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更新日:2021年1月1日
『常陸牛のタリアータ』常陸牛のステーキをカットし、野菜などと一緒に皿に盛りつけた逸品料理
本県が誇る「常陸牛」は、指定生産者の磨かれた飼育管理技術と厳選された飼料により、30カ月にわたり育てられた黒毛和牛の中から、食肉取引規格A5・A4、B5・B4等級に格付けされた最高級のブランド牛肉です。
都内の百貨店や有名ホテルで取り扱われ、アメリカなどの海外でも高い評価を得る常陸牛。県では、更なるブランド力の向上と儲かる経営体の育成に取り組んでいます。
今回は、常陸牛の逸品料理を囲みながら、生産者の佐藤治彦さんと、料理人の後藤健一郎さんに、常陸牛のおいしさなどについて語っていただきました。
生産者:佐藤治彦さん_ドリームファーム(常総市)
料理人:後藤健一郎さん_さくら坂VIVACE(守谷市)
後藤:当店の料理に使う牛肉の多くは、佐藤さんをはじめ、地元の生産者が育てた常陸牛を仕入れさせていただいています。常陸牛の霜降り具合は、いつも芸術作品を見ているような美しさを感じ、赤身と脂身の絶妙なバランスは和食や洋食などさまざまな料理に合います。このような牛肉を作るための秘訣はなんですか。
佐藤:私の牧場では、牛の繁殖管理から子牛の育成・肥育・出荷まで一貫して行っています。子牛から出荷するまで約2年半近く一緒にいるので、愛情も湧きますし、牛との絆を大切にしています。毎日の体調管理はもちろん、餌から牛舎の清掃まで最善の配慮を心掛け、ストレスが掛からない環境づくりをしています。例えば、子牛のうちに胃を丈夫にするため、稲わらや牧草を多く与えたり、食欲が低下してきたときはビタミンを飲ませたりしています。また、牛舎のマスと呼ばれる囲いの中の牛の頭数を少なくして、スペースを広く取れるようにしています。健康な牛は、代謝が良く、毛並みもきれいになります。
後藤:佐藤さんのような細やかな心配り一つ一つが、見た目も美しく、食べてもおいしい常陸牛を作っているのですね。私も、生産者の方々が愛情を込めて育てた食材を生かせるような調理を心掛けています。具体的には、素材そのものがおいしいため、余計な手をかけ過ぎないこと、肉の部位に合った火加減や味付けをしています。
佐藤:この常陸牛のステーキも、脂がしつこくなく、柔らか過ぎず、食べ応えがあっておいしいですね。
後藤:ありがとうございます。内モモの部位を使っていて、低温でとろけだす脂身と、かむほどにうまみと香りが口の中に広がる良質な赤身は格別です。モモ肉は通常、薄切りにして使用することが多いですが、私はステーキにして提供しています。冬の時期は、スネ肉や肩ロースなどを煮込んだビーフシチューなどもお薦めです。
佐藤:我が家では、ローストビーフにして食べることが多いです。頬張った時の子どもの満面の笑みを見ると、休みなく朝から晩まで作業をしていて大変ですが、手塩に掛けて育てたかいがあったなとしみじみ感じます。
後藤:私も、お客さまが料理を通して笑顔になってくださることがやりがいです。牛肉をはじめ野菜など、生産者が丹精込めて作った食材を、手間を惜しまず料理して、皆さんにおいしいと言ってもらえた時は毎回感動しますし、もっとおいしい料理を作ろうというモチベーションにもつながります。
佐藤:コロナ禍で、お客さまの笑顔を見る機会が減ってしまったのでは?
後藤:そうですね。毎年、県内外から多くのお客さまに来店いただいていましたが、テイクアウトやデリバリーをメインに営業せざるを得なくなったり、予定していたイベントも中止になったりしました。仕入れ先の生産者たちが育てた野菜などが余ってしまう状況を見てどうにかできないかと思い、店内にマルシェのような販売場所を作りました。地元の食材を無駄にせず、地域の方々や地元生産者の力になれればと思っています。
佐藤:消費者の皆さんのその一口、そしてその笑顔が私たち生産者の応援につながります。これからも「買って」「食べて」応援していただけたらうれしいです。
特製『常陸牛のタリアータ』を食べて、「肉の甘みが感じられてとてもおいしい」と思わず顔がほころぶ佐藤さん。写真右は後藤さん
常陸牛を「買える店」・「食べられる店」一覧(外部サイトへリンク)
「常陸牛」が学校給食に 県内の小中学校では、新型コロナウイルス感染拡大の影響で消費が落ち込み、経済的負担が心配される畜産農家の方々を支援することを目的に、常陸牛を使った給食が提供されています。
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県畜産課
☎029(301)3993
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