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更新日:2018年6月1日
平成30年第2回定例会の開会に当たり、提出いたしました議案等の説明と報告を申し上げます。
まず、新しい茨城づくりに向けた取組みについてであります。
私のもとで編成した最初の当初予算と新しい組織による、実質的な大井川県政元年の挑戦が始まって、2ヶ月が経過いたしました。私の使命は「人口減少が進む中でも、未来に夢と希望を持てる、新しい茨城をつくりあげる」ことであります。将来の予測が難しく、混沌とした時代を迎える中で、この使命を果たすためには、可能性があれば果敢に挑戦し続けることが重要です。そして、この挑戦は私一人の力ではなし得ません。県庁全体、県議会の皆様、そして何よりも、茨城で暮らし、そしてこれからも茨城で暮らし続ける県民の皆様一人ひとりの力が不可欠であります。県庁を挑戦する意識を持つ組織へと変えていくとともに、その変化が県全体にも広がり、県民の皆様にも、茨城は変わった、自分もチャレンジしようと思っていただける、そのような変化をもたらすことができるよう、私自身が先頭に立って挑戦を続けてまいります。
私の挑戦の羅針盤となるのが、昨年12月に策定した「新しい茨城づくり」政策ビジョンであり、これをさらに具体化する新たな県総合計画であります。県庁が一丸となり、そして県議会をはじめ、県民の皆様とともに挑戦していくためには、先を見通せない不確実な時代にあっても、将来の茨城の姿について徹底的に考え抜き、できるだけ具体的なイメージを描いていかなければなりません。
先月15日には、県議会に設置されました「新しい茨城づくり調査特別委員会」において、新たな県総合計画についてご議論いただくとともに、29日には2回目となる県総合計画審議会を開催し、茨城の将来像などについてご審議いただいたところであります。
引き続き、県総合計画審議会でのご審議や、県議会をはじめとする多くの方々のご意見などを踏まえながら、新たな県総合計画の策定を進めてまいります。
また、新しい県総合計画とともに、私の挑戦を進めて行くために必要となるのが、PDCAサイクルの確立であります。容易に成し遂げることができない挑戦であるからこそ、明確な目標を定め、仮説に基づいて事業を実施し、成果を常に検証することで、試行錯誤を繰り返しながらも、一歩一歩前進していかなければなりません。一つの政策目標を達成するために、何が最も効果的な手法なのかをしっかりと見極め、「選択と集中」を基本として、事業を推進する体制を構築してまいります。
次に、世界に飛躍する茨城についてであります。
新年度が始まってからの2ヶ月の間、私自身、国内外の様々な場で、関係者との意見交換や交流を行うとともに、本県を積極的にPRしてまいりました。
4月に訪問したスイス連邦では、東京オリンピックにおける事前キャンプに関して、スイスオリンピック協会・筑波大学・つくば市と合意したほか、国際オリンピック委員会のトーマス・バッハ会長にもお会いし、茨城カシマスタジアムでのオリンピック・サッカー競技開催の意義について意見交換を行ってきたところであります。
今後とも関係団体と連携し、オリンピックの開催準備に万全を期するとともに、市町村との連携・協力のもと、事前キャンプの誘致に取り組んでまいります。
続けて訪問したハンガリーでは、4つの国立医科大学が日本人医学生を数多く受け入れていることから、現地の大学関係者及び日本人医学生との意見交換を行いました。
今後、現地の大学の協力のもと、ハンガリーの医科大学を卒業した医師に、県内の様々な医療機関で勤務していただけるような仕組みの構築や、現地の大学に進学する学生の増加に向けた取組みを進めるなど、本県の医師不足解消に向けた重要な施策として、海外の医科大学を卒業した医師の確保にも積極的に取り組んでまいります。
先月、「日露経済・観光交流ミッション」に参加するために訪問したロシア連邦では、モスクワで開催された訪日観光促進交流会において、豊かな自然環境や東京からの近接性など、本県観光の魅力について自らプレゼンテーションを行ってまいりました。
また、ロシアのマトヴィエンコ連邦院議長の会談にも同席するとともに、ミッションに参加した、日本を代表する観光・運輸・経済界の方々とも、世界に飛躍する茨城づくりに向けた意見交換をすることができました。
今回の交流を機に、今まで目を向けてこなかったロシア市場に対して、観光だけでなく県産品の販路拡大など、関係機関とも連携を図りながら促進してまいります。
一方、国内においても、先月17日に政府が主催する対日直接投資推進会議に出席し、研究開発を行うための最適な環境や首都圏からの近接性だけでなく、充実した支援体制やインセンティブといった特色のある本県の対日直接投資誘致の取組みを説明してまいりました。
さらには、G20サミットに併せて開催される関係閣僚会合のうち、貿易・デジタル経済大臣会合の日程等が発表となり、来年6月8日と9日の2日間、つくば国際会議場で開催されることとなりました。これまで誘致活動にご協力いただきました関係者の皆様に、改めて心より感謝を申し上げます。
会合開催にあたっては、つくば市を中心とした最先端の科学技術の集積を誇る茨城の姿を、各国の閣僚をはじめ本県に来訪される方々にご覧いただけるよう、地元つくば市と連携しながら万全の体制で準備を進めてまいります。
本県がさらに世界に飛躍していけるよう、引き続き、私自身がセールスマンとして先頭に立ち、様々な機会を捉えて、本県の情報を力強く発信してまいります。
次に、本県の魅力発信の取組みについてであります。
日本一の生産量を誇り、本県を代表する農産物の一つであるメロンの認知度向上と販売促進を図るため、5月から6月を「ハッピー・メロン・シーズン」と位置付け、現在、関係機関と連携しながら、集中的なPR活動を展開しているところであります。
先月24日には、東京銀座において私からメロン丸ごと1個を街頭でプレゼントする企画や、都内百貨店におけるトップセールスを実施してまいりました。併せて、県広報紙「ひばり」6月号でのメロン特集記事の掲載や、関東近県のローカルテレビ局を用いた情報発信など、様々な手法を用いたプロモーションにより、認知度向上などに取り組んでまいります。
また、本県の優れた農林水産物を消費者に向けて効果的にPRするため、一昨日の30日、ウェブサイトを通じて付加価値の高い食品の宅配等を行う「オイシックスドット大地株式会社」と包括連携協定を締結いたしました。今後とも、県産品の付加価値を高めるための取組みを強化してまいります。
一方、観光では、ゴールデンウィーク期間を中心に、笠間の陶炎祭や国営ひたち海浜公園のネモフィラをはじめ、県内各地に多くの方がお越しになり、本県の魅力を楽しんでいただけたものと考えております。
今後、夏の誘客に向け、テレビやSNS等のあらゆる媒体を活用し、積極的・戦略的に観光情報を発信するとともに、首都圏で開催する観光キャンペーンなどにおいて、本県の魅力を積極的にPRしてまいります。
新たに設置した営業戦略部を中心として、観光振興や県産品の販路拡大をはじめとした営業活動を戦略的・統一的に推進し、本県の魅力発信に全力で取り組んでまいります。
次に、サイクリング等の推進についてであります。
去る3月29日にJR土浦駅ビルに開業しました「りんりんスクエア土浦」につきましては、つくば霞ヶ浦りんりんロードのサイクリング拠点として、様々なメディアで取り上げられ、県内外から注目されているところであります。
県といたしましては、このような盛り上がりを官民一体となって推進していくため、来月には「(仮称)つくば霞ヶ浦りんりんロード利活用推進協議会」を立ち上げ、これまで以上に関係者との連携を密にしながら、情報発信や誘客の取組みを一層強力に展開してまいります。
また、自転車活用推進法に基づき自転車の利活用を全県的に展開するため、先月27日には、水戸市内において「いばらきサイクルフェス2018」を開催したところであります。
今後、自転車を活用した地域振興の指針となる全県的な推進計画を年度内に策定することなどにより、自転車の利活用の推進に取り組んでまいります。
次に、ベンチャー企業の創出・育成支援についてであります。
先月8日、つくば地域の研究機関から産業界への技術移転や起業につながる研究開発を促進するため、県と筑波大学との間で「つくば産学連携強化プロジェクトに関する覚書」を締結いたしました。この覚書を踏まえ、筑波大学と周辺の研究機関による共同研究の支援に、本県も新たに参画してまいります。
また、私は独自の発想と実行力を持ち、人口減少社会に立ち向かうトップランナーを目指す知事が団結する「日本創生のための将来世代応援知事同盟」に新たに加わり、昨日の宮城県でのサミットに参加してまいりました。各県の知事等との意見交換でも申し上げましたが、人口減少が急速に進む中でも、地方で安心して暮らしていくためには地域での雇用の創出が大切であり、そのためには起業家の育成は大変重要なことであります。
今後とも、県内の共同研究をはじめ、優れた技術シーズの発掘・事業化から定着までを一貫して支援することにより、世界に挑戦するベンチャー企業の育成に積極的に取り組んでまいります。
次に、儲かる農業の実現についてであります。
意欲ある農業者を後押しするため、本年度新たに、農業経営の総合的・一元的相談窓口である「茨城県農業参入等支援センター」を設置いたしました。
今後、農業者の課題に応じた支援計画の策定や中小企業診断士などの専門家からなる支援チームの派遣を行うなど、意欲ある農業者への支援を行うことで、農業経営の法人化や規模拡大、企業参入等を促進してまいります。
また、茨城農業を牽引する大規模稲作経営体を短期間で育成するため、規模拡大に意欲的な稲作経営体を公募し、本年度のモデル事業の実施主体として2経営体を選定いたしました。
今後は、100ヘクタール規模の農地を対象経営体に集積・集約化するとともに、ICTを活用した先端技術導入などの支援により、省力・低コスト栽培の取組みを進め、儲かる農業の実現に努めてまいります。
次に、次世代を担う子どもの育成についてであります。
グローバル化やIT化などの時代の変化に対応できる新しい人財を育成するためには、英語教育やプログラミング教育の充実強化が必要となってまいります。
英語教育においては、英語の学習意欲・能力の高い中高生40名を対象に、インターネットを活用したトップレベルの英語学習や海外留学生との交流等のカリキュラムを実施することとしており、先月26日から研修会を開始し、本格的な学習が始まったところであります。
プログラミング教育においては、先月より中高生を対象として、ウェブ制作を体験するワークショップを開始いたしました。来月以降は、ワークショップ参加者の中から一次選考を通過した40名がオンライン学習や作品制作を行うことにより、プログラミング力の向上を目指してまいります。また、多くの生徒がプログラミングに興味を持つよう、高校生を対象としたオンライン学習サービスを提供してまいります。
今後とも、英語教育やプログラミング教育の推進などを通じて、次世代を担い、世界で活躍できる人財を育成してまいります。
次に、日本一、子どもを産み育てやすい県についてであります。
待機児童の解消に向けて、本年度新たに「いばらき保育人材バンク」を設置し、先月より活動を開始したところであります。官民が連携して潜在保育士の掘り起こしを実施することなどにより、保育士の確保に努めてまいります。
また、新婚夫婦や結婚予定の方々を対象とした優待制度の実施に向けた準備を進めているところであり、結婚や新生活を社会全体で応援する仕組みづくりを通じて、子どもを産み育てやすい環境づくりに全力で取り組んでまいります。
次に、地域保健の充実についてであります。
保健所については、地域保健対策の拠点として、新型インフルエンザ等の新興感染症対策や大規模災害時の医療救護体制の確保といった健康危機管理体制などの強化を図る必要があります。このため、先月21日に2回目となる保健所再編検討懇話会を開催し、保健所数を現在の12箇所から9箇所とするとともに、再編の実施時期を平成31年4月とする具体的な再編案を提示したところであります。
引き続き、懇話会において十分にご議論いただくとともに、住民サービスの維持などにも配慮しながら、選択と集中により保健所機能の強化につながるよう、地域保健の充実を図ってまいります。
次に、第74回国民体育大会及び第19回全国障害者スポーツ大会の開催準備についてであります。
大会開催までいよいよ500日を切りました。先月末より、県内各市町村において競技別リハーサル大会などが順次開催されております。
また、本年4月から、全国障害者スポーツ大会の開催に向けて、大会に参加する選手等をサポートする「選手団サポートボランティア」養成講座を県内大学等で開始いたしました。
さらに、両大会の開催に併せて、全国初となる都道府県対抗eスポーツ大会の開催について、先月22日に発表したところであります。eスポーツは世界中に一億人以上の競技人口を有しており、世界的なスポーツ大会においても、今年からFIFA、国際サッカー連盟ではeワールドカップを開催し、オリンピックではeスポーツを競技種目に加える動きが見られております。そのような中で、本県が全国に先駆けてeスポーツ大会を開催することにより、年齢や性別、ハンディキャップに関わらず対等に競い合える、新たなスポーツの形を提案してまいります。
今後とも、関係機関と一丸となり機運醸成に努めるとともに、両大会開催時に円滑な運営ができるよう、市町村や競技団体と連携を図りながら全力で取り組んでまいります。
次に、県有施設等の運営状況についてであります。
まず、工業技術センターにつきましては、本県経済の発展を担う中小企業のIoT導入促進や食品産業等への支援を強化するための新棟が完成し、去る4月18日、記念式典を行いました。
第4次産業革命の急速な進行など企業活動を取り巻く経営環境が劇的に変化する中、新棟整備による機能充実を契機として、同センターを「産業技術イノベーションセンター」に名称変更し、本県の産業技術分野におけるイノベーション創出の中核施設を目指してまいります。
また、茨城空港につきましては、去る4月29日、開港約8年で来場者1千万人を達成いたしました。引き続き、定期便の利用促進や、チャーター便の実績を積み重ねていくことで新たな路線の誘致にも努めるとともに、地域振興の拠点として、数多くの皆様にご来場いただけるよう取り組んでまいります。
次に、道路の整備状況についてであります。
県道筑西つくば線バイパスにつきましては、筑西市宮山地内から中根地内までの2.2キロメートル区間が、去る3月28日供用を開始いたしました。
これにより、安全で円滑な交通が確保されるとともに地域の活性化に大きく寄与するものと期待しております。
最後に、提出議案等についてご説明申し上げます。
今回の提出議案は、条例その他13件、報告1件であります。
条例は、改正するもの9件であり、先に申し上げました工業技術センターの名称変更に伴う「茨城県工業技術センターの使用料及び手数料徴収条例の一部を改正する条例」などであります。
条例以外の議案としては4件で「県有財産の売却処分について」などであり、報告は専決処分の報告で、平成29年度の一般会計等の歳入が確定したこと等に伴う予算の補正などであります。
以上で、提出議案等の説明を終わりますが、なお詳細につきましては、お手元の議案書等によりご審議の上、適切なご議決を賜りますようお願い申し上げます。
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