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更新日:2019年12月4日
令和元年第4回定例会の開会に当たり、提出いたしました議案等の説明と報告を申し上げます。
はじめに、令和元年台風第19号等による被害への対応についてであります。
災害発生から2か月近くとなり、避難所等から応急仮設住宅や公営住宅などへの入居が進み、県内の避難所は今月2日までにすべて閉鎖されたところでありますが、現在もいわゆる在宅避難者の方々などがおられることから、県といたしましては、引き続き、被災者の生活再建に向けた取組みを支援してまいります。
また、中小企業者の個々のニーズを踏まえた支援施策の迅速かつ円滑な執行を図るため、先月20日、産業戦略部内にワンストップの支援窓口となる「被災中小企業支援対策室」を設置いたしました。先月末までに63件の相談が寄せられており、引き続き、個々のニーズに合ったきめ細かな支援に努めてまいります。
被災農業者に対しましては、地元説明会を順次開催し支援内容の周知徹底を図っているところであり、農業改良普及センターによる農業経営指導も併せて行うことで、早期の営農再開を支援してまいります。
閉鎖が続いておりました常磐自動車道の水戸北スマートインターチェンジは、今月2日に暫定復旧いたしました。河川や道路等の県管理の公共土木施設につきましても、国の災害査定が完了次第、速やかに本格的な復旧工事に着手してまいります。
災害廃棄物につきましては、仮置き場からごみ焼却施設等への搬出が順調に行われているところであり、民間事業者の活用等により、現在仮置き場にあるごみの処理が今年度内に完了するよう、引き続き市町村を支援してまいります。
県といたしましては、先の臨時会において議決いただいた補正予算による各種の支援策の実施を通じ、災害からの早期復旧と復興を着実に進めてまいります。
次に、茨城国体・全国障害者スポーツ大会についてであります。
先の臨時会でもご報告申し上げましたとおり、天皇陛下御即位記念第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体」におきまして、本県は45年ぶりに天皇杯・皇后杯の両賜杯を獲得することができました。「翔べ羽ばたけそして未来へ」の大会スローガンのごとく、本県スポーツの振興において、未来へ飛躍するためのステップとなる大会であったと考えております。
選手の皆様には、今後のさらなる活躍はもとより、国体での経験を通して得たものを次の世代にもぜひ伝えていただくことを期待しております。県といたしましても、ジュニアアスリートの育成や指導者の確保など、競技力の向上に今後とも努めてまいります。
また、今回の国体では、文化プログラムの一環として、全国初の「都道府県対抗eスポーツ選手権」を開催し、予選を含め約1万5千人もの方々に参加いただきました。大会当日は多くの報道機関が取材に訪れるなど、注目度も高く、大きな盛り上がりを見せたところであります。eスポーツは、年齢や体力、ハンディキャップの有無にかかわらず参加でき、将来に大きな可能性を秘めていることから、今後は県内に定着していくよう努めてまいります。
さらに、台風第19号の接近により中止いたしました第19回全国障害者スポーツ大会「いきいき茨城ゆめ大会」の取組みについて知っていただくため、先月1日から15日にかけて、県庁舎25階展望ロビーにおいて、大会競技種目の紹介や、大会のメダルなどの資料を展示し、期間中県内外から2万人を超える方々にお越しいただきました。
県といたしましては、全国障害者スポーツ大会を契機に、全国初の取組みとして、障害者スポーツの指導者育成や拠点形成のため、筑波大学に設置した寄附講座を今後も継続するなど、障害者スポーツの振興に努めてまいります。
次に、医師確保に向けた取組みについてであります。
最優先で確保すべき医療機関・診療科の医師数につきましては、目標を16名と明確にし、これまでに常勤医師7名及び非常勤医師1名を確保したところでありますが、このたび、神栖済生会病院の整形外科を担う常勤医師1名及び非常勤医師1名を新たに確保いたしました。引き続き、来年9月までに目標医師数を確保できるよう、全力で取り組んでまいります。
また、ハンガリー国立医科大学の実習提携病院としての認定手続きを進めてまいりました県立中央病院及び筑波大学附属病院につきましては、去る9月にハンガリー認定委員会から正式に認定されました。これにより、来年夏から4つの国立医科大学の学生実習の受け入れが可能となることから、本県の医師確保につながるよう、ハンガリー医科大学事務局及び各病院との連携により、ハンガリーからの医学生の受け入れを進めてまいります。
次に、サイクルツーリズムの推進についてであります。
先月7日、つくば霞ヶ浦りんりんロードが、我が国を代表し世界に誇りうるサイクリングルートの一つとして、知名度の高い「しまなみ海道サイクリングロード」、琵琶湖を一周する「ビワイチ」と並んで、第一次「ナショナルサイクルルート」に指定されました。
指定を契機として、国内外からのサイクリストの誘客や情報発信、受入体制の整備など、官民一体となった取組みを一層進め、更なるブランド力の向上を図ってまいります。
また、つくば霞ヶ浦りんりんロードの拠点となるJR土浦駅において、株式会社アトレと星野リゾートが連携し、来年3月に駅ビル内にオープン予定の「星野リゾートBEB5土浦」について、去る9月30日、本県のフラッグシップとなるホテル等の誘致を目的に昨年度創設した「宿泊施設立地促進事業」の第1号として認定いたしました。同ホテルの開業により、つくば霞ヶ浦りんりんロードをはじめ、本県観光のイメージアップに繋がる新たな拠点となることを大いに期待しております。
次に、県北地域の振興についてであります。
台風第19号により、大子町や常陸大宮市、常陸太田市をはじめとする県北地域は甚大な被害に見舞われました。県といたしましては、紅葉やりんご狩りなど秋の観光のトップシーズンを目前に、風評による影響を最小限とするため、スタンプラリーをはじめ常陸秋そばに関するイベントを実施するとともに、先月10日には、JR東日本水戸支社や大子町と連携し、JR水戸駅において水郡線応援イベントを開催するなど、誘客促進のPRを行ったところであります。
引き続き、こうした取組みに加え、先の臨時会において議決いただいた補正予算による宿泊観光支援事業の実施などにより、観光需要の回復に努めてまいります。
また、かみね動物園へのパンダ誘致につきましては、先月27日から30日にかけて中国を訪問し、川津議長や小川日立市長とともに、中国国家林業草原局及び中国野生動物保護協会等に対し要望を行ってまいりました。パンダ誘致の実現に向けて、引き続き関係者一丸となって取り組んでまいります。
次に、農林水産物のブランド力強化についてであります。
本年度、県オリジナル品種の梨「恵水」と県ブランド豚肉「常陸の輝き」に対象を絞り、全国的に通じるトップブランドの育成を目指してまいりました。梨の「恵水」につきましては、都内の高級果物専門店において、「甘い」「大きい」という恵水の特徴を最大限に引き出した1万果に1個の「幻の恵水」を、1個8,640円という日本一高価な梨として販売し、テレビや新聞で取り上げられるなど、大きな話題となったところであります。
また、「常陸の輝き」につきましては、ミシュランガイドに常時掲載されている都内高級レストランでの採用、全国のトップシェフが購読する料理雑誌を活用したPR、有名百貨店での販売等により、高級品としての認知度を高める取組みを進めているところであります。
引き続き、トップブランド化に向けた取組みを進め、成功事例をつくりながら、他品目への展開を図ることにより、本県農林水産物全体のイメージアップにつなげてまいります。
次に、イバラキセンスの1周年についてであります。
東京・銀座の県アンテナショップ「イバラキセンス」につきましては、10月25日にリニューアルオープンして1年を迎えましたことから、1周年記念イベントを開催いたしました。
当日は、いばらき大使でもあります元横綱の荒磯親方をお招きして、「常陸の輝き」や「恵水」などを試食いただき、テレビや新聞など多数のメディアにも取り上げられたところであります。
県といたしましては、引き続き、「イバラキセンス」を首都圏のPR拠点及びマーケティングの場としてしっかりと機能させるとともに、多くの皆様に足を運んでいただけるようなにぎわいのある店舗としていきたいと考えております。
次に、ベンチャー企業の創出・育成支援についてであります。
先月22日、関西における県内ベンチャー企業の新たな資金獲得や、ビジネスパートナーとの連携を推進するため、大阪市内の産業支援機関において、本県のベンチャー企業によるプレゼンテーションイベントを開催いたしました。
また、今月1日には、「つくば創業プラザ」のTXつくば駅前拠点として「スタートアップオフィス」を新たに開設したところであります。
さらに、海外での資金調達や事業連携を目指すベンチャー企業を支援するため、ニューヨークのアクセラレーターであるERAと協力関係を構築すべく、今月11日に覚書を締結する予定となっております。
今後とも、ハード・ソフトの両面で支援することにより、県内ベンチャー企業が茨城にいながら国内外の他地域とつながる環境づくりに積極的に取り組んでまいります。
次に、外国人材の確保についてであります。
先月25日から27日にかけてベトナムを訪問し、ベトナム労働・傷病兵・社会問題省との間で、人材の送出し・受入れ等に関する「協力覚書」を締結するとともに、チュオン・ホア・ビン副首相と人材確保の展望や課題などについて意見交換をしてまいりました。今後は、ベトナム人材の円滑な受入れに向けて、人材の送り出しを実際に担う機関や、人材の供給元となる教育機関との関係構築を進めてまいります。
また、先月1日には、県内の外国人労働者が安心して働くことができる環境づくりの一環として、日本語や日本の生活、就労マナーなどについて、インターネットを通じて習得できる「e-ラーニングシステム」の提供を開始したところであります。
引き続き、ベトナム以外の諸外国とも協力関係を構築するなど、多くの外国人から選ばれる環境整備に積極的に取り組んでまいります。
次に、茨城空港の就航対策及び利用促進についてであります。
国際線につきましては、10月27日から、春秋航空が定期便として西安便の運航を開始したほか、青島航空が、日本初就航となる連続チャーター便として、先月12日から長春便、また昨日3日からは福州便の運航を開始したところであります。
一方、国内線につきましては、フジドリームエアラインズによる、南紀白浜や奄美大島、長崎等へのチャーター便が今月から来月にかけて運航される予定となっております。
引き続き、様々なPR活動を展開し利用促進を図ることで、茨城空港の更なる活性化に努めてまいります。
次に、偕楽園の魅力向上についてであります。
偕楽園につきましては、先月1日に有料化を開始いたしました。有料化に伴い、これまで期間限定であったライトアップの通年化や、好文亭におけるお茶の提供、キャッシュレスの導入など、新たな取組みを始めたところであります。
来園者に実施したアンケート調査によりますと、有料化について約8割の方から賛成をいただくなど、まずは制度の実施にあたりご理解をいただいているものと認識しております。
県といたしましては、今後、民間事業者のアイディアや専門家等の意見を参考にしながら、偕楽園及び周辺エリアの更なる魅力向上に努めてまいります。
次に、庁内保育所の設置についてであります。
県におきましては、仕事の生産性を高めるとともに、職員のワーク・ライフ・バランスの実現を図るため、働き方改革を推進しております。その一環として、仕事と子育てを両立できる働きやすい職場環境づくりを推進するため、今月2日に、県庁敷地内に庁内保育所「ひより保育園」を設置いたしました。
今後とも、職員の働きやすい職場環境づくりに取組み、県民のために真に必要な業務に職員が注力できる勤務環境の整備に努めてまいります。
最後に、提出議案等について御説明申し上げます。
今回の提出議案は、予算の補正に関するもの1件、条例その他27件であります。
まず、予算の補正についてでありますが、公の施設の管理運営に関する債務負担行為の設定であります。
条例は、新たに制定するもの1件、改正するもの15件、合わせて16件であります。新たに制定する条例は「社会福祉法に基づき無料低額宿泊所の設備及び運営に関する基準を定める条例」であり、一部改正を行うものとしては、「職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例」などであります。
条例以外の議案としては11件で、「工事請負契約の変更について」などであります。
以上で、提出議案等の説明を終わりますが、なお詳細につきましては、お手元の議案書等により御審議の上、適切な御議決を賜りますようお願い申し上げます。
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