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更新日:2018年10月29日
平成30年第4回定例会の開会に当たり、提出いたしました議案等の説明と報告を申し上げます。
はじめに、北海道胆振東部地震をはじめ、相次ぐ自然災害により亡くなられた方々のご冥福を謹んでお祈り申し上げますとともに、被害を受けられた皆様に心からお見舞いを申し上げます。被災地が一日も早く復興し、被災された方々が平穏な生活を取り戻されることを心から願っております。
先月30日に和歌山県に上陸した台風24号は、本県においても7名の負傷者を出しましたほか、農作物を中心に大きな被害をもたらしました。
県では、被害発生後直ちに、農業者に対し、排水対策や病害虫防除などの技術指導を行い、県農林漁業災害対策特別措置条例を適用するとともに、農協系統農業災害資金の借入利子についても助成措置を講じることといたしました。あわせて、国に対し被災農業者に対する支援措置を講じるよう要望を行ったところであります。
引き続き、被害に遭われた農業者の方々が、速やかに営農活動を再開できるよう支援してまいります。
次に、新しい茨城づくりに向けた取組みについてであります。
知事就任から一年が経ち、この間、県議会の皆様と「車の両輪」として県政の推進に邁進できたことに、まずもって感謝申し上げます。
就任後も様々な方々と意見交換を行ってまいりましたが、社会経済のグローバル化の進展や、AIやビッグデータなどの新たな技術の実用化、社会構造の変動など、社会の変化のスピードがますます加速していることを肌で感じております。特に、急速な人口減少や超高齢化の波はすぐそこまでやってきています。
こうした中にあっても、現役世代はもちろん、子々孫々が幸せに暮らせる茨城を築いていくためには、私たちが、社会の変化に的確に対応していかなければなりません。この変化に乗り遅れることのないよう、何事もスピード感をもって取り組んでいくことが極めて重要であります。
これからの県の具体的取組みを、県議会をはじめ県民の皆様と共有するためにお示しするものが新たな県総合計画でございます。この計画につきましては、本年2月の茨城県総合計画審議会への諮問以降、これまでにないスピードでご審議いただき、明日30日に答申をいただく予定となっております。
県議会におかれましても、新しい茨城づくり調査特別委員会で、短い期間の中で精力的にご議論を重ね、提言としてまとめていただいたことに改めて感謝申し上げます。今後、これらを踏まえ、新たな計画として決定してまいります。
また、新たな県総合計画に掲げる施策を具体化するため、来年度の予算編成に向けた庁内での本格的な議論を開始いたしました。今年度の予算に計上した様々な施策の成果をしっかりと検証したうえで、施策の見直しや追加などにより、私の挑戦を加速していく予算となるよう検討を進めてまいります。
引き続き、県民の皆様をはじめ多様な主体と緊密に連携しながら、時代の変化に遅れを取らないよう、私が先頭に立ち、「新しい茨城への挑戦」に全速力で取り組んでまいります。
次に、医療提供体制の充実強化についてであります。
先月12日、救急医療や周産期医療などの政策医療を確保する観点から、最優先で医師確保に取り組む医療機関・診療科を公表し、県内5つの医療機関、4つの診療科の合計15人の医師確保に早急に対応していくことといたしました。今後とも、各医療機関と緊密に連携を図り、2年以内に医師を確保できるよう、全力で取り組み、医療提供体制の充実強化を進めてまいります。
また、脳卒中に対する急性期治療を提供できる医療連携体制を構築するため、本年度から県北地域の救急医療を担う医療機関と救命救急センターにICTを活用した「遠隔画像診断治療補助システム」の導入を進めてまいりました。12月にはシステムが稼働する見通しであり、これにより、脳卒中の発症後速やかに専門的診療を実施する救急医療の機能向上が期待されます。
今後とも、スピード感をもって医師確保に取り組み、医療資源の効果的かつ効率的な投入などにより、医療提供体制の充実強化を全力で推進してまいります。
次に、結婚・子育て環境の充実についてであります。
結婚支援に取り組む「いばらき出会いサポートセンター」につきましては、成婚数の累計が今月15日に2千組を達成したところであります。こうした取組みに加えて、新婚夫婦や結婚予定カップルを対象に、協賛店で提示すると様々なサービスが受けられる「いばらき結婚応援パスポート(iPASS)」を、いい夫婦の日である来月11月22日から発行してまいります。これらの取組みにより、社会全体で結婚を応援する機運の醸成や、新婚夫婦等に対する経済的負担の軽減を図ってまいります。
また、いわゆる「小児マル福」につきまして、これまで外来は小学6年生、入院は中学3年生までを対象としてまいりましたが、子育て世帯の経済的負担の軽減を図り、安心して子育てができる環境づくりをさらに進めるため、今月1日から、入院については高校3年生まで対象を拡大いたしました。これにより、受給対象者は約6万人増加することとなります。
引き続き、企業や市町村、関係団体の皆様と連携しながら、結婚・子育て環境の充実に努めてまいります。
次に、本県の魅力発信についてであります。
今月6日、7日の2日間、北関東三県と金融機関等が連携し、観光や食などを広くPRするため、東京スカイツリーにおいて、観光物産フェア「おいでよ!北関東!いばらき・とちぎ・ぐんまフェア2018」を開催し、2日間で約9万人の方々にご来場いただきました。私自らが首都圏の多くの皆様に対し、本県の魅力を十分にお伝えできたものと考えております。
今月25日には、東京・銀座にあります県アンテナショップが「IBARAKIsense(イバラキセンス)」としてリニューアルオープンし、多くのお客様にご来店いただくとともに、テレビやラジオ、新聞などのメディアにも取り上げられているところであります。
また、今月15日に発表された民間調査会社による都道府県魅力度ランキングによれば6年連続最下位とのことでしたが、私はこのようなインターネットの調査結果では反映されない魅力が本県には数多くあると強く感じております。こうした調査結果は真摯に受け止める一方で、一喜一憂することなく、本県の様々な魅力を広く伝える施策を推進してまいります。
次に、世界に飛躍する茨城についてであります。
先月4日に、茨城港常陸那珂港区に外国船籍のクルーズ船2隻の寄港が決定した旨、発表したところであります。これまで外国クルーズ船誘致に向けて、本県の魅力的な観光資源や広域交通網の充実などの本県の優位性を、トップセールスも交えて、クルーズ船社等にアピールしてきた結果、寄港につながったものであると考えております。
引き続きクルーズ船誘致に積極的に取り組み、本県の魅力を広くPRしてまいります。
今月6日には、フランス共和国エソンヌ県議会副議長が来県し、19年ぶりに友好提携都市エソンヌ県と茨城県との交流が再開するとともに、新たに「茨城県とエソンヌ県との友好に関する協定書」を締結いたしました。
本県とエソンヌ県は、ともに首都近郊に位置しながら、農業県であるとともに国内有数の科学技術都市を有するなど、多くの共通点がありますことから、今後、文化、観光、教育、地域発展といった様々な分野で、交流・協力関係を深めることにより、継続的なパートナーシップを構築してまいります。
茨城空港におきましては、昨日28日より、タイガーエア台湾による台北便が定期便として運航を開始したところであります。また、年末年始にはベトジェットエアによるチャーター便が運航されます。ソウル便、上海便、そしてスカイマークによる国内便も含め、様々なPR活動を展開し、定期便、チャーター便それぞれの利用促進を図ることで、路線の拡充に努めてまいります。
次に、強い農林水産業の実現についてであります。
今月1日に、常陸牛のアメリカへの輸出拡大に向けて、サンフランシスコ市内にあるレストランにおいて、常陸牛の商談・交流会を開催いたしました。
全米各地から、高級レストランのシェフや食肉流通業者、メディア関係者などに参加いただき、私から常陸牛の美味しさや魅力についてプレゼンテーションを行うとともに、常陸牛をより美味しく食べていただくためのカッティングセミナーや試食会を実施したところであります。
参加者から大変好評をいただいたことから、今後、レストランや小売店へのアプローチを本格化させ、世界最大の牛肉消費国であるアメリカへの販路拡大と同国内でのブランド化に挑戦してまいります。
また、今月16日、儲かる農業の実現に向けて、JAグループ茨城と連携協定を締結し、県産農畜産物や加工品の販売力強化、大規模農業経営体の育成支援などに協力して取り組んでいくことといたしました。
今後とも、生産性や付加価値の向上、販路拡大などの取組みを通じて、強い農林水産業の実現に取り組んでまいります。
次に、宇宙ビジネスの創造についてであります。
去る8月に公表しました「いばらき宇宙ビジネス創造拠点プロジェクト」の一環といたしまして、今月19日に、宇宙ビジネスの専門家を配置し、県内企業等の技術シーズやニーズの掘り起こし、企業等からのビジネス相談等をワンストップで行う、「いばらき宇宙ビジネス創造プラットフォーム」を、つくば研究支援センター内に設置いたしました。
また、12月18日には、宇宙ビジネスの第一人者を迎え、「いばらき宇宙ビジネスサミット2018」をつくば市内で開催し、私も参加するパネルディスカッションや、ベンチャー企業や国の研究機関と投資家とのマッチングなどを行うことにより、「宇宙といえば茨城」というブランドを構築し、宇宙ビジネスに挑戦できる拠点形成を図ってまいります。
次に、第74回国民体育大会及び第19回全国障害者スポーツ大会の開催準備についてであります。
先月29日から今月9日まで、福井県などで開催されました第73回国民体育大会では、私も総合開・閉会式に参加いたしました。閉会式では大会旗の引継ぎを受け、身が引き締まる思いでございます。今後とも、選手の活躍を通して、県民の方々が感動し、勇気と希望が持てる大会となるよう関係機関が一丸となって取り組んでまいりますとともに、円滑に大会を運営するため、不測の事態に備え、臨機応変な対応ができるよう準備に万全を期してまいります。
一方で、本県選手団の総合成績は、天皇杯が16位となり、昨年の23位から順位を7位上げたものの、目標としていた1ケタ台の順位を達成できませんでした。
目標を達成できなかった原因を徹底的に究明し、課題を明確にした上で、総合成績第1位を獲得するため、残り1年、関係機関と一体となって選手強化に取り組んでまいります。
また、今月13日から15日まで開催されました第18回全国障害者スポーツ大会では、前回大会の成績からほぼ倍増となる24個の金メダルをはじめ、合計52個のメダルを獲得する好成績を収めることができました。障害者スポーツにつきましても、引き続き競技の普及や競技力の向上に努めてまいります。
さらに、先月15日に開催しました「全国都道府県対抗eスポーツ選手権茨城プレ大会」につきましては、約600名もの方が来場するとともに、多くのメディアに取り上げられました。eスポーツは世界的にも盛り上がりを見せておりますことから、来年の本大会開催に向けて、誰もが同じステージで平等に競うことができるeスポーツの魅力を広く知っていただくとともに、大会運営が円滑に行われるよう、関係機関とともに準備を進めてまいります。
次に、第17回世界湖沼会議(いばらき霞ヶ浦2018)の開催についてであります。
秋篠宮同妃両殿下のご臨席を賜り、今月15日から5日間、つくば国際会議場において開催した世界湖沼会議には、50の国と地域から約5500人もの方々にご参加いただき、大変盛況のうちに終えることができました。
今回の会議では、「人と湖沼の共生」をテーマに、住民、農林漁業者、事業者、研究者、行政等湖沼に関わりを持つ様々な立場の方々の連携を目的の一つとし、16日には本県と関係4県が連携して、湖沼の水質や生態系を含む水環境の保全に取り組むことを宣言したところであります。
また、最終日の19日には、会議での発表・討議を踏まえ、世界の湖沼が抱える様々な問題の解決に向けた方策を「いばらき霞ヶ浦宣言」として全世界に向けて発信いたしました。
今回の会議が湖沼の水質浄化と自然の恵みの継承の契機となり、人と湖沼が共生する社会が未来に向けて持続できるよう、引き続き取り組んでまいります。
次に、東海第二発電所の状況についてであります。
東海第二発電所につきましては、国の原子力規制委員会において進められてきた新規制基準適合性審査のうち、先月26日には、原子炉の設置変更が許可され、今月18日には工事計画の認可がなされました。現在は、運転期間延長認可に関して審査が継続されているところでございます。
県といたしましては、引き続き、県民の安心、安全の確保の観点から、県原子力安全対策委員会「東海第二発電所安全性検討ワーキングチーム」において、東海第二発電所の安全性について検証を行ってまいります。
次に、茨城県近代美術館開館30周年についてであります。
茨城県近代美術館につきましては、今年で開館から30年を迎えましたことから、今月1日に開館30周年記念式典を開催いたしました。
これを記念した特別展として、「ポーラ美術館コレクション」を来月18日まで開催しているところであり、これまでに3万人を超える多くの方々にご来場いただいております。
今後とも、魅力ある企画展の開催や教育普及活動の一層の充実などに取り組み、多くの皆様に親しまれる美術館を目指してまいります。
最後に、提出議案等について御説明申し上げます。
今回の提出議案は、予算の補正に関するもの2件、条例その他24件、報告1件であります。
まず、予算の補正についてでありますが、公の施設の管理運営に関する債務負担行為の設定であり、一般会計で12件、特別会計で2件であります。
条例は、新たに制定するもの1件、改正するもの5件、合わせて6件であります。新たに制定する条例は、原子力施設の立地により必要となる安全対策等を引き続き実施するため、課税を継続するために必要な事項を定める「茨城県核燃料等取扱税条例」であり、一部改正を行うものとしては、「職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例」などであります。
条例以外の議案としては18件で、「指定管理者の指定について」などであり、報告は、専決処分の報告であります。
以上で、提出議案等の説明を終わりますが、なお詳細につきましては、お手元の議案書等により御審議の上、適切な御議決を賜りますようお願い申し上げます。
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