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更新日:2021年2月26日

令和3年第1回定例会(知事提案説明要旨)

令和3年第1回県議会定例会の開会に当たり、提出いたしました議案等の説明に先立ち、県政運営に関する所信の一端を申し上げます。

第1政運営の基本方針

(新型コロナウイルス感染症対策)

本県で新型コロナウイルスの陽性者が確認されてから間もなく1年が経とうとしております。昨日までの累計で、新規陽性者数は5,682名にのぼり、106名の方の尊い命が失われました。ここに改めて、亡くなられた方々のご冥福を謹んでお祈り申し上げますとともに、罹患された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

また、県民の命を守るため、強い使命感を持って最前線で治療にあたっておられる医療従事者の方々をはじめ、感染防止にご尽力いただいている全ての皆様に対し、心から敬意と感謝の意を表する次第であります。

新型コロナウイルスは瞬く間に全世界に拡大し、私たちの日常や経済活動は大きく変わりました。未知のウイルスとの闘いであり、何が正しいのか誰も明確な答えを持ち合わせていない中で、様々な対策が講じられ、感染収束に向けた模索が続いております。

私といたしましては、県民の命と健康、そして暮らしを守り、医療崩壊を防ぐため、これまでPCR検査体制の強化や県独自の対策指針「茨城版コロナNext」の策定、ピンポイントで効果的な施策を進める上で、安心・安全の鍵となる「いばらきアマビエちゃん」の導入と関係条例の制定など、感染症対策と社会経済活動の両立を絶えず模索しながら、この闘いの最前線で全力を尽くしてまいりました。

現在、感染の第3波の中にありますが、医療崩壊を食い止めるため、国の緊急事態宣言地域への指定を待たず、県独自で緊急事態宣言を発令するなど、これまでの対策の効果と刻々と変化する状況をしっかりと分析しながら、先手先手で必要な対策を講じ、この難局を乗り越える努力を続けているところであります。

こうした中、感染対策の決め手と期待されるワクチンの先行接種が、本県においても今月18日から医療従事者を対象に始まりました。引き続き、国や市町村と連携を図り、接種が円滑に進むよう万全の体制を確保しながら、新型コロナウイルス感染症の一日も早い収束を目指してまいります。

(東日本大震災から10年を迎えて)

今年は、本県にも甚大な被害をもたらした東日本大震災の発生から、10年の節目の年であります。本県の死者・行方不明者は25名に及び、また、県民生活や県内経済は大きな打撃を被りました。改めて、犠牲となられた方々とご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。

この10年で、橋梁などの耐震化、河川や港湾の護岸整備などハード面の復旧・復興に加え、地震被害想定の見直しや災害物資の備蓄などソフト面での取組も進んでまいりましたが、農産物の輸出などの面では、東京電力福島第一原子力発電所事故の影響が未だに残っております。

また、近年自然災害が頻発化・激甚化しております。平成27年9月関東・東北豪雨や、令和元年東日本台風など、本県も多くの災害に見舞われました。

大規模災害はいつ起こるかが分かりません。大切なことは、過去の災害の経験を教訓とし、想定を超える災害はいつでも起こりうることを念頭に、日頃から備えることであります。今後も、国や市町村等と連携しながら、県民の防災意識の向上と災害に強い県土づくりにしっかりと取り組み、安心・安全な生活基盤を築いてまいります。

(これまでの取組)

さて、私は、知事就任以来、人口減少が進む「今後10年間」に何をするかで茨城県の未来が大きく方向づけられると申し上げてまいりました。これまで、自然災害やコロナ禍といった未曽有の危機に見舞われながらも、「挑戦」「スピード感」「選択と集中」という3つの基本姿勢を県庁全体で共有しながら、数多くの挑戦を重ねてまいりました。

特に力を入れて取り組んできた企業誘致では、成長分野の本社機能など19件の移転計画を認定いたしました。昨年末には、私自ら積極的に誘致に関わってきた世界的な化粧品メーカーが、アジア太平洋地域における初の生産拠点の建設と国内法人の本社機能の移転を決定したところであります。

農産物の輸出では、トップセールスを重ねるなど積極的に取り組み、輸出額は知事就任前の5倍までに拡大し、輸出品目や輸出先も年々増加してまいりました。

本県の魅力づくりでは、偕楽園の有料化による魅力向上や、アクアワールド茨城県大洗水族館のリニューアルに加え、今春の開園に向け県フラワーパークの大規模改修などが進んでおります。また、「つくば霞ヶ浦りんりんロード」のナショナルサイクルルートへの指定や星野リゾート「BEB5土浦」の誘致などにより、「サイクリング王国いばらき」の実現に向け官民一体となった取組が加速しております。

茨城空港では、就航路線が国内線4路線、国際線6路線に拡大し、令和元年度の旅客数は過去最高となり、また、茨城港には本県初となる外国クルーズ船が寄港いたしました。

医師確保では、最優先で確保すべき医療機関・診療科における必要医師数14名に対し13.1名を確保し、また、人材育成では、10校の中高一貫教育校を順次開校させるとともに、意欲ある生徒への英語やプログラミングの学習機会の提供、起業家精神の醸成など、茨城の将来を担う「人財」の育成に取り組んでまいりました。

さらに、県庁業務のデジタル化では、電子決裁率100パーセントの達成に加え、RPAの導入や県で見直しが可能な申請・届出等の業務の電子化と押印の廃止などの取組を進めてまいりました。

数多くの挑戦により、こうした成果が出てきたことは、本県が持つ潜在能力の高さの証明であり、「やればできる」という、未来に立ち向かう私たちの大きな自信につながったものと考えております。

(新しい茨城づくりに向けて)

時代は今、大きな転換点を迎えております。新型コロナウイルスの感染拡大による影響に加え、国内では、急激な人口減少や高齢化により、労働力不足や地方の衰退が益々深刻化するとともに、世界情勢も米中関係の緊張感の高まりや英国のEU離脱などにより大きく変化しております。また、気候変動問題に対処するため、多くの国や地域がカーボンニュートラルの実現に向け動き出しており、我が国でも2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすることを宣言いたしました。

一方、コロナ禍において、デジタル化の流れが加速し、社会様式や仕事の進め方も大きく変化しました。5Gやデジタルトランスフォーメーションの導入により、教育や医療、公共サービスなどあらゆる分野に大きな変革がもたらされると期待されております。

このように様々な分野でパラダイムシフトが起きつつある今、私たちはこの変化に柔軟に適応し、不断に変わっていく努力を続けながら、自ら未来を切り拓いていくことが求められております。新しい茨城づくりには、こうした姿勢と実現する力をつけていくことが重要だと考えております。

そのため、「挑戦」「スピード感」「選択と集中」の3つの基本姿勢のもと、コロナ禍で変わる価値観や消費者ニーズなど、社会の様々な変化を的確に捉えながら、成長分野等の企業誘致や県内企業の生産性向上、ベンチャー企業の育成や県産品の販路拡大などに果敢に挑戦を続け、本県産業の競争力を強化するとともに、変化の激しいグローバル社会で活躍できる「人財」を育成し、本県の活力をさらに高めてまいります。

その力によって、医療や福祉、防災など県民の命を守り安心・安全につながる生活基盤の充実を図り、将来の夢に向かって挑戦を続けていくことにより「活力があり、県民が日本一幸せな県」の実現を目指してまいります。

 

(第2算の全体像)

今回提案する令和3年度当初予算は、新型コロナウイルス感染症対策と社会経済活動の両立に注力するとともに、未来への投資につながる施策に積極果敢に挑戦するための予算であります。

「新しい豊かさ」、「新しい安心安全」、「新しい人財育成」、「新しい夢・希望」の4つのチャレンジをより一層推進し、自ら未来を切り拓ける茨城へと飛躍できるよう、取りまとめたものであります。

一般会計予算の総額は、1兆2,951億78百万円であり、令和2年度当初予算と比較して11.4パーセント、1,323億円の増、東日本大震災や新型コロナウイルス感染症に係る対策額を除いた比較では、0.5パーセント、56億円の増となっております。

歳入につきましては、県税収入が、企業収益の減少に伴う法人事業税の減収などにより、260億円減の3,607億円、特別法人事業譲与税が163億円減の309億円と見込む一方、地方財政計画を踏まえ、震災復興特別交付税を除く地方交付税が80億円増の1,868億円、臨時財政対策債が388億円増の900億円と見込んでおります。

この結果、実質的な一般財源の総額につきましては、0.2パーセント、13億円増となる7,230億円を計上いたしました。

一方、歳出につきましては、一般行政費が、新型コロナウイルス感染症対策経費の増などにより、37.5パーセント、1,318億円増の4,835億円となっております。公共事業費は、特別会計及び企業会計を含む公共事業全体で1,117億円であり、国の「復興・創生期間」の終了に伴う震災関連事業の減少により12.3パーセント、157億円の減となりますが、震災関連を除いた比較では、6.2パーセント、65億円の増となります。

特別会計は13件で、総額4,503億81百万円、20.4パーセントの減、企業会計は6件で、総額1,230億91百万円、11.8パーセントの増となっております。

 

(第3な施策)

次に、令和3年度の主な施策について申し上げます。

第1は、新型コロナウイルス感染症対策についてであります。

引き続き、感染拡大防止と医療提供体制の確保・充実を図ることとし、検査体制の拡充と受入医療機関への病床確保支援、ワクチン接種体制の確保などに取り組んでまいります。また、県民生活を支援するため、放課後児童クラブ等の感染防止対策のほか、学校サポーターの配置、妊婦に対するPCR検査費用の助成などを実施してまいります。

さらに、県内産業への支援として、事業継続や新たな事業分野への進出等に取り組む企業の資金繰り支援に加え、後日追加提出を予定しております令和2年度補正予算において、県の外出自粛要請や営業時間短縮要請により、売上が減少した事業者を対象に一時金を支給する措置を講じてまいります。

なお、新型コロナウイルス感染症へのより適切かつ迅速な対応を図るため、保健福祉部疾病対策課を感染症対策業務に特化した「感染症対策課」に再編するとともに、増員を行い体制を強化してまいります。

第2は、新しい豊かさについてであります。

(質の高い雇用の創出)

まず、質の高い雇用の創出についてであります。

若者が望む質の高い雇用の場をできる限り多く創出できるよう、次世代自動車やデジタル関連など、コロナ禍においても活発な投資が期待される分野をターゲットに企業誘致を展開してまいります。

また、「未来産業基盤強化プロジェクト」により、市町村の開発計画を積極的に支援するとともに、産業用地の供給が著しくひっ迫する圏央道周辺地域において、必要な供給を確保するため、事業採算性や開発可能性を検討の上、緊急的な措置として県施行による開発を進めてまいります。

なお、組織体制においても、一層の取組強化を図る観点から、営業戦略部立地推進担当を「立地推進部」として独立設置いたします。

(新産業の育成と中小企業等への支援)

次に、新産業の育成と中小企業等への支援についてであります。

ベンチャー企業の創出・育成につきましては、産業支援機関などの評価をもとに将来の成長が見込まれる「有望なベンチャー企業」を選定し、行政、大学、研究機関等の連携により集中的に支援してまいります。併せて、つくばの強みである医療、バイオ等のライフサイエンス分野のベンチャー企業に対し、メンター等を通じた成長プログラムなどを実施してまいります。

また、国際宇宙ステーションISSから、県が支援する県内ベンチャー企業が開発・製作した超小型衛星が、宇宙へ放出されることとなりました。今後も宇宙ビジネスに県内企業が積極果敢に挑戦できるよう、拠点形成に取り組んでまいります。

本県産業の競争力強化につきましては、デジタルトランスフォーメーションの導入を加速させるため、ビッグデータの分析結果をもとに、ビジネス上の課題解決を図る高度IT人材の育成や、企業の経営者などを対象としたセミナーの開催、ビジネスプランの構築支援などを行ってまいります。さらに、デジタル技術を活用し、企業の生産性向上や新しい生活様式への対応など、地域課題解決につながる新事業や新サービスを創出する取組を支援してまいります。

また、民間信用調査会社の調査によりますと、県内企業の約半数が後継者不在であり、事業承継などにより、経営資源の散逸を防ぐことが喫緊の課題となっております。このため、新たに、税理士や中小企業診断士等と連携し、支援が必要な企業の発掘を進めるなど、M&Aによる事業承継を加速してまいります。

(外国人材の活用推進)

次に、外国人材の活用推進についてであります。

グローバル化に対応する県内企業を支援するため、本年1月からベトナムのハノイ工科大学など海外の学生を対象として、県内企業とのオンラインでの就職面接会やガイダンスを開催するなど新たな取組を開始いたしました。また、コロナ禍により仕事を失った技能実習生や国内での就職先が見つからない留学生を対象に、県内企業とのマッチングを支援しているところであり、引き続き、海外に多数の拠点を持つJICA・国際協力機構などとも連携を図りながら、本県産業を支える優秀な外国人材の確保に精力的に取り組んでまいります。

(強い農林水産業)

次に、強い農林水産業についてであります。

農林水産物のブランド力強化につきましては、梨の「恵水」と豚肉の「常陸の輝き」の二品目の取組の成果を活かし、新たに、生産量日本一である「栗」の加工品開発によるトップブランド化に挑戦してまいります。また、都内の有名とんかつ店などの実需者から高い評価をいただいている「常陸の輝き」について、専用飼料の改良による飼育方法の改善などに取り組むことで、高品質で安定的に生産できる体制を構築してまいります。

国内外で需要が拡大している本県産かんしょにつきましては、農地の確保や生産施設の整備など、生産体制の拡充を支援していくとともに、実需者とのマッチングなどを進め、国内シェアのさらなる拡大と、海外への販路拡大を促進してまいります。

農地の集積・集約化を重点的に進める「茨城モデル水稲メガファーム育成事業」につきましては、本年1月、稲敷市東地区において100ヘクタールを超える大規模経営体を創り出すことができました。引き続き、他の地区での取組を進めるとともに、新たに、農業参入企業や農業経営体への集積に意欲的な地区を「重点支援地区」として設定し、農地と企業等とのマッチングを重点的に実施するなど、将来の本県農業を牽引する経営体の育成・確保を図ってまいります。

水産業の成長産業化につきましては、沿岸漁業の重要魚種であるシラスに着目し、鮮度管理や市場における作業改善に取り組み、品質の向上や収入増加を図ってまいります。また、陸上養殖産業を創出するため、収益性や商品性が高いと見込まれるマサバやブドウエビの養殖技術の開発のほか、養殖業を担う企業等の参入を進めてまいります。

なお、高病原性鳥インフルエンザ対策につきましては、今月2日、城里町の採卵養鶏場において陽性が確認されたのを受け、自衛隊に加え、県内の幅広い業界団体のご協力を得ながら、約80万羽の殺処分を8日までに、鶏舎の消毒など発生農場の防疫措置を16日までに終えたところであります。

ご協力いただいた方々に厚くお礼申し上げますとともに、引き続き、徹底した発生予防と防疫体制の強化に万全を期してまいります。

(女性活躍推進と多様な働き方の実現)

次に、女性活躍推進と多様な働き方の実現についてであります。

女性活躍の推進にあたり、女性が輝く職場づくりを進めるためには、経営層の理解促進が大変重要なことから、社内メンターの育成や、制度導入のための研修対象を経営層に拡大するなど、意識改革を促してまいります。

県内企業の働き方改革につきましては、セミナー等を通じ、モデル企業におけるテレワークや時差出勤などの柔軟な働き方やICT活用による業務効率化などの取組を県内全域に広く展開するとともに、業界ごとの目標の設定・公表を働きかけ、各団体の主体的な取組を促進してまいります。

また、コロナ禍により地方や郊外への移住ニーズが高まる中、民間の不動産検索サイトや県の移住定住ポータルサイト等を活用し、本県の生活コストの安さ、暮らしやすさなどの魅力を、首都圏の居住者等に情報発信するとともに、ライフスタイルを実際に体験していただくことにより、本県への移住や二地域居住につなげてまいります。

(かけがえのない自然環境の保全・再生)

次に、かけがえのない自然環境の保全・再生についてであります。

霞ヶ浦の水質浄化につきましては、引き続き森林湖沼環境税を活用し、市町村が行う下水道接続支援を、特に水質改善が進まない北浦流域に重点化するなど、生活排水対策に取り組むとともに、霞ケ浦水質保全条例等に基づき小規模事業所に適用される改善命令や罰則の規定が本年4月から施行となることから、立入検査による指導を強化するなど、事業所の更なる排水対策を促してまいります。

新たな産業廃棄物最終処分場の整備につきましては、昨年5月に日立市諏訪町地内の場所を整備候補地として、これまで住民説明会の開催などを通じ、市及び市民の方々のご理解をいただけるよう努めてきたところであります。引き続き、新たな搬入ルートや周辺環境への影響など、住民不安の解消に向けてしっかりと取組を進めてまいります。

廃棄物の不法投棄対策につきましては、新たに専門チームを設置し、ゲリラ投棄など悪質な事案に機動的に対応していくとともに、警察との連携により、監視の強化や事案の早期対応と摘発に取り組み、「茨城は捨てづらい」環境づくりを目指してまいります。

第3は、新しい安心安全についてであります。

(県民の命を守る地域医療・福祉)

まず、県民の命を守る地域医療・福祉についてであります。

本県の喫緊の課題である医師確保につきましては、今月18日に「最優先で医師確保に取り組む医療機関・診療科」の第2次目標を公表したところであり、第1次目標で交渉継続となっている案件を含め、4病院の合計7.5名について、令和4年度中の医師確保に向け、引き続き、全力で取り組んでまいります。

また、質が高く効率的な医療提供体制の構築のため、新たに、過剰な病床の削減を行う医療機関を支援し、地域医療構想における2025年の必要病床数との乖離縮小に努めるなど、医療機能の分化・連携の取組を着実に進めてまいります。

県立医療大学及び付属病院につきましては、効率的で柔軟な大学運営により、高度な医療人材の育成とリハビリテーション医療の充実を図るため、地方独立行政法人法に基づく「法人化」に向けた準備・検討を進めるとともに、関係条例を改正し職員定数を増加させることにより、診療体制の充実と収益の改善を図ってまいります。

(健康長寿日本一と福祉サービスの充実)

次に、健康長寿日本一と福祉サービスの充実についてであります。

人生百年時代を見据え生活習慣病を予防する取組として、昨年11月から毎月20日を減塩の日「いばらき美味おいしおDay」と定めました。県内スーパー等との連携強化や減塩メニューを提供する飲食店等の拡大に取り組み、県民の減塩意識の更なる醸成に努めてまいります。

また、幼少期や学童期の子どもの歯や口の健全な発育のため、保育所や認定こども園などの就学前施設や小学校において、むし歯予防に効果のあるフッ化物洗口の導入を支援することにより、むし歯予防を図ってまいります。

あすなろの郷の再編整備につきましては、民間活力の導入に対し、保護者からの不安等の声が寄せられたことを踏まえ、再編事業の一部を見直し、来年度は、県立施設として整備する最重度の障害のある方向けの入所施設や病院の基本設計等を実施してまいります。この再編整備により、県と民間事業者の役割分担と連携強化を進め、在宅障害者を含めた本県の障害者福祉全般のさらなる充実を図ってまいります。

(災害に強い県土と安心して暮らせる社会)

次に、災害に強い県土と安心して暮らせる社会についてであります。

防災意識の高揚と地域防災活動の充実を図るため、発災時の逃げ遅れゼロを目指す取組として、個人の防災行動計画である「マイ・タイムライン」の普及・啓発を推進してまいりましたが、取組がより効果的に進むよう、新たに子育て世帯や高齢者世帯などにターゲットを絞った作成支援に取り組むとともに、スマートフォンなどを活用して容易にマイ・タイムラインが作成できるシステムを構築してまいります。また、新たな補助制度を創設し、地域での防災活動の中心となる自治会による自主防災組織の結成を促進するなど、避難力の強化に取り組んでまいります。

加えて、昨年12月に施行された「茨城県災害ボランティア活動を支援し、促進するための条例」を踏まえ、ボランティアの事前登録制度の充実や専用ホームページにおける情報発信など、災害時にボランティアが円滑に活動できるよう平時から準備を整えるとともに、新たに災害ボランティア支援への寄付金を積み立てる基金を設置し、災害時の資機材の確保など災害ボランティア活動への支援を行ってまいります。

一方、ハード面におきましては、令和元年東日本台風により甚大な浸水被害が発生した久慈川・那珂川において、国・県・市町村等の連携により、令和6年度完了を目標に、河道掘削や堤防整備などの復旧・復興を進めてまいります。

また、利根川など各水系においては、流域全体であらゆる関係者が協働して治水対策を行う「流域治水」の考え方に基づき、国の「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」などを活用しながら、ハード対策とソフト対策を一体的に進め、防災・減災対策の加速化を図ってまいります。

安心して暮らせる社会を実現していくためには、水道水の安定供給が不可欠であります。このため、新たに、水道接続世帯が支払う水道加入金の減免を行う水道事業体を支援することにより、水道整備区域内の未普及人口の解消に努めてまいります。

第4は、新しい「人財」育成についてであります。

(次世代を担う「人財」育成と魅力ある教育環境)

まず、次世代を担う「人財」育成と魅力ある教育環境についてであります。

中高一貫教育校につきましては、今年度開校した5校に続き、来年度、水戸第一高等学校附属中学校など3校が新たに開校予定であり、これにより都道府県立学校としての設置数は全国最多となります。

県立学校のICT教育環境の整備につきましては、一人一台端末を活用できる環境を整えるとともに、教員のICT活用指導力の向上を図り、課題解決型の学習や個別最適化された学習を一層推進してまいります。

また、本年4月に学校法人角川ドワンゴ学園のS高等学校がつくば市内に開校することを踏まえ、来月末を目途に包括連携協定を締結し、eスポーツや英語ディベートなどのオンラインで交流できる部活動などから県立学校との連携を図ってまいります。今後、S高等学校の革新的な教育を取り入れながら、魅力ある教育環境づくりを進めてまいります。

県内の高校生等のアントレプレナーシップ・起業家精神の育成を目的とする「IBARAKIドリーム・パス事業」につきましては、企業や行政機関等とマッチングする場の提供に加え、新たに、大学やベンチャー企業と連携し、学びの場を提供するなど、生徒の意欲を一層引き出していけるよう支援してまいります。

なお、教員の働き方改革を促進していくため、今年度、小・中・高校、特別支援学校の各モデル校において、時間割の工夫や学校行事の見直し、部活動指導員の活用などにより、超過勤務時間の縮減に向けた取組を実施しております。来年度は、効果的な取組をさらに全県へと展開していくことで、より質の高い授業を実施できる環境を整えてまいります。

(日本一、子どもを産み育てやすい県)

次に、日本一、子どもを産み育てやすい県についてであります。

安心して結婚や出産、子育てができるよう、きめ細かな支援体制の構築などの環境づくりが求められております。

そのため、結婚支援につきましては、会員の減少等が進む「いばらき出会いサポートセンター」において、登録会員数及び成婚数の増加を図るため、新たにスマートフォンからも利用できるAI機能を搭載したマッチングシステムを導入し、結婚を望む方々の希望が叶えられるよう支援を強化してまいります。

また、不妊治療が保険適用となるまでの間、現行の助成措置を大幅に拡充するとともに、不育症に係る検査費用の自己負担を軽減する助成制度を創設し、出産を希望する方々を支援してまいります。

児童虐待につきましては、相談対応件数が年々増加の一途をたどり、重篤な児童虐待事件も後を絶たないなど、深刻な社会問題となっており、また、コロナ禍においては生活不安やストレスによる虐待リスクのさらなる高まりが指摘されております。このため、虐待事案に一層迅速に対応できるよう、児童福祉司等の専門職の計画的な確保や、経験年数に応じた階層別の研修等により専門性の向上を図るなど、児童相談所の体制を強化してまいります。

(学び・文化・スポーツ・遊びを楽しむ茨城)

次に、学び・文化・スポーツ・遊びを楽しむ茨城についてであります。

県内5か所の生涯学習センターにつきましては、これまでの趣味・教養を中心とした講座の提供に代わり、多文化共生や中心市街地活性化など、地域が抱える課題の解決に取り組む人材の育成や、多世代交流の拠点としての機能を強化してまいります。

県陶芸美術館につきましては、開館から20周年を記念し、来年度、国内外から、ジャンルを問わずあらゆる形の陶磁器の出品を募る「笠間陶芸大賞展」を開催することといたしました。今後とも、魅力ある企画展の開催や美術普及活動の一層の充実などに取り組み、多くの皆様に親しまれる美術館を目指してまいります。

茨城国体のレガシーを活かしたスポーツ選手の強化につきましては、本県から国内外で活躍するトップアスリートを輩出していくため、今年度、ジュニア世代に重点を置いたアスリートの発掘、育成をスタートさせたところでありますが、来年度からは、大学やプロスポーツチーム等との連携を強化し、選手の発達段階に応じた育成プログラムを計画的・継続的に実施することにより競技力の向上に努めてまいります。

(人権を尊重し、多様性を認め合う社会)

次に、人権を尊重し、多様性を認め合う社会についてであります。

昨年11月にオープンした「ダイバーシティ推進センター」につきましては、茨城県男女共同参画基本計画の改定にあわせ、男女共同参画推進のための拠点として新たに位置付けるとともに、誰もが個性と能力を発揮し、あらゆる分野で活躍できる人材の育成と活動支援に取り組んでまいります。

いじめ対策につきましては、SNSを活用した相談窓口の開設期間を大幅に拡充し、365日通年で開設するなど相談体制の充実を図り、いじめの未然防止と早期対応を図ってまいります。

また、不登校の児童生徒の学習等を支援するため、新たに県内のフリースクールの運営費補助を行うとともに、経済的な事情のある世帯に対し授業料の一部を支援し、児童生徒の社会的自立や社会参加を促進してまいります。

第5は、新しい夢・希望についてであります。

(魅力度No.1プロジェクト)

まず、魅力度No.1プロジェクトについてであります。

昨年の都道府県魅力度ランキングにおきましては、7年連続の最下位から5ランクアップし42位となり全国的に大きな話題となりました。多くの挑戦により本県の潜在能力が改めて証明され、本県の評価は着実に変わってきていると考えております。

この流れをより一層加速するとともに、コロナ禍で厳しい状況にある県産品の販売促進と観光需要の回復に向け、県産品を紹介・お取り寄せできる番組を制作し、首都圏に向け放送するほか、観光資源をテーマとしたPR動画をSNS等で発信するなど、集中的なプロモーションを展開してまいります。

また、県アンテナショップ「イバラキセンス」におきましては、メディア向け試食会やオンラインを活用したイベントなどによる情報発信に加え、新たに開設したオンラインストアでの販売を強化するなど、県産品の購入やコロナ収束後の来県に結びつくプロモーションに積極的に取り組んでまいります。

(世界に飛躍する茨城へ)

次に、「世界に飛躍する茨城へ」についてであります。

県内企業の海外展開を推進するため、新たに設立した「いばらき中小企業グローバル推進機構」を中心に、ジェトロ茨城などとの連携を図りながら、オンラインと対面での営業を組み合わせ、有望な市場やバイヤーの発掘から商品開発、商談成約までを総合的に支援してまいります。

特に、本県の農産物輸出を牽引するコメとかんしょにつきましては、さらなる輸出拡大に向け、新たな販路開拓が期待される国・地域でのテスト販売などを行い、商流構築に向けた挑戦を進めてまいります。

(ビジット茨城~新観光創生~)

次に、ビジット茨城についてであります。

2020年上半期の観光入込客数は、前年同期比で約41パーセントの減と大幅に落ち込み、また、県の宿泊状況調査でも、直近1月の宿泊実人数は前年同月比で、約49パーセントの減と依然として厳しい状況が続いております。そのため、今後の感染状況を見極めながら、県内宿泊促進事業「めざせ日本一」割の予約販売の再開を検討するとともに、ウィズコロナ時代の観光としてニーズの高い「キャンプ」や「サイクリング」などの環境整備を進めることなどにより、観光需要の回復を目指してまいります。

また、県内での滞在時間の延長や消費機会の増加等による観光消費の拡大を図るため、フラッグシップとなるホテル等に加え、集客力の高い常設型の観光施設の誘致に取り組んでまいります。

ひたちなか大洗リゾート構想につきましては、滞在型観光を中心とするリゾート地として、富裕層等をターゲットにしたコンテンツを開発するための市場調査などを実施し、当エリアのブランディングを図ってまいります。

一方、国際観光・インバウンドにつきましては、現在海外からの入国制限が続いている状況にありますが、オンラインによる商談会やSNSを利用したターゲティング広告など、解除後を見据え、デジタルツールを活用して茨城の魅力を積極的に発信してまいります。また、朝型・夜型の特別ツアーの造成やゴルフツーリズムの推進など、茨城ならではのコンテンツを活かした滞在型観光を促進し、コロナ収束後の訪日旅行の滞在先として本県を選んでもらえるよう、着実に準備を進めてまいります。

(東京オリンピック・パラリンピックの開催準備)

次に、東京オリンピック・パラリンピックの開催準備についてであります。

新型コロナウイルス感染症の影響により1年延期となりました、東京オリンピック・パラリンピックが本年夏に開催されます。

茨城カシマスタジアムで行われるサッカー競技につきましては、7月22日からの開催が予定されておりますが、会場県として、感染症対策に万全を期し、安心・安全な大会として開催できるようしっかりと準備を進めてまいります。

また、ホストタウンや事前キャンプ地における感染症対策につきましては、新たに設置する「茨城県ホストタウン等新型コロナウイルス感染症対策基金」を活用し、市町村等における取組をしっかりと支援してまいります。

(活力を生むインフラと住み続けたくなるまちづくり)

次に、活力を生むインフラと住み続けたくなるまちづくりについてであります。

県内のスマートインターチェンジにつきましては、つくば市内の圏央道と、つくばみらい市内の常磐自動車道で整備が進められているところでありますが、昨年10月、北関東自動車道の「(仮称)笠間PAスマートインターチェンジ」が新たに準備段階調査箇所に採択され、新規事業化に向けた検討が開始されました。

引き続き、国等に対し、県内スマートインターチェンジ整備の早期実現とともに、東関道水戸線の未開通区間の整備や圏央道の4車線化を強く働きかけ、県内高速道路ネットワークの充実と利便性向上を図ってまいります。

港湾事業につきましては、今月20日、茨城港常陸那珂港区において、新たに水深12メートル岸壁の供用を開始いたしました。これにより、貨物の取扱能力が増加し港湾の利便性がさらに向上することから、引き続き、茨城の港の優位性を広くPRしながら、新たな貨物の集荷や航路の充実に取り組んでまいります。

茨城空港につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、国内線・国際線ともに、全便の運休が続いておりましたが、国内4路線が来月1日から運航再開する予定となりました。今後も、空港アクセスバスの支援等により空港の利便性を高めていくとともに、観光情報の発信や空港利用の特典付与などを行うスマートフォン向けアプリの開発などにより、空港の利用促進に努めてまいります。

(県北地域の振興)

次に、県北地域の振興についてであります。

県北地域における地域課題の解決等を図るため、起業型の地域おこし協力隊を大幅に増員するとともに、地元関係者との関係構築などをサポートするマネージャーを配置し、地域おこし協力隊の定着を促進することにより、地域の活性化を図ってまいります。

また、多様な地域資源をハイキング道などでつなぐ「茨城県北ロングトレイル」につきましては、先般、ロゴデザインの発表と専用ホームページを開設したのに続き、来月28日には、大子町における一部区間の開通に合わせ、イベントの開催を予定しております。引き続き、地域の皆様とともに日本有数の距離を誇るロングトレイルコースを目指し整備を進め、新しい滞在・体験型のツーリズムを推進してまいります。

令和元年東日本台風により、袋田駅から常陸大子駅間で不通となっておりました水郡線につきましては、来月27日に全線で運転を再開することが決定いたしました。沿線地域の方々にとりましては待望の運転再開であり、早期の復旧にご尽力いただいたJR東日本をはじめ関係者の皆様に心から感謝を申し上げます。今後も、地元市町などと連携し、開通記念イベントの開催をはじめ、沿線地域の魅力発信や誘客に向けた取組を行いながら、一層の利用促進に努めてまいります。

(第4例その他)

次に、条例その他について申し上げます。条例は、改正するもの22件、廃止するもの1件、合わせて23件であります。

一部改正を行う条例は、先に申し上げました県立医療大学付属病院における診療体制の充実を図る「茨城県職員定数条例の一部を改正する条例」及び、組織改正に係る「茨城県行政組織条例の一部を改正する条例」などであり、廃止するものは「つくばみらい都市計画事業伊奈・谷和原丘陵部一体型特定土地区画整理事業施行規程を定める条例を廃止する条例」であります。

条例以外の議案といたしましては4件で、「包括外部監査契約の締結について」などであります。

以上で、提出議案等の説明を終わりますが、なお詳細につきましては、お手元の議案書等により御審議の上、適切な御議決を賜りますようお願い申し上げます。

 

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