ここから本文です。
更新日:2022年6月15日
霞ヶ浦北浦では、ヌマチチブやヨシノボリ類、ウキゴリなど複数の種類のハゼの仲間が生息し、漁獲されることから漁業者や水産加工業者からはひとくくりにして”ゴロ”と呼ばれています。漁獲されるハゼ類の多くはヌマチチブが占めているとされていますが、ウキゴリの稚魚を「やなぎっぱ」、霞ヶ浦北浦の流入河川を遡上するヨシノボリ類の稚魚の群れを「とおりゴロ」と呼んだりもします。
網上げの様子(張網)
獲れたばかりのゴロ
霞ヶ浦北浦のヌマチチブには上皇陛下とのエピソードがあります。魚類学者としても知られる上皇陛下が皇太子時代の1985年(昭和60年)、茨城県に来県された際、水産試験場職員が霞ヶ浦の魚類について説明する機会があり、職員が生かして持参した霞ヶ浦のハゼ科魚類のうち、それまで霞ヶ浦北浦で”チチブ”として扱われていたチチブ属魚類を見て「ヌマチチブですね」と同定されたそうです。
翌年(1986年)に茨城県内水面水産試験場に行啓された際にも霞ヶ浦で採捕されたチチブ属魚類を見ていただいたり、県内各所で採集されたチチブ属魚類を含むハゼ科魚類を東宮御所にお届けしたりというような調査・研究を経て「霞ヶ浦北浦に生息しているチチブ属魚類はヌマチチブのみである」ことが判明したそうです。
ハゼ類については、水産試験場内水面支場の「いばらき魚顔帳」もご覧ください。
ヌマチチブ
霞ヶ浦北浦の周辺の直売所で鮮魚の状態で販売されることもありますが、ほとんどは佃煮などの加工品にされて流通しています。
ワカサギやシラウオ、エビ類の加工品と比べると生産量はわずかなため、購入できるチャンスは少ないですが、ワカサギ等とは違った食感や旨みが楽しめます。
ゴロの佃煮
このページに関するお問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください