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更新日:2024年3月31日
県では、民間企業などと連携して、令和4年の秋から那珂湊漁港内で本県初のマサバの養殖を開始しました。
令和5年冬には、県内の飲食店や小売店に出荷され、新たな茨城の名物として期待の声が寄せられています。
今回は初めての試みである「茨城育ちの養殖マサバ」をご紹介します。
魚を育てるのに毎日欠かせないこと――――それは魚への餌やりです。
餌やりと聞くと、養殖業者がいけすの横で餌をまく光景が思い浮かぶかもしれません。しかし、「茨城の養殖マサバ」の餌やりは、那珂湊漁港のいけすと何キロも離れたオフィスから、遠隔操作で行っています。
ICTを活用することで、どこにいても、いけすに設置した水中カメラのリアルタイムの映像がスマートフォンで見られます。魚の食欲や体調をいつでも確認し、餌を与えるタイミングなどを設定することができるた
め、悪天候の日や少ない人員でも、マサバの管理が可能になりました。
さらに、将来的にはAIが人の代わりに餌を与える判断をするなど、よりいっそう省力化が実現されるかもしれません。こうした新しい技術により、一日に何度もいけすに行く手間を省き、社会全体の課題である「人手不足」を克服することが期待されています。
県水産振興課執務室にてマサバの状況を確認中(外山技師・荒山課長補佐)
■釣りやアクアリウム、魚類の自然史研究などが趣味で、四六時中魚と向き合っている2人!マサバの餌やりも2人が中心に行っています。
水中カメラに映ったマサバの映像
那珂湊漁港のいけすに設置された給餌機
与える餌の量やタイミングもスマホで設定することが可能です。
県立海洋高校も全面協力! 毎日のマサバの観察や、出荷する作業には、県立海洋高校の生徒も参加しました。養殖に必要ないけすの設置や出荷では、那珂湊漁業協同組合や那珂湊水産加工業協同組合など多くの方にご協力をいただき、新たな養殖に取り組んでいます。
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マサバやサケ、イカなどの一部の魚介類には、アニサキスという線虫が寄生することがあります。生きたまま人の体内に入ると腹痛などの原因となるため、冷凍または加熱処理をするのが一般的ですが、「茨城の養殖マサバ」は人工的にふ化させたマサバを稚魚の段階から配合餌料で育てているため、アニサキスに寄生されるリスクが極めて低いのが特長です。
脂がのっておいしいと好評価でした
養殖の開始から約一年、苦労の末に食べ頃の大きさに育てられたマサバは、昨年12月と年明けに「いばらきの地魚取扱店」に認証された飲食店や小売店に向けて試験的に出荷されました。
各店では、プロの料理人の目によりアニサキスがいないことを厳しくチェックした上で、主に刺身や握りなどの「生」の料理で提供されました。「生」のマサバを食べるのは初めての方が多いようでしたが、大変好評で、アンケート調査では8割以上の方から、「また食べたい」との評価をいただきました。
現在は、養殖マサバを「新たな茨城の名物」にすることを目指し、今年出荷予定のマサバを育成しているところです。どうぞご期待ください。
昨年末、店頭に並んだ養殖マサバ
県水産振興課☎029(301)4199
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