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更新日:2019年6月24日
この資料は,県政記者クラブとの定例記者会見での発言内容を要約したものです。
知事定例記者会見の動画は,こちらから視聴いただくことができます。
(作成:報道・広聴課)
令和元年6月24日(月曜日)
11時00分~11時37分 会見室
読売(幹事社):幹事社の読売新聞です。よろしくお願いします。本日は,知事から発表事項が4本あるということですので,まず1本目の発表からよろしくお願いいたします。
知事:まず,平成30年度の農業関係の農産物の輸出実績についてご報告したいと思います。平成30年度の本県農産物の輸出を促進するために,意欲的な産地の掘り起こしや海外での県産品プロモーションの支援などに取り組んできたわけでございます。
私自身も,アメリカをはじめ,トップセールスを実施し,常陸牛などの販路開拓にチャレンジしてきたところでありますが,その結果,輸出額が青果物,コメ,常陸牛を合わせまして前年度比171%という高い伸びを示しているところでございます。合計5億4,600万円ということで,過去最高額を記録いたしました。
増加した要因ですが,青果物については,”かんしょ”と”なし”が青果物の輸出を牽引しております。また,前年度比163%の2億100万円と,初めて2億円を超えました。それから,かんしょについては,シンガポールやタイの日系量販店などにおいて,本県産かんしょを使用した焼き芋が大変評判です。前年度比220%と,1億2,100万円の輸出実績となっています。
なしについては,ベトナムでの継続的な試食販売の取り組みなどによって,前年度比129%と,5,990万円となっております。
また,コメですが,米国の現地日系量販店で本県産米の取り扱いが本格的に開始されたということもありまして,前年度比582%,8,500万円となっています。
常陸牛ですが,タイにおいては,平成29年から,大手食肉流通業者と連携した取り組みの強化や現地での販売促進活動等により,引き続き輸出量の伸びを見せておりまして,前年度比143%の2億6,000万円と,2億円を突破いたしました。額はまだまだ小さいですが,いろいろなチャレンジが実を結びつつあるということでございます。
もう一つ,今回の輸出増の結果を出した大きな要因の一つに,JA常総ひかりの非常に積極的な取り組みが実を結んだということがあるかと思います。JA常総ひかりでは,生産者,JA,行政が一体となって,平成25年度から輸出に向けた取り組みを本格的に開始し,平成29年度には,ベトナムがなしの輸入を解禁したのにあわせて,105トンの輸出を成功させ,平成30年には輸出量が150トンに達しています。このように輸出に取り組んだ結果,ベトナムでの日本産なしの市場シェアは約84%を占めたということです。
また,日本国内での同産地のなしの評価も非常に高まっていると。現地では韓国産と競合になっているのですが,茨城県産のなしは頭ひとつ抜きん出た品質ということで,高い評価をいただいていると伺っています。
また,カナダをはじめとしたメロンの輸出についても,JA常総ひかりは取り組んでおりまして,今年度はシンガポール向けに約25トンの輸出が予定されております。6月12日からは,シンガポールの現地日系量販店において,生産者や県と連携して試食販売を展開しており,販路定着に取り組んでおられます。
人口減少の中,本県農業が今後発展していくためには,輸出を含め,世界市場と戦えるようにしていくことは大変重要であるということと,その中で,JA常総ひかりの取り組みというのは非常に参考となる事例だということで,県内各所の他のJAにも是非参考にしていただきたいと思っております。1つ目は以上です。
読売(幹事社):まず,幹事社から質問させていただきます。先ほどからJA常総ひかりの取り組みについて出ていますが,こういったいわゆる結果を出している民間の団体について,県として,今後,新しいサポートの仕方でありますとか,それから,新たな協力体制とか,そういったもので何か考えているものがあれば教えてください。
知事:JA常総ひかりの取り組みに対しても,我々としては,まず輸出に適した栽培技術,向こうの検疫という壁がありますので,その検疫をクリアできるような栽培技術の指導とか,あるいは,現地での試食販売やPRの支援などをこれまで行ってきたところです。
こういう取り組みをさらに強化していくことは是非検討してまいりたいし,あるいは,JA常総ひかりのような取り組みを知っていただくことによって,自分たちもいろいろな工夫をすればできるのだということを,是非,県内の農業当事者の皆様にも知っていただけるような,そういうPRもしていきたいと思っています。
読売(幹事社):ありがとうございます。各社さん,質問がありましたらよろしくお願いします。よろしいでしょうか。そうしましたら,2項目めの発表をよろしくお願いします
知事:それでは,2項目めで,お手元に紙を配付させていただいておりますが,私のフランス訪問でございます。 エソンヌ県及びパリを7月2日から5日間の日程で訪問させていただく予定です。エソンヌ県とは,昨年10月,「茨城県とエソンヌ県との友好に関する協定書」を締結し,19年ぶりに交流を再開したところでございます。
今回の訪問の目的は,昨年,エソンヌ県議会の副議長にご訪問いただきましたので,今回は私がエソンヌ県を訪問し,両県間の交流推進計画の締結を行うとともに,エソンヌ県にある県営シャマランド園と偕楽園・弘道館との間における連携協定を締結する予定にしております。
また,エソンヌ県にあるパリ・サクレー大学からの要請で,企業関係者や大学関係者を対象として,本県の投資環境をPRするためのプレゼンテーションをする予定にしております。
また,パリにおいては,エソンヌ県にも近く,日本食への人気も高まっているということを踏まえて,今回,フランスの訪問の機会を生かして,ジェトロのご協力もいただきながら,本県産品のPRを実施する予定です。
加えて,我々の訪問時に,世界最大級のスタートアップ支援施設である「スタシオンF」で実施される「ホリエモン祭inパリ」が実施されるそうなのですが,その堀江貴文氏とジェトロパリ所長の片岡氏との3者での対談の実施の打診をいただきましたので,私もそれを受けて,3者での対談をしながら本県のPRを行う予定にしております。2つ目は以上でございます。
読売(幹事社):幹事社の読売新聞から質問させていただきます。シャマランド園と偕楽園・弘道館の連携協定なのですが,これは具体的にどういった連携を今後図っていくということで締結をされるのでしょうか。
知事:シャマランド園というのは古城が中心にあるのですが,造園技術に関する情報交換であるとか,あるいは,イベントの開催方法,さらには,お互いに持つ課題の解決や魅力向上を図っていく上での様々な意見交換を,今後行っていきたいと思っております。ちょうど偕楽園の魅力向上のプランをつくっているときでもありますし,非常に参考になるのではないかなと期待しております。
読売(幹事社):わかりました。ありがとうございます。各社さん,何かありましたらよろしくお願いします。よろしいでしょうか。そうしましたら,発表項目の3つ目の発表をよろしくお願いします。
知事(幹事社):3つ目が,性的マイノリティへの支援策についてでございます。4月の記者会見で申し上げました性的マイノリティへの支援策勉強会を,4月から6月にかけて,全体で4回開催したところでありますが,このたび,性的マイノリティの方への生活上の困難を解消するための支援策が取りまとまり,先日,報告書の提出をいただいたところであります。報告書では,県が独自にできる施策を,一つ,実態調査,二つ,教育・啓発,三つ,環境整備・支援策,この3つの項目で取りまとめていただきまして,県では,この勉強会の報告書を踏まえて,項目ごとに,ご覧いただいたとおり,「いばらきパートナーシップ宣誓制度」の創設をはじめとする各種施策について早期に実施したいと考えております。
「いばらきパートナーシップ宣誓制度」につきましては,都道府県レベルでは初めての取り組みとなります。この制度は,婚姻制度とは異なることを明確にした上で,一方,または双方が性的マイノリティの方が互いをパートナーとして,相互の協力により継続的に生活を共にしている,または共にすることを約束した旨を宣誓していただくものであります。
具体的には,お二人にそろって宣誓書等を県に提出いただき,県では,宣誓書の写し,受領証,受領カードを交付いたします。要件としては,双方が成年で配偶者がいないこと,近親者でなく,双方以外にパートナーシップの関係がないこと,県内居住などといたしております。
受領証を県営住宅の申し込みに利用するほか,県立中央病院での手術の同意などの際にもご利用いただけますし,また,今後,市町村やそのほか関係団体に協力を得ながら,受領証の利用先の拡大を図っていきたいと思っております。
受領証の交付までの手続き,流れでございますが,まずは事前相談として,電話やメール等で要件,必要書類等の確認のほか,宣誓日の日程調整を行うと。次に,事前に予約した日にお二人でそろってパートナーシップ宣誓書等を提出いただきます。提出書類としては,宣誓書,要件確認書,また,添付書類としては,住民票の写しと独身証明書を提出いただき,当日は本人確認書類としてマイナンバーカードや運転免許証をご提示いただくという形になります。書類等に不備がなくて,宣誓が適当と認められる場合は,事前に日程調整した日に宣誓書の写し等を交付いたします。宣誓書の写しには,A4サイズの受領証,またはカードサイズの受領カードのいずれか,または両方を添えて交付いたします。受領証,または受領カードは,お二人に1枚ずつ交付する予定でございます。性的マイノリティの支援策については,以上でございます。
読売(幹事社):幹事社の読売新聞から質問させていただきます。この制度をめぐっては,勉強会が6月上旬に報告書をまとめまして,いばらき自民党が,先週,緊急提言という形で意見を出されていると思います。パブリックコメント等を実施せずに,かなりスピーディな感じの実施となるわけですが,ここまで制度のスタートを急いだというか,早めた理由について改めて教えてください。
知事:自民党の緊急提言も踏まえて,今回,市町村との連携でありますとか,あるいは,パートナーシップの名称についても,パートナーシップ宣誓制度という形にしたとか,様々な配慮はさせていただいておりますが,いずれにしても,スピード感をもって取り組まなければならないというのは,この扱う問題が基本的人権に関わるものだからということでございます。人権を侵害するような差別,偏見というものにいち早く対処していくというのが行政の最大の務めであるという認識のもとに,スピーディな対応をしたということと,もう一つは,既に似たような取り組みを,都道府県レベルでは今回初めてですが,市町村レベルでは全国20以上の団体が取り組んでいると。その取り組んだ成果として,特段大きな問題というのは今までのところ報告されていないということなども踏まえて,これはスピーディに行ったことのメリットに対して,デメリットは非常に少ないということで,メリットの方が非常に大きいという判断をして,今回,スピーディな対応をとらせていただきたいと思っています。まずはこれでスタートして,問題点がもし今後出てきた場合には,どんどんそれに対して対応を変えていくということで,立ち止まるのではなく前に進んでいくことの方が,扱う問題が人権であるだけに,重要なのではないかなという考えに基づいて,今回やらせていただきたいと思っています。
読売(幹事社):もう1点お願いします。実際にこれを制度としてやるのは県ですが,いろいろな対応をするのは市町村で,いろいろな問題が持ち込まれたりだとか,あるいは混同されるケースがあると思うのですが,市町村との連携については,あと1週間で制度開始ということですが,何か図られているのでしょうか。
知事:7月に実施する前に,市町村の担当課長,あるいは,各市長会,町村会にも,内々には実は説明させていただいているのですが,正式にきちんと説明する場を設けていきたいと思っています。
また,特に,相談窓口とか様々な施策はそれぞれのレベルでやったらいいと思いますし,パートナーシップ宣誓制度をどう使うかというのは,その使う側が今後どういうふうに広がっていくかということですが,これは一気に広がらなくてもいいと思っているのです。まずは県営住宅や県立中央病院で始めます。あるいは,積極的な市町村では,いち早く我々の説明を聞いていただいて,市立の病院であるとか,あるいは市営の住宅とか,そういうところに対応していただけると思いますが,これを使っていかに茨城県の中で各自治体,県のレベルであっても,市町村レベルであっても,性的マイノリティの方々が胸を張って自らのアイデンティティにきちんと誇りを持って生きていけるような環境をつくっていくかというのは,これからの取り組みにかかっているのかなと思っていますし,この制度をつくることは,まずはスタートラインに乗ったということなのかなと思っています。
読売(幹事社):ありがとうございます。各社さん,お願いします。
NHK:2月議会のときにも大きな議論になったわけですが,当初計画されていたものと名称等は変わりましたが,やり方について何か変更された点,あるいは議会等の議論を踏まえてそこを取り入れた点等あったら教えていただけますでしょうか。
知事:なかなかこの問題,今まで茨城県の中でも議論されたことがほとんどなくて,議会の先生方も含めてあまりなじみのない問題であったものですから,まずは誤解が生じたのかなと。特に結婚制度の変更に直結するのではないかという誤解が非常に強くて,もともと他の自治体を見ていても,結婚制度と別にパートナーシップ制度というのを設けているわけで,そういう誤解を取り除かなければいけないという指摘を踏まえて,パートナーシップ制度というのではなく,パートナーシップ宣誓制度という名称に変えてみるとか,あるいは,市町村との連携を,ご指摘を踏まえて強化したりとかということはしっかりとご意見を踏まえて,今回,取り入れさせていただいたものです。
ただ,時期尚早だという話については,メリット,デメリットを比較衡量した結果,なるべく早く実施した方がメリットが非常に大きいと。例えば性的マイノリティの方々の置かれている深刻な状況を鑑みれば,一刻の猶予もするべきではないという判断をして,時期については,緊急提言にありましたが,我々としては,可及的速やかに実施したいと考えて,今回発表させていただきました。
NHK:もう1点,市町村との連携で今後進めていきたい,スタートが広がっていけばというお話でしたが,実際に本当に広まるということを考えると,行政だけではなくて,民間の事業者も含めたあらゆる場面で認知されて,実際にこれが使われていくということが重要なのかと思いますが,そのあたりはどのようにお考えでしょうか。
知事:例えば,この制度の議論をしている最中に私がお会いした中で,なるほどなと思ったのは,例えば生命保険ですね。生命保険の保険金の受取人に指定できるかできないか。こういう公的な証明制度があれば,そういうことも企業としては検討可能だという話もあるので,例えばそういうものについても,この制度をもとに,企業の努力として広がってくれれば,よりよい社会として,LGBTの方々にとっても非常に生きやすいものになるのではないかなと思いますし,また,この制度があることそのものが,当事者の方々にとっては,自己肯定感であるとか,様々な目に見えない効果があるのではないかなと期待しております。
毎日:先ほどのパートナーシップ制度を実際に導入した場合に,県立病院で使うだとか,将来的に保険金の受け取りなどもという話がありましたが,そうした場合,例えば,パートナー関係を解消した場合に,トラブルの原因になる可能性があると思いますが,その解消の場合の手続きというのはどのようになるのでしょうか。
知事:本人からの申請で返還してもらうということです。
毎日:カードを交付して,そのカードを返還してもらうということですか。
知事:ということですね。
毎日:ありがとうございます。
知事:他によろしいでしょうか。
東京:教育・啓発のところで,子どもたちへの教育というところはどう考えていらっしゃるのでしょうか。
知事:子どもたちの教育については,勉強会の中でも慎重な対応を求める声もありましたので,今後,今回の取り組みに基づいた普及啓発がどれだけの広がりをもつかを見ながら,ちょっと慎重に検討した方がいいかなと,今,考えております。
東京:逆に,先生たちへの教育というのでしょうか,その辺はどうでしょうか。
知事:それは市町村職員向け人権セミナーと同様の(研修会の)中身の中で,県職員,市町村職員,教職員ということで対応していきたいなと思っています。
朝日:今回,この制度を導入するに当たって,県議会の方からは,市町村長と直接面会して理解を得てほしいという申し入れもあったと聞いているのですが,その辺の議会の意向というのはどういうふうに捉えていらっしゃるのでしょうか。
知事:今後,直接,市町村会等で直接説明させていただく機会を設けたいと思っています。
朝日:今回,この制度を条例という形でやるという方法もあったと思うのですが,そういった形をとらなかった理由みたいなものはございますでしょうか。
知事:いや,もともと条例でやるつもりは全くありません。たまたま男女平等参画推進条例を象徴的な意味で改正しようということをこの前の3月の第1定で行ったわけですが,そこでこの議論になったわけですが,この制度自体は別に条例と関係なくやれるものなので,もともと条例は全く念頭にありませんでした。
毎日:事実婚も含むというところで要件が入っていますが,異性婚の場合には独身証明書を出せば独身であることは証明できるかと思うのですが,事実婚についてはどのように証明してもらうと考えているのでしょうか。
事務局:今回はあくまで性的マイノリティの方を対象としたもので,事実婚は含まないということにしております。
知事:だから,事実婚を含む配偶者がいないということが条件だということですね。それで答えになっていますか。事実婚というのはわからないではないかということですか。
毎日:そうです。
知事:それは善意を信じるしかないですよね。信じるしかないでしょう。
事務局:そこは申し出でやってもらう。
知事:それしかないですよね。それはどんな制度でも,多分,事実婚を除くとしたら,そうなってしまいますね。
読売(幹事社):各社さん,よろしいでしょうか。そうしましたら,4項目めの発表,よろしくお願いします。
知事:次に,犬猫殺処分ゼロを目指す取り組みについてご報告したいと思います。本県の動物指導センターにおける犬猫収容頭数は年々減少してきておりますが,いまだに約3,000頭の犬猫が動物指導センターに収容されているという状況にございます。
収容される犬猫のうち,飼い主に返還されるものは約4%,新たに飼い主を探すボランティア団体等に譲渡されるものが約77%,やむを得ず殺処分となるものが約15%となっております。
殺処分頭数については,環境省より,攻撃性を示す場合の譲渡不適,病死や老衰による収容中死亡,それら以外の3つの項目に分類することとされておりまして,茨城県としましては,今後,環境省の区分に基づいて,譲渡不適による殺処分や収容中死亡を除いた殺処分頭数を本県の殺処分頭数として,この数でゼロを目指すというふうにしていきたいと考えております。
本県においては,殺処分となるのは,ほとんど大人の犬,いわゆる成犬で,子犬であるとか成猫,子猫はほとんど譲渡されている状況でございます。成犬が多い理由としては,成犬には野良犬が多くて,攻撃性がある,あるいは人に慣れないなどの譲渡不適な性質を有するものが多いということによるものです。
そこで,成犬の譲渡適性の判断をより客観的に行うために,「譲渡候補犬の選定に関するガイドライン」を制定し,6月から運用を開始いたしました。ガイドラインの中身としましては,一次判定で,健康状態に加えて,生育環境や人への攻撃性について確認し,さらに日にちを置いて,二次判定で詳細な基準をもとに確認するということにより,客観的な譲渡適性を判定していくという体制をとります。参考までに,平成30年度,その他の部分の殺処分頭数は,犬で18頭,猫でゼロということになります。
今後も処分頭数を減らしていくためには,譲渡事業に加え,動物指導センターに入る犬猫をそもそも減らすということが重要でございます。県民の皆様には,所有者明示の徹底,不妊去勢手術の実施,犬はつないで飼う,リードをつけて散歩させる,猫はなるべく屋内で飼うなど適正な飼い方をしていただき,人と動物が幸せに暮らせる茨城県づくりにご協力いただきたいと考えております。私の方からは,以上です。
読売(幹事社):幹事社の読売新聞から質問させていただきます。環境省によるこの区分は,他県でも既に導入されている事例があると思うのですが,茨城県がこのタイミングでこれを適用する理由が何かありましたら教えてください。
知事:より適切な数字を目標値として設定するということで,犬猫殺処分ゼロという目標を,譲渡不適以外の殺処分,どうしても譲渡ができないというもの以外の殺処分をゼロにするという目標にきちんと変えるということを早い段階で決断したということです。
読売(幹事社):わかりました。各社さん,お願いします。
NHK:譲渡不適と判断されたものは殺処分の対象にならないということだと思うのですが,そうすると,ちょっと意地悪な聞き方ですが,殺処分ゼロにしたいと思えば,全部譲渡不適にしてしまえばゼロがあっという間に達成できるわけで,現場でのプレッシャーというか,ちょっと判断に迷ったときに,不適ということにとりあえずしておこうよというふうな判断に流れてもおかしくないと思うので,ここにガイドライン作成とありますが,そこをどういうふうに判断していくのかというのはすごく重い課題だと思うのですが,そこはどう担保されていきますか。
知事:したがいましてこのガイドラインが出てくるということで,それまでも譲渡性判断というのは,国に対する報告の中で,譲渡不適である,収容中死亡である,その他であるという形で区分して報告はしていたのですが,その報告が今のお話のような疑いを抱かせないように,きちんとした客観的な適性判断ができるような形でやられているということを確保するためのガイドラインを,今回,きちんと県としてつくったということでございます。
NHK:現場の判断に,例えば,外部の人の目を入れたりとか,そういうことは何かお考えでしょうか。
知事:今のところ考えておりませんが,今後の議論の中で,必要という話になれば,検討も可能かと思います。
毎日:殺処分と関連して,ふるさと納税の中で,大幅に増えたということですが,特に46%が犬猫殺処分ゼロを目指す取り組みに寄附したいということだったと思うのですが,実際にその46%のお金をこの制度の中のどういったところで組み入れていきたいなと。また,いつごろ予算編成に組み入れていくのかお伺いします。
知事:もう既に平成29年度から実施している犬猫殺処分ゼロを目指すプロジェクトで活用させていただいておりまして,使用用途の例としましては,地域住民が取り組む身寄りのない猫の不妊去勢手術への助成でありますとか,茨城県動物指導センターに収容される犬猫を譲渡する際の飼育管理費の補助などに充てられております。寄附金の今後の使い道についても,本県の犬猫収容状況を踏まえながら,より効果的な事業を今後とも検討していきたいと思っています。
毎日:資料の参考のところで,その他の殺処分頭数が,犬18頭,猫ゼロ頭ということなのですが,ちなみに,譲渡不適とか収容中死亡の件数なんかも把握されていますでしょうか。
事務局:平成30年度の区分ですが,犬で譲渡不適が155頭,収容中の死亡が62頭,その他が18頭ということになります。猫の方で,譲渡不適が11頭,収容中死亡が200頭,その他がゼロ,合計211頭ということになっております。
毎日:その18をゼロにするというふうな。
知事:そういうことですね。
毎日:ありがとうございます。
読売(幹事社):各社さん,よろしいでしょうか。そうしましたら,発表項目以外の質問をさせていただきます。偕楽園についての質問です。県は,今月3日に星野リゾートと魅力向上に関する計画策定について委託契約を結んでおりますが,星野リゾートに今後期待することというのはどういったことなのでしょうか。
知事:星野リゾートは,これまでも,宿泊施設を中心としたリゾート開発で大きな実績を上げてきているところでありますので,今後,偕楽園,歴史館周辺,千波湖の周辺も含めて,民間の創意工夫を生かした大胆な提言をいただけるのではないかなということを期待しています。
読売(幹事社):ありがとうございます。G20のつくば会合について質問させていただきます。今月8,9日と行われましたが,7日の夜には歓迎レセプションで地元食材の料理などが振る舞われました。商談会等もあったわけですが,県のレガシーという観点から,今回の会議をどのように受け止めていますでしょうか。所感をお願いいたします。
知事:G20という非常に多くの国の関係者の方々,会議の出席者だけではなくて,関係者,マスコミ,様々な方々が,今回,茨城県に訪れていただいて,茨城県の食材,あるいは茨城県のいろいろな施設,つくばの研究施設でありますとか,観光地でありますとか,そういうものをご覧いただいたというのは非常に大きなことなのかなと思いますし,あとはMICEの誘致先としても,つくばでG7は過去に開催したけれども,G20を開催することができたということは,今後,MICE,国際会議の誘致などにも非常に大きな実績になったのではないかなと思います。
当初は,ホテルのスイートルームが少ないのではないかとかいう話でしたが,25平米以上のツインルームであればVIPの方々にも泊まっていただけるという方針で,全く問題も発生しなかったということで,日本の国際会議における基準というのは,ちょっとオーバースペックだった部分が,今回,若干見えたのかなということも含めて,海外なんかではそういうことがよくあるのですが,今後,つくばや茨城でこういう国際会議も十分可能だということが証明できたということだと思います。
それから,並木中等教育学校でのプレゼンテーションでありますとか,あるいは,今後予定していますG20の参加各国による国際交流プログラム,大使館の方に来ていただいて,つくば周辺の小・中・高校に自分の国を紹介していただく,交流していただくということなども今後続けていきますので,そういう意味では,非常にいいきっかけになったのかなと思います。
また,会場で出した食材とか,いろいろなものが非常に評判になって,こういうのが評判になるのだと意外な発見もありまして,今後それも輸出促進とか,そういう形でつなげていきたいと思いますし,G20の行われているこの茨城で商談会を行って,そういうことが評判になれば,先端技術を持ったベンチャー企業の例えば立地なんかも今後期待できるのではないかなという気もしますので,そういうことでは様々なレガシーが残ったのではないかな,レガシーがあったのではないかなと思います。
読売(幹事社):わかりました。ありがとうございます。各社さん,よろしくお願いします。
茨城:県開発公社と県企業公社の合併検討についてなのですが,知事の所感をお伺いしたいのと,今後,具体的に考えていらっしゃることがあればお伺いしたいのですが。
知事:県開発公社と県企業公社の合併(の検討)を今,進めているところですが,今後,県の活力を上げていくという意味で,企業誘致,本社機能の誘致で,例えば50億円という補助金などもつくって成果を上げてきているわけですが,よりスピーディにそういう事案に対して対応できるという体制が必要であるということで,開発公社による工業団地整備や,企業誘致の戦略的推進と,企業公社の水道事業の整備がセットで運営できる,戦略的に,計画的にスピーディな対応ができる,そういう体制をつくるために,今回,組織体制の再構築と経営基盤の強化を図るという目的で進めているところであります。
読売(幹事社):参院選についてお尋ねしたいのですが,応援演説の関係です。知事は,知事選のときに,自民から支援を受けて当選ということになりましたが,今回の選挙では,応援演説についてはどのようなスタンスで臨まれるご意向でしょうか。
知事:基本的には,ご依頼いただいたところの応援を検討することになると思うのですが,現在,ご依頼いただいているところが自民党だけなので,自民党の候補の応援には行くことになるのではないかなと思っています。
読売(幹事社):他の党からでも,要請があれば,その都度,検討するというスタンスなのでしょうか。
知事:行くかどうかは別にして,検討は当然します。
読売(幹事社):わかりました。ありがとうございます。
朝日:先日,取手のいじめの関係で,保護者の方の説明会の中で,処分がいつになるのかという質問があったようですが,その時期などについて,もし決まっていれば教えてください。
知事:可及的速やかにということでしたのですが,当事者の1人が非常に精神的に不安定な状況で,事情聴取ができない状況が続いたために,延び延びになってきましたが,最近になって書面での事情聴取を行っておりますので,そう遠くない時期に相応の処分が速やかに行われるものと考えています。
読売(幹事社):各社,よろしいでしょうか。ありがとうございました。
知事:どうもありがとうございました。
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