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更新日:2019年11月19日

令和元年11月臨時会(知事提案説明要旨)

令和元年11月臨時会の開会に当たり、提出いたしました議案等の説明と報告を申し上げます。

はじめに、この度の令和元年台風第19号により亡くなられた方々のご冥福を謹んでお祈り申し上げますとともに、今般の台風等により被害を受けられた皆様に心からお見舞いを申し上げます。また、復旧・復興に向けて大変なご尽力をいただいている皆様、尊いご厚志をお寄せくださいました皆様などに心から敬意と感謝の意を表する次第であります。

(令和元年台風第15号による被害と対応状況)

まず、令和元年台風第15号による被害と対応状況についてであります。

去る9月9日に関東地方に上陸、通過した台風第15号は、記録的な暴風により本県や千葉県などに甚大な被害をもたらしました。本県においては、23名の負傷者、2,700棟を超える住家被害、約11万軒に及ぶ停電のほか、ピーマンやミニトマトなどの農作物やパイプハウスなどの農業用施設等で60億円を超える被害に見舞われました。

県といたしましては、翌10日から13日にかけて宇野副知事を被災地に派遣し、農業被害の状況を確認するとともに、19日には「茨城県農林漁業災害対策特別措置条例」に基づく支援措置として、被災農業者への融資に対する利子補給などを決定いたしました。また、国への要望活動を実施し、その結果、先月1日には台風第15号にかかる「強い農業・担い手づくり総合支援交付金」の発動を受けて、農業用施設の再建・修繕等に対し市町村と協調した上乗せ補助を決定するなど、被災農業者が速やかに経営再開できるよう、支援に向け取り組んできたところであります。

 

(令和元年台風第19号による被害と対応状況)

次に、令和元年台風第19号による被害と対応状況についてであります。

先月12日から13日にかけて本県を通過した台風第19号は、関東甲信地方から東北地方の広範囲に渡り記録的な大雨をもたらし、那珂川や久慈川など65河川の149か所において堤防の決壊や越水などの甚大な被害が発生いたしました。

主な被害等の状況でございますが、死者2名、行方不明者1名、負傷者20名の人的被害のほか、3,300棟を超える住家被害、約5万3,600軒での停電や約2万戸での断水などの被害が発生いたしました。このような状況から、ピーク時には全市町村で避難所が設置され、2万人を超す方々が避難されたところであり、発災後1か月が経った現在も、23名の方々が避難所での生活を余儀なくされております。

次に、交通インフラについてであります。まず、道路につきましては、県管理道路において道路冠水等により107箇所で全面通行止め等の通行規制を実施しましたが、現在はすべて解消されております。一方、常磐自動車道の水戸北スマートインターチェンジは、浸水被害の影響で現在も閉鎖が続いております。鉄道につきましては、JR水郡線の久慈川の橋梁が流失し甚大な被害を受け、現在も西金駅から常陸大子駅の間が不通となっており、復旧には相当の期間を要するものと見込まれております。

また、農業関係では、農地・土地改良施設で約52億円の被害を受け、ハクサイやネギなどの農作物や農業用施設等も含めた被害額は約84億円にのぼっております。さらに、商工業関係では、水戸市や大子町を中心に中小企業の被害額が約75億円と推計され、今後増加することが見込まれるなど、地域経済に極めて深刻な影響が生じております。

県といたしましては、台風第19号の接近に伴い、12日正午に災害警戒本部を設置し、市町村に対して早期の避難勧告等の発令を呼びかけるなど、県民の安全確保に努めてまいりました。本州に上陸した午後7時には災害対策本部に移行し、情報収集を行うとともに、応急・復旧対策に迅速に取り組めるよう準備を進めてまいりました。

台風が通過した13日の朝からは、市町村や警察、消防、自衛隊などと連携し、浸水した家屋などに取り残された328名の方々を救出するとともに、ライフラインや道路・河川等の早期復旧などに努めてきたところであります。

また、私自身、13日から14日にかけて、水戸市や大子町をはじめ、特に甚大な浸水被害を受けた被災地を視察し、極めて深刻な状況を目の当たりにいたしました。

そのため、被災市町村からの要請を待つことなく、県が率先して支援を行っていくべきとの考えのもと、5つの市町を中心に、「いばらき災害対応支援チーム」をはじめ、県及び国、県内外の自治体から延べ1,400人を超える職員を派遣し、救援物資の調整、ボランティアセンターの運営、住家の被害状況調査や罹災証明書の交付、災害廃棄物処理などの支援に当たらせました。その結果、住家の被害状況調査は発災後概ね2週間で終了し、全国的に遅れが指摘されている罹災証明書の交付につきましても、発災後1か月の時点で申請の3割程度の県もある中、本県では8割以上に対し交付を終えたところでございます。

加えて、JR水郡線が不通となったことから、県におきまして、常陸大宮駅から常陸大子駅の間の日中時間帯の臨時バスや、大子町までの災害ボランティアバスを運行し、地域住民やボランティアの方々の交通手段を確保することで、被災地の一日も早い生活再建を支援してまいりました。

JR水郡線につきましては、県北山間地域の住民の生活の支えであるだけでなく、観光面でも重要な交通機関であることから、赤羽国土交通大臣や深澤JR東日本社長に直接要望するなど、早期の全線復旧に向けて取り組んでいるところであります。

さらに、発災翌週の先月21日には、川津議長とともに菅官房長官をはじめ関係各大臣に対して要望活動を実施し、激甚災害の早期指定や被災者生活再建支援法の適用範囲の拡大、被災した農業者及び中小企業者への支援、災害廃棄物の処理に対する財政支援の拡充などについて強く働きかけてまいりました。

 

(復旧・復興に向けた取組み)

こうした中、政府が今月8日に閣議決定した、一連の豪雨・暴風被害に対する包括的な支援策「被災者の生活と生業の再建に向けた対策パッケージ」におきましては、本県が強く要望していた中小企業向けの手厚い補助制度や、浸水した保管米に対する支援をはじめとする農業の経営再建策などが盛り込まれたところであります。

県といたしましては、こうした国の動きも踏まえ、県としての支援策を早急に示すことが被災者の方々の生活再建や経営再建の強力な後押しとなると考え、作業スケジュールを早め、台風第19号による被災から概ね1か月というスピード感をもって、本県独自の支援策を含めた関係予算を編成いたしました。

具体的には、被災者生活再建支援法の支援対象とならない半壊世帯に対し本県独自の支援を行うとともに、災害救助法に基づく支援制度のない、台風第15号に係る半壊及び一部損壊世帯について、国交付金による制度と協調して支援を行うことといたしました。また、農業者に対しては、被災農業者の農業用施設・機械の再建・修繕等に対し、国の補助に上乗せして支援を行ってまいります。さらに、中小企業者に対しては、国の補助金を活用し、事業再開に必要な機械・設備等の整備費の一部を支援するとともに、観光需要回復のための宿泊施設への支援などを実施してまいります。

県といたしましては、こうした取組みを通じ生活再建や事業の再開等を支援することにより、被災された方々が一日も早く日常の生活を取り戻し、安心して暮らせるよう、災害からの早期復旧と復興を着実に進めてまいります。

また、今回の災害において新たに生じた課題については点検・検証を行い、今後の災害対策に役立ててまいりますとともに、近年における災害の多様化・激甚化を踏まえ、災害への対応能力の向上と災害に強い県土づくりをより一層推進してまいります。

 

(茨城国体・全国障害者スポーツ大会の結果)

次に、茨城国体・全国障害者スポーツ大会の結果についてご報告申し上げます。

天皇皇后両陛下をはじめ多くの皇室の方々をお迎えし開催いたしました、天皇陛下御即位記念第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体」は、45年ぶりの天皇杯・皇后杯の獲得という大変喜ばしい結果とともに、盛会の裡に終えることができました。これもひとえに、本県選手団の健闘、議員各位をはじめ関係者の皆様のご支援とご協力によるものであり、厚く御礼申し上げます。

一方、第19回全国障害者スポーツ大会「いきいき茨城ゆめ大会」につきましては、台風第19号の接近を踏まえ安全を第一に考慮した結果、中止といたしました。選手、関係者の皆様一人ひとりを思うと大変残念であり、苦渋の決断ではございましたが、開催に向けて長年にわたりご尽力をいただいた皆様にあらためて感謝申し上げます。

 

(提出議案等)

次に、提出議案等についてご説明申し上げます。

今回の提出議案は、予算の補正に関するもの1件、報告1件であります。

まず、一般会計の補正予算についてであります。

今回の補正予算におきましては、先に申し上げました被災者の生活再建や農業者及び中小企業者の事業再開に向けた支援等のほか、被災した河川や道路、農地・土地改良施設等の復旧事業費など、総額354億59百万円の予算措置を講じることといたしました。

この結果、補正後の一般会計予算の総額は、1兆1,912億55百万円となります。

歳出の主なものについて申し上げますと、

国補公共事業の追加122億27百万円
県単公共事業の追加23億19百万円
被災中小企業復興支援事業109億17百万円
被災農業者向け経営体育成支援事業30億99百万円
災害救助費19億91百万円
被災住宅復旧緊急支援事業2億5百万円
被災者生活再建支援補助事業1億6千万円

などであります。

財源といたしましては、国庫支出金や災害復旧事業債などを活用するとともに、所要の一般財源51億64百万円につきましては、平成30年度からの繰越金と、一般財源基金からの繰入金を充当することといたしました。

また、債務負担行為は、新規2件であります。

次に、報告は1件で、専決処分の報告であります。

以上で、提出議案等の説明を終わりますが、なお詳細につきましては、お手元の議案書等により御審議の上、適切な御議決を賜りますようお願い申し上げます。

 

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