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更新日:2019年2月20日
この資料は,県政記者クラブとの記者会見における知事の発言内容を要約したものです。
記者会見の動画は,こちらから視聴いただくことができます。
・県立高等学校改革プラン・実施プランⅠ期(第1部)について(1)
・多子世帯保育料軽減事業(第3子以降の保育料無償化)について
・県立高等学校改革プラン・実施プランⅠ期(第1部)について(2)
・県立高等学校改革プラン・実施プランⅠ期(第1部)について(3)
・東海第二発電所の新規制基準適合性審査等の結果に係る住民説明会について
(作成:報道・広聴課)
平成31年2月20日(水曜日)
11時20分~12時4分 庁議室
毎日(幹事社):幹事社の毎日新聞です。よろしくお願いします。
本日は,知事から予算等に関する発表事項があるということですので,よろしくお願いします。
知事:それでは,茨城県の平成31年度当初予算案について,スライドを使いながらご説明させていただきます。
まず,予算編成の基本方針でございますが,総合計画の基本理念である「活力があり,県民が日本一幸せな県」の実現に向けて,4つのチャレンジを推進するという基本的な枠組みに変更はございません。
その中で,平成31年度は,これまでにまいた種から出た芽を大きく育てる年,施策の効果をきめ細かく分析し,必要に応じて,内容の見直しや新たな取組を実施していくという考え方で,「新しい茨城づくり」への挑戦を加速させる予算編成という方針のもとに組ませていただきました。
一般会計の予算額ですが,1兆1,357億1,300万円ということで,対前年度比2.2%増,東日本大震災の関連部分を除きますと3.2%増ということになります。
大きな4つの柱のもとに概要を説明させていただきます。
まず,「新しい豊かさ」へのチャレンジでございます。
これまで,全国のトップレベルの本社機能誘致補助制度を創設し,7件を補助対象として決定させていただきました。非常に順調な成果が出てきたものと考えています。
そのほか,農業においても,100ヘクタール超の水稲経営体を育成するということで,当初3地区だったものを5地区に拡充し,取組を進めております。こちらも非常に順調に進んでいるものと考えています。
それらに加えて,来るべき人材不足と外国人材の活用という時代を見据え,県内の人手不足解消に向け,外国人材確保に向けた新しい政策に着手する予定です。外国人材と県内企業との橋渡しや,あるいは,外国人材に今後日本の中で茨城が選ばれるか,そういう環境づくりを実施するための事業を計上させていただきました。
そのほか,本県の農産物をトップブランドに育成するため,選択と集中ということで,来年度,梨の「恵水」と豚肉の「常陸の輝き」を選んで,これらを全国のトップブランドに育成するための事業を試みます。これにより,成功体験をつくることによって,他の品目に横展開していくということを狙っているものです。
県北地域に付加価値の高い有機農業の大規模モデル団地を整備するということもこの「豊かさへのチャレンジ」の中で検討しています。この後,県北振興策というお話もさせていただきますが,その中でも位置づけられるもので,県北地域で付加価値の高い産業をつくっていくため,モデル団地の整備,あるいは生産技術の向上を支援しながら,有機農業という付加価値の高い農業を県北で大規模に進めていく準備をしていきたいと思っています。
その他,昨年発表いたしました宇宙ビジネス創造拠点プロジェクトのさらなる拡充,さらには,インキュベーション施設を充実することによるつくば周辺でのベンチャー企業の誘致活動の拡充,それから,ターゲットを絞り込んで,県産品の海外への販路拡大,アメリカ,その他への拡大,そういうことも進めていく予定です。
次に,「新しい安心安全」へのチャレンジです。
これについては,医療問題,医師不足問題を最重点課題と位置づけました。最優先の病院診療科ということで,これまで,必要医師に17名を選定して重点対策を講じてきたところです。これまでに4名の医師を確保することができましたが,さらにこの事業を進める必要があると考えています。
さらに,がん患者の療養生活,社会生活などをサポートするためのウィッグ購入等の支援は引き続き実施していく予定でございます。
それに加えて,昨年の県議会で表明させていただきましたが,来年度,精神障害者に係る医療費助成の対象を拡充します。精神障害者の保健福祉手帳1級の保持者も新たにこの助成の対象ということにさせていただきます。
それから,地域のことは地域で解決する新たな「茨城助け合い運動」の展開ということでございます。(私が知事)就任当初に,目的意識のはっきりしない細かな補助金ということで廃止したNPO支援等の補助金でございますが,今回はしっかりとした地域課題の取組を選定し,活動経費についても,複数年かつ100%補助することによってモラルハザードが起きないように,自分たちにも負担をしてもらうという形にして,しっかりとした事業として根づくような形で,茨城の中での共助の機運を盛り上げていければと考えています。
次が,ソフト・ハードを組み合わせた「治水・浸水被害対策」です。災害が今までの想定を超えるような規模に進んでいる事態が非常に多発しております。そのため,災害を防止するための堤防等の施設整備の重点的な推進はもちろんですが,さらに減災の観点から,インフラに頼らずに,インフラ以外にもソフト的な対応ということで,マイマップやマイ・タイムラインの作成を,特に被害が想定される地域,緊急性が想定されている地域に,県自ら市町村と一緒に推し進めることによって,いざというときの備えを万全にしていく事業を推進いたします。
そのほか,県立高校に医学部コースを設置するための予算,それから,ICTの活用による遠隔医療の推進の予算も引き続き計上させていただきます。
次に,「新しい人財育成」へのチャレンジです。
今年度,中高生80名に,トップレベルの英語,プログラミングの学習の機会を提供する事業を始めたところでございますが,次世代グローバルリーダーの育成事業,プログラミングエキスパート育成事業,それぞれ非常に優秀な生徒が出てくる,あるいは,全国的な規模の大会に出場するという形で成果が少しずつ見えてきているところでございます。これも引き続き推進していきます。
その他,子どもが入院した場合の医療費助成の対象を高校3年生まで拡大していくことは引き続き行っていきますが,来年度,さらに少子化対策のために,多子世帯の子育て支援の充実・拡充を行いたいと考えております。第3子以降,3歳未満の保育料について,所得制限を撤廃して,完全な無償化を実施できればと考えております。
その他,中高一貫教育校を各地域に設置し,県立学校での学びの質を向上させたいと思います。高校受験が無い中高一貫校の実施は,既に日立,並木,古河等で実施されているわけですが,それぞれ非常に良好な結果が出てきております。それを踏まえて,スピーディーな形で,今後,2020年度以降,中高一貫校を10校ほど県内に設置していきたいと考えております。それによって,教育の質を,3年ごとに受験に追われるのではなく,より豊かな教育,より社会に役に立つ人財を育成する,そういう学びの質の向上を実現したいと考えております。
3つ目が,子どもたちが変化の激しい時代を生き抜く力を養成するということで,今年度からも少し始めておりますが,高校生が自らの課題を発見し,解決していくようなプログラムを推進していきたいということで,「IBARAKIドリームパス事業」を来年度から本格的に実施していきます。
その他,いじめが非常に社会の大きな問題となっています。SNSの相談窓口を活用する方法について,実証研究を来年度実施したいと考えています。
本県の外国人児童生徒も,多国籍化し,人数も増えてきているということで,さらに将来,外国からいらした方々との共生ということも踏まえて,そういう児童に対する日本語指導体制の整備も,来年度,強化をして実施していきたいと考えています。
次に,「新しい夢・希望へのチャレンジ」でございます。
バーチャルユーチューバーの「茨ひより」を活用したり,いばキラTVチャンネルで登録者が2万人増加するなど,PRのいろいろな工夫によって成果を上げてきました。さらには,アンテナショップ「イバラキセンス」をオープンさせて,茨城の農作物をはじめとしたいろいろな商品のイメージを変えることも努力してきたところでございます。
さらに,それに加えて,来年度,第74回国民体育大会,それから,第19回全国障害者スポーツ大会の開催にあわせて,全国初の都道府県対抗eスポーツ大会を開催するための費用を計上させていただきました。
それに加えて,石岡にあります県のフラワーパークですが,ここを国営ひたち海浜公園のネモフィラに並ぶ「花の聖地」という形で,民間企業のアイデア,経営感覚を十二分に活用しながら,大規模なリニューアル改修をしていきたいと考えています。
それから,アクアワールド大洗を夜型観光の牽引役に資するために,夜の生き物の生態等を展示するなど,夜間でも楽しめる水族館に変身させるための事業も計上しております。
その他,在京キー局のテレビCM,メディアを活用した魅力発信の強化,さらには,地域の特色を最大に生かしたサイクルツーリズムを全県的に推進するというプランも来年度から推進していきたいと考えております。
知事:次に,「県北振興チャレンジプラン」について発表させていただきます。
総合計画における地域づくりの基本的な考え方に基づき,地理的・地形的に条件が不利な6市町,日立市,常陸太田市,高萩市,北茨城市,常陸大宮市,大子町を対象として,「ひたち臨海クリエイティブゾーン」と「奥久慈清流里山ゾーン」に分けて,茨城県北芸術祭にかわるものとして,平成30年度以降,重点的に取り組む政策パッケージを進めさせていただいたものでございます。
「ひたち臨海クリエイティブゾーン」では,ものづくり産業の集積を生かした産業拠点の形成を図ることでありますとか,若手芸術家による地域主体の創意工夫を生かしたまちづくりを図ったりですとか,あるいは,来年度以降,日立市かみね動物園にパンダの誘致を目指して,今後,市と協力し,政府とも連携しながら,誘致活動を推進していきたいと考えております。
さらに,「奥久慈清流里山ゾーン」では,意欲のある農業経営者の経営を支援し,観光と連携しながら,地域の特色・特性ある農林水産業を振興していこうということで,先ほど発表させていただきました有機農業団地の整備ということもございますが,それとあわせて,常陸牛の増産ということで,和牛の生産拡大のためのさまざまな施策,それから,畜産と有機農業の連携,牛ふん堆肥を活用した,地域循環型の畜産と有機農業との連携による新しい形の循環型の農業,あるいは,高収益型の園芸団地でありますとか,それから,天然アユを活用した観光産業の育成,それから,地域資源の掘り起こしのための人材の育成や,あるいは農業・農村体験モニターツアーなどの実施を考えております。
それから,体験型のツーリズムというのもこの里山ゾーンにおいては魅力的なメニューになるのではないかということで,サイクリングの中でも,特にヒルクライム,中上級者は必ずヒルクライムを好むと伺っております。そのヒルクライムの一大拠点ということで体制を整備したいと思っています。
それから,山間部での新たなリゾート地域としての可能性についても,調査・研究していく過程で,現在の基準では当てはまらないと思いますが,IRも含めた山間部でのリゾート構想も,将来的な可能性も含めて勉強していきたいと考えております。
広域的な取り組みとして,ガストロノミーをテーマとしたコンテストを実施する。その地域,地域の食材を通じた発信ということをコンテストを通じて行いたい。
それから,ロングトレイルということがまたブームになっていると伺っていますので,そういうコースも整備していきたいと考えています。
その他,起業者支援,あるいは東京圏に住んでいる方々との人的つながりを構築していくためのプロジェクトなどを行っていきます。
もちろん,県北地域高規格道路のようなインフラ整備もあわせて実施していくことが当然重要だと考えています。
知事:次が,「県立高等学校改革プラン」ということで,実施プランのⅠ期の第1部の内容についてご説明をいたします。
県立高等学校の改革プランは,地域の中の学校として,地域の人財を地域で育成するための高校,それから,新たな価値を創造する起業家精神を育成するための高校,そういうものを2020年から2026年までかけて実現していきたいというものでございます。
その中の第Ⅰ期,2020年度から2022年度までを第1部として,中高一貫校の設置を10校,順次開設していきたいと考えています。
中高一貫校ですが,2020年度におきましては,太田第一,鹿島,下館第一,鉾田第一,竜ヶ崎第一で,併設型の中高一貫教育校を開設したいと考えています。
その後,2021年度に,水戸第一,土浦第一,それから勝田,その勝田の場合は併設校ではなくて中等教育学校になります。2022年度には,最後,水海道第一と下妻第一,それぞれ併設校として中高一貫教育校を設置するということで,魅力ある学校づくりを全県的に推進していこうと考えております。
中高一貫教育設置の狙いと取組ですが,まず,狙いとしては,豊かな人間性と起業家精神を兼ね備えた地域のリーダー・世界に飛び立つ人財を育成していくためのものです。詰め込み教育なり,そういう負担をなるべく減らしながら,時間的なゆとりのある中で,しっかりとした人間性を育んで,新しいものにチャンレンジしていくという起業家精神を兼ね備えた人財を育てていければと考えています。
中高一貫教育校での特色ある取り組みとしましては,地域の中での学びとして,探究活動,国際教育,科学教育などに重点を置いた教育でありますとか,6年間を計画的に活用することで,継続的にさまざまな特色のある教育ができるものと考えております。
さらに,ICTを活用した特色ある取組も各校で展開したいと考えています。
続いて,県立高等学校の改革プランの推進及び中高一貫教育校の開設に向けた執行体制でございます。高校教育改革・中高一貫校開設チームを新設いたします。この体制のもとに,教育庁の中でしっかりと中高一貫校の開設をスムーズに実施するために,新しい体制を組んだものということでございます。
知事:次が,「多子世帯保育料軽減事業」です。
先ほど概要でもご説明しましたが,子育て家庭に対する保育料の軽減制度を拡充し,第3子以降の3歳未満児に対する保育料について,所得制限を撤廃することにより,完全無償化し,さらなる少子化対策の充実を図りたいと考えます。少子化が進む中で,第3子以降の子育ての負担が非常に大きいといわれる中,第3子以降のサポートを厚くすることによって,少しでも少子化問題に歯止めをかけたいというものでございます。
知事:次が,「偕楽園の魅力向上及び有料化」についてです。
日本の三名園の一つである偕楽園でございますが,年間100万人もの方々が訪れる偕楽園が県内随一の観光周遊拠点となるよう,歴史的景観の復元や休憩機能の強化,さらには,偕楽園本園と拡張部とのアクセスの向上など,魅力向上に取り組んでいきたいと考えております。
これらの実現に向け,県外のお客様からも一定のご負担をいただくなど,偕楽園本園の有料化について検討を進めたいと考えております。
フラワーパークは,およそ30ヘクタールの広大な敷地に,バラを中心とした花と緑の公園として,昭和60年に開園したところでございます。現在に至り,施設が老朽化したこともあって,年間の入園者数は17万人と,ピーク時の半分以下となっております。
この状況を打開するために,平成31年度から2カ年かけて施設の大規模な改修を行い,フラワーパークを茨城の顔となるような新たな観光拠点にしていきたいと考えています。
具体的には,体験型ワークショップ施設の整備や,新しいロゴデザインの制作,また,ローズガーデンなど植栽レイアウトの大幅な見直しを行うとともに,県産食材を提供するレストランを新設するなど,思いきったリニューアルを行うことによって,事業費は2カ年で約18億円を見込んでおります。
今回の思いきったリニューアルにより,観光客の増加と地域の活性化,ひいては県全体の魅力向上につなげていきたいと考えています。
この構想は,県内各地の特色を最大限に生かし,全県的なサイクルツーリズムを推進していくための考え方や方策などを取りまとめたものです。「サイクリング王国いばらき」の実現を目指していこうとするものでございます。
構想のポイントは3つございまして,一つは,ターゲットを明確にした上で,セグメントに応じた施策を展開していくことです。さらには,県だけでなく,多様な主体と役割分担のもと,相互に連携しながらこの構想の実現を図ってまいります。
2つ目のポイントは,ご覧の4つの視点から,「奥久慈里山ヒルクライムルート」や「大洗・ひたち海浜シーサイドルート」など4つのモデルルートを設定してまいります。
3つ目のポイントとして,サイクルツーリズムを推進するため,誘客の仕掛けなど4つの取り組みを展開します。
県といたしましては,今後,本構想などに基づき,さらなる観光誘客,地域の活性化を進めてまいりたいと考えています。
今回の組織改正は,平成30年度の改正と同様,職員が新たな発想で積極的に挑戦することができる組織体制,スピード感のある事務執行体制,「選択と集中」によるメリハリのある組織体制という3つの基本的な考え方に基づき実施いたします。
改正のポイントとしてお伝えしたいのは,中央児童相談所の独立設置でございます。これは,近年増加している児童虐待相談に迅速に対応するためのもので,現在,福祉相談センター内で処理している児童相談業務を分離し,独立して中央児童相談所を設置することにいたします。
なお,本件は,茨城県行政組織条例の改正事項になりますので,今月開会予定の県議会で提案する予定でございます。
組織改正は,以上でございます。
私からの発表は,以上です。
ただいまの発表事項に関して,まず,幹事社のほうから質問させていただきます。
まず,新年度の予算編成の特徴を一言であらわすと何予算と表現できるのか,キャッチコピー的なものを言っていただければと思います。よろしくお願いします。
知事:昨年度もそうだったのですが,選択と集中による,メリハリのきいた予算だと思いますので,どういうキャッチコピーにするか,お任せいたします。
知事:北関東で最大規模を誇る日立の「かみね動物園」にパンダを誘致することによって,その価値を再発見していただくきっかけになるのではないかという狙いがございます。
首都圏では上野動物園がありますが,非常に混雑しているということと,全国的に見ると,上野以外にも,和歌山県をはじめとして複数ございますので,首都圏に近い「かみね動物園」に誘致することによって,パンダを含めた動物を見ることができる施設ということで,特に,日立市をはじめとする県北の振興に大きく寄与するのではないかなと思っています。
最近,特に,動物園というのは,動物の移動なども非常に厳しくなっておりますので,維持していくというのは非常に難しくなっておりますが,その中でも,かみね動物園というのは有数の規模を誇るところでございますので,そこの価値をもっともっと生かしていきたいという狙いです。
毎日(幹事社):偕楽園なのですが,有料化による施設改修による魅力と,無料であることによる魅力というのがあると思うのですが,その辺,両天秤にかけた上での判断だと思うのですが,有料化を判断した理由について伺えればなと思います。
知事:本園部分も拡張部分も含めて,特に,これから社会が高齢化していく中で,アクセスについていろいろ検討を要する部分があるのではないかなと。特に坂道が多いと,高齢者の方々が行くことはなかなか難しいという状況になって,今のままですと,偕楽園の魅力を十分見ていただけない可能性が高くなるのではないかなと思います。
その偕楽園を,茨城県の観光資源の魅力随一の場所としてもっともっと輝いてもらうためにも,ここは,実際に来園していただく方々にある程度のご負担をいただき,その費用を原資として,県の費用も投入して,魅力の向上に努めていく必要があるのではないかと思っています。
毎日(幹事社):県外者に限るのは,受益者負担とかその辺の。
知事:基本的に,県外,県内どちらの方にも受益者負担をいただこうとするものなのですが,もともと創設した方々の思い,偕楽園という名前をつけて,どなたでも楽しむことができる公園としてつくったという思いをある程度勘案しながら,県内の方々については,県民として税負担を通じてこの偕楽園に対する負担をされているということもございますので,まず,来年度については,県民の方は無料を維持したまま,県外の方にそれほど多くない金額でご負担をお願いしたいと思っています。
知事:専門家の方々にお聞きしても,「恵水」,「常陸の輝き」,それぞれ非常に特長があって,非常に評価も高かったということもあって,とりあえずこの2つ。ある意味,差別化を比較的図りやすいものについて,集中して,ブランドとしてどれだけ価値を上げることができるかということに挑戦していこうというものです。
毎日(幹事社):あと,県のフラワーパークなのですが,民間のアイデアを生かすということで,経営感覚とかアイデアですね。その仕掛けというのが何かあれば教えていただければと思います。
知事:企画の段階から,パーク・コーポレーションという青山フラワーマーケットなどを手がけている実績のある企業に全面的に参加していただきながら,県と市だけでは考えつかないような斬新なアイデアなどもいただきながら,フラワーパークのリニューアルを,今,準備中です。
そういうことなどを踏まえながら,今後も,運営も含めて,民間企業の活力を是非活用しながら,魅力が最大限発揮されるようなすばらしい場所にしていきたいと思っています。
毎日(幹事社):ありがとうございます。
では,各社さん,質問がありましたらお願いします。
知事:必要なものを絞って大胆に実施していくだけでございますので,私としては,過去1番ではなかったんだという思いなのですが,今,必要なときに必要なものを手を打てるということをしっかりとやっていきたい。
一方で,(通常)県債の発行残高を大幅に240億円ほど減らしたりということもやっておりますので,規模で云々ということではなくて,きちんとしたメリハリある予算編成だったかなと思っています。
また,県の予算規模にかかわらず,必要だと思えるものについて,タイミングが合うのであれば,思い切った予算編成を躊躇なく組んでいきたいと思っています。
読売:予算編成の満足度としては,知事としてはどれぐらいの点数なのでしょうか。
知事:全部このまま議会を通していただければという前提でお話ししますと,80点から90点はいくのではないかなと思います。
読売:わかりました。ありがとうございます。
時事:予算編成をする上で,県税の面とか,そういう不安材料とかありますでしょうか。
知事:県税の税収という意味では,今,非常に景気が上向いているおかげで上向いているわけで,好調を維持しておりますので,予算編成上の何らかの不安ということは特にないです。
○県立高等学校改革プラン・実施プランⅠ期(第1部)について(2)
知事:中高一貫教育については,実証実験を終えたというのが私の認識です。幾つかの高校で設置していまして,その実績も出てきていますので,その実証した結果が良かったということであれば,可及的速やかにその効果を最大限に発揮させるべく取り組みを進めるということでございまして,スピード感を持ってやるというのは,別に中高一貫校に限らず,私のモットーでございますので,最大限のスピードで整備するように教育庁にも指示したということでございます。それでこういう形になりました。
茨城:これまでは,中高一貫が4校ありますが,ここで打ち止めなのかなという思いもあったのですが,知事としてはそうではなくて,ここからさらに発展ということだったのですね。
知事:はい。
あともう1点なのですが,日立のパンダなのですが,そもそも誘致しようと思われたきっかけというものはどういうところにあったのでしょうか。
知事:私が,上野動物園以外にも,他に2カ所ほどパンダがいる動物園があるという事実を認識した時点から,かみね動物園にパンダを誘致するというのはあり得るのではないかなと考えておりましたし,その準備もしていたのですが,一方で,日立市長が県庁に訪れた際に,要望の内容の一つとして,是非,かみね動物園にパンダを誘致したいというお話をされていましたので,それを踏まえて,今回,誘致に手を挙げるという方針をとったところです。
茨城:そうすると,両者の思いがちょうどいいところで合致したということですね。
知事:そうです。
茨城:実現には,外交関係もあるでしょうし,難しい面もあると思うのですが,その部分で知事の意気込みというのは。
知事:先日,中国通でいらっしゃいます二階幹事長にもご挨拶をして,全面的にご支援いただけるというお話も伺いましたし,水戸で行われた日中友好協会の茨城の大会でも程永華駐日中国大使夫人もいらっしゃいまして,内々,この話もご存じで,是非応援したいというふうにもおっしゃっていただいているので,そういう人脈を駆使しながら,しっかりと進めていきたいなと思っています。
他にも,仙台,広島,沖縄などが手を挙げているというふうに認識しておりますので,そこに負けない努力をしていきたいと思っています。
就任1年目の会見のときにも,知事もPDCAが回っていくのが最も重要というような発言がありましたが,今回の予算では,そこら辺はどのように実現というか,実行されたか。また,職員にどれぐらいまで浸透しているかというところをお願いします。
知事:今回の予算編成に当たって,その内容なり規模なりはこれまでの施策のPDCAを議論した中から生まれてきているもので,きちんと県庁内での検討手順としても,今までやってきたことのチェックを踏まえながら,次のプランを考えていくという検討サイクルを行っておりますので,形式的にはそういうPDCAを回しながら次の施策を考えていくというのは,ある意味,制度化されているのかなと考えています。
知事:高校教育のさらなる充実ということをプランの中でさまざま考えていくわけですが,中高一貫というのはその一部でしかなくて,その他,新しいコースをつくるでありますとか,過疎化が進む中でも,他校と連携しながら,例えば,教育を行う,あるいは運動部の活動を行うなど,そういう学校側でのいろいろな自由度を増やすような改革を今後進めていくことによって,中高一貫かどうかではなく,どれだけ特色のある教育がそれぞれの学校でつくれるかということが大事だと思いますので,そういう教育の実現に向けて今後さらに努力をしていきたいと思っています。
読売:それを踏まえて,中高一貫校をきっかけに,県内全体の教育を盛り上げていくという意味合いがあると捉えてよろしいですか。
知事:そうですね。要するに,一番の問題は,普通科高校3年間という過去からやってきたことがそのままずっと変わらないでいる。それぞれ特色も出せないでいるということの方が逆に問題なのかと思いますので,それぞれの学校の考えにより,県立高校でも,もっと多様化が進み,中高一貫であるとか,それが3年間でも,非常に魅力的なコースがあるとか,教育の重点に特色があるとか,理念に特色があるとか,そういう多様化・差別化というのが今後必要になってくると思っていますので,そういうことに向けた努力というのをしていくのかと思っています。
知事:もちろん,簡単ではないですが,最終的に人口を維持し,あるいは増えていくというところが目指せれば,それは120%達成だと思うのですが,それ以前に,そもそも,今,産業としても,山間部などを中心になかなか魅力的な産業が育っていない。そのために人口流出が止まらないという状況をまず変えていくことが必要なのかなと。
そのためには,ポイントとしては,数年間に1回の芸術祭をやっていて,それで県北振興というのでは全く足りないのではないかという問題意識から今回のプランを取りまとめたものです。プランについては,PDCAを回しながら,どんどん必要なものについては変えていくということもあわせて考えたいと思います。
知事:というよりは,去年,なかなか見きれなかった部分を含めてやっていくうちに,まさにPDCAを回していく中で,これは本質的には重要ではないのではないかと思えるものについてはどんどん縮小して,本当に一番大事なところに予算なり資源を集中していくという過程の中で起きたことだと思っています。
読売:昨年11月に総合計画ができましたが,それにあわせる形で,今後,任期はあとまだ2年半以上あるわけですが,その中でもまた同じように進めていくという。
知事:そうですね。必要なものはどんどん選択と集中をしていく予定でございます。
読売:わかりました。ありがとうございます。
今回,新たに外国人材支援センターを設置して,受け入れの強化であるとか,生活相談だとか,日本語教育とか,そういったことをやっていくということなのですが,この狙いと,対象国をインドネシア,ベトナム,ミャンマーの主に3カ国を念頭に置いているということなのですが,この辺の狙いと,今後の受け入れ拡大に向けた展望などをお聞かせください。
知事:これからますます労働人口が減っていく中で,外国人材を活用した労働力確保ということは避けて通れない状況になってきていると考えています。その中で,ただ手をこまねいて,それぞれの企業なり当事者だけに外国人材も含めた労働力の確保を任せておける時代ではなくなってきつつあるという認識のもとに,県が先に手を打って,他の県がまだやっていないところも含めてどんどん手を打っていって,人材の確保,茨城を選んでもらうための下地を今後つくっていく必要があるのかなと思っています。
国を選んで協定を結ぶということも,今までお付き合いの長いベトナムと,インドネシア,ミャンマーという,特にミャンマーというのはこれからだと思っていますので,そういうところと先に手をつけていくことによって,これから,多分,全国で人材の獲得競争が起きると予想していますので,その中で茨城県が勝ち残っていくための準備をしていくため,少しでも早く手を打っていく,そういう狙いです。
東京:わかりました。ありがとうございます。
○東海第二発電所の新規制基準適合性審査等の結果に係る住民説明会について
それでは,幹事社から,発表以外の項目で,2点,質問させていただきます。
まず1点目は,17日に東海第二原発の安全対策に関する県内6カ所での住民説明会が終了しました。これまで住民から出された意見や質問の中で,原子力安全対策委員会のワーキングチームで検討する必要があると考える課題があればお願いします。
また,来年度,安全対策委員会の議論や広域避難計画のスクリーニングや複合災害等の対応などの課題が残っていると思いますが,それに関するスケジュール感などを教えていただければと思います。
知事:住民説明会では,さまざまなご意見を県民の方々からいただいたと認識しています。具体的な取りまとめはこれからになりますが,そもそも100%事故が起きないと言い切れるのかとか,あるいは,航空機やミサイルの衝突などのテロ対策の懸念でありますとか,あるいは地震対策,それから,近隣の原子力事業所の影響を過小評価していないかとか,さまざまなご意見が出されたと認識しております。
それらを踏まえて,今後,県と原子力規制庁とよくコミュニケーションしながら,県の中でも原子力安全対策委員会をきちんと行って,その問題をしっかり深堀りしていきたいなと思っています。
その他,残る課題,避難計画ですとかそういうことですよね。それについては,スケジュールありきではなく,粛々と,きちんと県民の皆様に提示できるような内容のものができるよう,しっかりと今後もじっくり取り組んでいきたいと思っています。
知事:面談の話は伺っておりますが,その中身については,私ども,まだ詳細を聞いておりませんので,それについてのコメントは差し控えます。
毎日(幹事社):その時期の見通しとかというのはあるのでしょうか。
知事:時期は調整中です。
毎日(幹事社):わかりました。ありがとうございます。
幹事社からは以上です。各社さん,お願いします。
よろしいでしょうか。
それでは,ありがとうございました。
知事:どうもありがとうございました。
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