県北医療センター高萩協同病院勤務。医師5年目(外科専攻) |
||
医師を目指したきっかけは、小さい頃から開業医である父の姿を見て育ったことです。家庭では母と4人姉妹に囲まれ少し気弱な父が、仕事に対しては徹夜もいとわず研さんを積み、「町のお医者さん」として地域の皆さんに頼られている姿は、いつもキラキラと輝いて見えました。 高校2年生の時、医学部への進学方法として、新たに県の「地域枠制度」ができるということを知り、父のような医師になりたいと思い、この制度を利用することに決めました。 大学卒業後に配属された水戸協同病院では、内科から外科まで幅広く経験を積むことができ、医師としてのキャリアの大きな一歩になりました。さまざまな経験の中で、特に患者さんの病状に合わせた治療方針や術式などを考えて執刀する消化器外科に惹かれ、筑波大学附属病院で技術や知識を深めました。 現在の高萩協同病院では、同僚や地域の方が温かく、患者さんとコミュニケーションを取りながら最適な治療を決定していくことに大きなやりがいを感じています。 これからも生涯を通して学び、成長していきたいと思います。そして、患者さんやそのご家族に寄り添い、最善の医療を提供できる医師でありたいと思います。 |
一方で、地域枠制度を活用した医師の養成には時間が掛かり、直ちに県内の医師不足や偏在を解消する効果は限定的です。このため短期的な対策として、救急・小児・周産期など、県民の皆さんに重大な影響のある医療を確保するという視点で、「最優先で医師確保に取り組む医療機関・診療科」(下表)を選定し、今年9月までに医師16人の確保を目指しています。(2月1日現在で8.5人を確保)
今年度は新たに、下表の医療機関での勤務を希望する医師はもちろん、その医師の紹介者にも報奨金を交付する「県民総参加による医師紹介制度」を設け、医師の確保を強力に推進しています。
医療機関名 | 診療科 | 確保医師数 (A) |
確保医師数 (B) |
募集医師数 (A-B) |
---|---|---|---|---|
株式会社日立製作所日立総合病院 | 産婦人科 | 4 | 4 | ― |
小児科 | 2 | 1 | 1 | |
常陸大宮済生会病院 | 内科(救急) | 3 | 2 | 1 |
神栖済生会病院 | 整形外科 | 3 | 1.5 | 1.5 |
総合病院土浦協同病院 | 産婦人科 | 2 | ― | 2 |
JAとりで総合医療センター | 小児科 | 2 | ― | 2 |
計 | 16 | 8.5 | 7.5 |
ご家族や親戚、友人、同級生などに、最優先医療機関での勤務を希望する医師がいらっしゃいましたら、ぜひご紹介ください。
報奨金▶医師50万円、紹介者30万円
※医療機関で採用され、一定期間勤務した後に交付
県地域医療支援センターでは、県民の皆さんが住み慣れた地域で安心して暮らせるように、医療提供体制の整備を進めています。そのためには、医師が地域医療に貢献しながら、安心してキャリアアップできるようなサポート体制、研修体制を整備することが必要です。引き続き、県や筑波大学、医療機関が一体となって、医師にとって魅力ある環境づくりを進めるとともに、地域医療の充実を図ってまいります。 |
|
県地域医療支援センターセンター長 小島寛 |
県内対象:県内高校卒業者・卒業見込者または県内に居住する者の子
全国対象:(筑波大学一般入試のみ)筑波大学の出願資格・要件を満たす者
国立大学20万円、私立大学25万円
県内高校卒業者・卒業見込者または県内に居住する者の子
15万円
3月2日(月曜日)〜16日(月曜日)
令和2(2020)年度から各種医師修学資金貸与制度と併用できます
県内高校卒業後、令和元(2019)年度以降に医学部へ進学する者(その保護者などに交付)
100%(保証料などを含む)
3月16日(月曜日)まで
県疾病対策課☎029(301)3200
平日9時〜17時
保健所でも相談を受け付けています。
厚生労働省でも電話相談窓口を設置しています。
詳しくは「新型コロナウイルス感染症について」をご覧ください。
☎0120-565653
(9時〜21時。土曜日・日曜日・祝日も実施)
ウイルスの付着したものに触れた手で鼻や口に触れることで、ウイルスに感染する恐れがあります。帰宅時や調理の前後、食事前などこまめに手を洗いましょう。
くしゃみや咳の飛沫にはウイルスが含まれている恐れがあります。マスクの着用などの咳エチケットを心掛けましょう。
普段から十分な睡眠とバランスの良い食事を心掛け、免疫力を高めましょう。
空気が乾燥すると喉の粘膜の防御機能が低下します。乾燥しやすい室内では、加湿器などを使って適切な湿度(50〜60%)を保ちましょう。
県医療人財課
☎029(301)3191
このページに関するお問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください