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更新日:2016年10月1日

県広報紙「ひばり」10月号「コミュニティいばらき」

県北で出会えるアートの秋

9月17日から始まった「KENPOKUART2016城県北芸術祭」。
今回は、参加アーティストを代表して、大子町の旧上岡(うわおか)小学校に作品を展示する田中信太郎さん(日立市在住)に、作品の制作意図を含め県北芸術祭を通して皆さんに伝えたいことなどをお伺いしました。
「芸術の秋」を感じに、県北地域を訪れてみませんか。

 

福田眞理子さんの写真

いばらき女性特派員
福田眞理子

【プロフィール】
常陸太田市在住
趣味:旅行、野菜作り、読書

Q1.美術界だけではなく多くの芸術分野の方々にインスピレーションを与えてきた方とお聞きしています。ご自身のインスピレーションの源は?

「僕の『おっちょこちょい』がインスピレーションの源」

日立一高を卒業して上京したのが55年前。
ある日、読売アンデパンダン展を開催するに当たって作品を募集していると知り、そこへ出品したところ、著名な美術評論家・東野芳明氏が新聞の中で僕を「反芸術の田中」と評してくれました。美術部の活動が活発だった日立一高で鍛えたデッサン力が、僕のインスピレーションを形ある作品にしてくれました。それ以来、半世紀以上にわたって創作活動に携わり、「同じ個展はやらない」で「言語を介在させずに、見えるモノの中の見えないモノ」を作り続けてきました。そういった姿勢が多くの方にインスピレーションを与え、僕自身の作品も出来ているのだと思います。

田中信太郎さんの写真

田中信太郎さん

Q2.日立市の山中にアトリエを構え、創作活動をしている理由は?

「希望のためにここへ来た」
同級生たちは「隠遁生活のために戻ってきたのか?」と言ったけれど…その時、32歳。

僕は東京で生まれましたが、戦況が悪化し、父親の仕事の関係で4歳の時に日立市の川尻に移り住みました。
高校卒業後、先の読売アンデパンダン展で認められ、それ以来創作活動に励んできました。
1970年の大阪万博では南ゲートと自動車工業会のアート部門を担当し、ある程度まとまったお金が入りましたが、このままでは飲んでしまって終わり。創作活動を続けたいと思っていた僕は「どこを拠点とするか」を考えました。東京ではその当時から、すでに広い土地を手に入れるのは難しくなっていました。僕の作品制作には広いスペースが必要です。
そこで、高校卒業まで過ごした日立市の山中に土地を求めました。このアトリエは、コンクリートなど一部を除き、ほとんど自分で作りました。
自宅の目の前には日立市の海が広がっています。家から太平洋を見ると、地球は丸いと実感し、稲妻が海に向かって垂直に走ります。そこで、作品『点・線・面』がひらめきました。ここにいると、森羅万象の全てが芸術の源と感じます。

Q3.今回の県北芸術祭で皆さんに伝えたいことは?

「美しい自然と芸術との対比です」

森と川に囲まれた大子町の自然。その中にたたずむ築100年以上の「懐かしい」旧上岡小学校。
昭和の子どもたちの声が聞こえてくるような環境の中で、地球の環境を汚すモノであるコールタールを使った作品を展示することにより、美しい自然と芸術との対比を考えて欲しいのです。今回の出展作品は、半世紀以上も前に「世界で一番薄い彫刻を作りたい」と思って作ったモノです。「点と線と面」で出来ている造形物を見ながら、大子町の自然にも目を向けてください。「ただある」ということに向き合ってください。

田中さんの作品画像「無題1970」

無題1970

取材を通して感じたこと

半世紀以上、日本だけではなく世界で現代美術の第一線を走り続けてきた田中信太郎さんのアトリエを訪問しました。アトリエには今までの作品の模型が所狭しと置いてあり、新しい作品の構想もありました。田中さんは県北芸術祭のことも含め、現代の美術について色々お話ししてくださいました。田中さんの一言一言が斬新で、なるほどと思うことばかりでした。今回、それらの含蓄に富む言葉の一端しかお伝えできないことが残念です。
今回の県北芸術祭を、田中さんは「美術に気軽に近づきやすくするため、美術の裾野を広げる最高の企画。小さい子どもたちにこそ見て欲しい。見た子どもたちが『面白い』と思うことでその後、芸術に対しての感性が花開く」とおっしゃっていました。しかし子どもだけでなく、大人にとっても得るものが沢山あると思います。
県北地域の大自然の中で繰り広げられる、作品の数々に出会いましょう。
今年の秋は県北が旬です!県内外から訪れる多くの方々に、この魅力あふれる秋の県北を丸ごと楽しんで欲しいと思っています。(福田眞理子)

御岩神社(日立市入四間町752)

 

森山茜さん作品画像
「御岩神社のインスタレーション(スケッチ)」2016
森山茜さんの写真
森山茜

高戸海岸[前浜](高萩市高戸)

 

イリヤ&エミリア・カバコフの作品画像
「落ちてきた空」1995/2016
イリヤ&エミリア・カバコフ
イリヤ&エミリア・カバコフ

旧富士ケ丘小学校(北茨城市関本町富士ケ丘756-1)

 

日比野克彦さんの作品画像
bigdatana-たなはもののすみか2015東京都美術館
日比野克彦さんの写真
日比野克彦

旧美和中学校(常陸大宮市高部454)

 

落合陽一さんの作品画像
「コロイドディスプレイ」2012/2016

落合陽一さんの写真
落合陽一

鯨ヶ丘地域[梅津会館前窓ほか](常陸太田市西二町ほか)

 

原高史さんの作品画像
「SignsofMemory」2010

原高史さんの写真
原高史

袋田の滝(大子町袋田)

 

ジョン・へリョンさんの作品画像
AbstractTime-Amore2013
ジョン・へリョンさんの写真
ジョン・へリョン

茨城県北芸術祭の作品鑑賞をたっぷり楽しむための…
お得なパスポート&ガイドブック情報

芸術祭の期間中、全ての作品を鑑賞することができる作品鑑賞パスポートは、インフォメーションセンターなどで販売しています。

作品鑑賞パスポートの画像

名称 作品鑑賞パスポート
一般 2,500円
学生・65歳以上の方 1,500円
  • 中学生以下・身体障害者手帳などをご持参の方は無料です。
  • 作品鑑賞パスポートを持たない来場者の方は、個別に作品を鑑賞するための個別鑑賞券(料金:300円~1,000円)が必要です。(有料作品:8カ所)

ガイドブック画像

芸術祭の見どころや、各市町に展開される芸術作品のガイドはもちろん、現地までのアクセスや周辺の飲食店、宿泊施設の情報など、芸術祭を巡るための必携アイテム「公式ガイドブック(定価:1,300円)」を全国の書店で販売しています。
ぜひお買い求めいただき、アート作品をお楽しみください。

この記事に関するお問い合わせ先

茨城県北芸術祭実行委員会(県県北振興課内)
事務局:☎029(301)2727
現地事務所:☎0294(72)1121

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〒310-8555 茨城県水戸市笠原町978番6

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