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更新日:2022年1月4日

令和4年年頭の知事訓示

令和4年1月4日

皆さん、新年あけまして、おめでとうございます。

年末年始はゆっくりと休み、英気を養っていただけたでしょうか。

昨年は、コロナに始まり、コロナに暮れた1年でありました。

特に、デルタ株など感染力の強い変異株が猛威を振るい、かつてない感染の波となった第5波では、国内において、過去最多となる1日あたり2万5千人を超える新規陽性者数を記録するとともに、地域によっては適切な医療を受けることができず、自宅療養中に亡くなる方が出るなど、日本全体が未曽有の危機に直面いたしました。

そのような中、本県では、刻々と変化する感染状況を常に客観的に把握し、県独自の対策指針「茨城版コロナNext」に基づき、国からの指示や方針を待つことなく、先手、先手で必要な対策を講じてまいりました。その結果、医療崩壊を何とか食い止めるとともに、自宅療養者が適切な医療を受けられずに亡くなるという事態は避けられたところであります。

また、本県は、企業誘致での大型案件の決定、中高一貫校などの県立高校改革、民放キー局との関係強化による茨城県の露出強化など、新型コロナ対策以外の様々な分野でもその取り組みを進化させ続けてきました。どんな状況にあっても、現状に満足せず、常に新しいことに取り組む姿勢を貫けたことは、非常に大きな成果だと思います。

新型コロナによるパンデミックと、国際的な気候変動問題への取り組みは、世界に不可逆的な変化をもたらそうとしています。さらに大幅な労働人口の減少が始まっている日本の地方自治体は、正に非連続の変化の時代を迎えようとしています。皆さん、これをどう受け止めるでしょうか? 私は、またとない好機が来つつあると考えているのです。

10年後、20年後の人口減少した社会を見据え、今から企業誘致や農産品のブランド化、海外展開などで産業の収益力を高め、県有資産を整理しその有効活用を進め、人材や医療など将来の社会の基盤となるものへの大胆な改革と投資を行うことにより、社会福祉を将来にわたりしっかり維持すること。これが大井川県政の本質です。

その時のポイントは、いかに自分たちを差別化できるかなのです。変化のない時代に難しかった他者との差別化も、変化の時代には大きくその可能性が広がります。要はやりようです。

今年は、私の知事としての2期目の政策を具体化する最初の年となります。知事就任以来、「これからの10年間」で茨城の未来が決まると申し上げ、「挑戦」「スピード感」「選択と集中」という3つの基本姿勢を県庁全体で共有しながら取り組み、1期4年の間に、しっかり成果を出すことが出来たものと考えております。

今後の県政運営に当たっても、その方向性を変えることなく、「いばらきの底力」を活かした改革路線のもと、これまで進めてきた取組をさらに推し進め、「活力があり、県民が日本一幸せな県」の実現に向け、取り組んでまいりたいと思っております。

そのため、現在、今後の4年間の県政運営の新たな基本方針となる県総合計画の策定を進めているところでありますが、ポストコロナにおける「新しい茨城」づくりに向け、「新しい豊かさ」「新しい安心安全」「新しい人財育成」「新しい夢・希望」の4つのチャレンジを常に進化させながら加速していくとともに、カーボンニュートラルへの対応やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進、多様性を認め合う社会の実現など、将来を見据えた中長期的な課題にも、積極的にチャレンジしてまいりたいと考えております。

予測困難な「非連続の時代」に何をすべきか。私は、その処方箋となるべきものは、機会があるごとに皆さんにお伝えしてきた、3つの基本姿勢を徹底することに尽きるのではないかと考えております。

1つ目は『失敗を恐れずに果敢に挑戦すること』です。

変化の時代、他者との差別化ができた自治体が生き残るのです。そのためには、これまでの常識を疑って、これまでと発想を大きく転換していくことも必要です。

先が読めないこれからの時代、失敗を恐れず挑戦していかないと、新しい道を切り拓いていくことなどできません。

また、挑戦するにあたっては、常識的な目標を設定していては、差別化はできません。より高い目標をゴールにしていくことも大切です。一見無理に見える高い目標達成に向けて、何をすればいいのかゴールから逆算して今やるべき政策を考えることで、それまで無理と思われていたことが実現できるようになるのです。特に若い職員の皆さんには、是非早いうちにこのような壁を打ち破る経験をしてもらいたいです。

2つ目は、『スピード』です。

石橋を叩いて渡るような仕事の仕方では、他の自治体と差別化など図れません。世の中に100%はありません。大事なのは、たくさん試して、たくさん失敗から学ぶことです。それにより、他の人が見つけられない新しい道を見つけ、あるいは作ることができるのです。そのための「スピード」です。皆さん予算通りに1年単位でしかものを考えない習慣は、直ちに捨ててください。失敗することは決して悪いことではありません。失敗を恐れるあまり、前例踏襲以上のことを何もしないことが最も有害です。新しい挑戦には失敗がつきものです。そこから学ぶため、どんどん試行錯誤していきましょう。

3つ目は、『選択と集中』です。

広く薄く、全方位に取り組む、いわゆる八方美人になれば、周囲からの批判は出にくくなりますが、一方で、十分な時間や資源を全てに割くことができないため、検証可能な実績を作ることは難しくなります。その取組が上手くいっているかどうかの評価は、非常に難しくなってしまうのです。

後で検証して、政策の改善点を見つけるためには、しっかり自分たちの頭で考えた仮説を立てて、政策の究極の目的や優先順位を明確にしておくことが大事なのです。そして優先順位の高いものにしっかりと集中し、短期間で成果を出せるようにしなければなりません。同時に限られた資源を有効活用するために、優先順位の低いと考えたものは思い切ってやらない決断をすることがとても大事になるのです。

そうすれば、短期間で検証可能な結果を出すことが可能になり、それにより、自分たちの仮設のどこを見直すべきか、非常に建設的な議論ができるのです。

以上、この3つの基本姿勢をしっかりと皆さんと共有し、実施していくことが大切だと考えております。

これまで、3つの基本姿勢のもと、先駆的な業務や困難な業務に取り組み、頑張っている人をしっかりと可視化し、評価することも力を入れてきました。「職員表彰」という形で、これまでに延べ500人の表彰をしてまいりましたが、皆さんが着実に変わってきていることを実感しております。

今後とも、皆さんが、私が「あっ」と驚くような取組に、スピード感をもってチャレンジし、期待を上回る結果を出していただくことを、心より期待しています。

茨城県が、横並び、前例踏襲から脱却し、その潜在能力を活かし、自ら未来を切り拓ける県として成長していけるよう、皆さんとともに頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします。 

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