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更新日:2017年8月27日
65歳以上の4人に1人が認知症患者とその予備軍といわれる今。
大切な家族が認知症になる…戸惑いと不安、そして悩みと混乱…「認知症ってどんな病気なんだろう?」
認知症の“今”を知るため、いばらき女性特派員が認知症のスペシャリストにお話を伺いました。
いばらき女性特派員 小堀妙子(こぼりたえこ) 【プロフィール】 |
筑波大学
新井哲明教授
認知症とは、脳の機能が低下することで日常生活に支障をきたす病気のことです。記憶や遂行機能(料理が順序よくできなくなるなど)の低下や人格の変化などがその特徴です。
認知症は、その症状が加齢に伴うものと似ているため、その発見が遅くなりがちですが、同じことを何度も言う、以前興味があったことに関心がなくなるなど認知症と疑われる症状がいくつもあり、かつ、頻繁に現れるようになった場合は要注意です。
認知症の疑いがある場合は、かかりつけ医にご相談ください。
糖尿病や高血圧などの生活習慣病にかからないよう気を付けてください。そうすることにより認知症のリスクを減らすことができます。
一日8千歩を目安とした運動やバランスの良い食事、緑茶などに含まれるポリフェノールの摂取などが良いといわれています。また、いくつになっても何かを学ぶことが脳に刺激を与え、認知症の予防に効果的です。
筑波大学附属病院
金田裕子先生
認知症の進行予防のために認知力アップデイケアを行っています。
一つのことだけを行うのではなく、いろいろなことをやってみることが大切です。有酸素運動や筋トレなどの「身体活動」、脳トレやパズルなどの「知的活動」、芸術や音楽などの「心理活動」、認知症についての知識を得たり老いを考える「教育活動」の4本の柱に沿って、皆さんの認知力アップを支援しています。
今年の4月からは、認知力アップデイケアの利用者のご家族を対象とした「家族会」をスタートしました。
ちまたには認知症に関するさまざまな情報があふれていますので、認知症予防に限らず、認知症に関する正しい知識を得て、介護者としての心構えを身に付けることが大切です。認知力アップデイケアでは、そのための支援にも力を入れています。
認知症の人と家族の会
宮原節子さん
認知症の方とその家族、地域の方が気軽に交流ができる"つどい"や"オレンジカフェ"を開催しています。
ここでは、認知症の方本人が自分の得意な折り紙を披露したり歌をみんなで歌ったりと、安らげて楽しめる場所になっています。
認知症が進んでも「こころ」は生きています。プライドや豊かな感情もあります。できないことが増えると、口出しや手を出しがちです。本人にとってやりたいことや、支えがあればできることがたくさんあります。
認知症を発症した人も、それを介護する人も一人で悩まず、つどいやオレンジカフェに参加してください。同じ立場の方たちと触れ合い「一人じゃない」と思うことで希望が湧き、介護の知恵を交流させ、生きがいを見つけられると思います。同じ仲間とつながることが大切です。
県では、認知症の人や家族を温かく見守る「認知症サポーター」を養成しています。社会全体で認知症に関係する人々を温かく見守る…。そんな社会になればと願っています。
認知症ケアは日々進化しています。年を重ねることを楽しめる自分でいたいです。
小堀妙子
認知症について、県ホームページの「認知症を知るページ」で詳細な情報を知ることができます。
下のQRコードからもご覧いただけます。
県長寿福祉課☎029(301)3332
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